乙女ヶ池(真珠池)には、戦乱の犠牲者や処刑された者たちの無念が今も漂っているというウワサがある。かつて琵琶湖の入江だったこの池は、戦国時代には大溝城の外堀として利用され、多くの武士が命を落とした場所でもある。今回は、乙女ヶ池(真珠池)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
乙女ヶ池(真珠池)とは?
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滋賀県高島市勝野に位置する乙女ヶ池は、かつて「香取の海」と呼ばれ、琵琶湖の入り江の一部であったとされる。
古くは万葉時代にまで遡る歴史を持ち、時代の流れと共にその姿を変えてきた。
戦国時代には、織田信長の命により築かれた大溝城(おおみぞじょう)の外堀として利用されていた。
大溝城は信長の甥・織田信澄の居城であったが、本能寺の変後に彼は明智光秀の娘婿であるという理由で謀殺された。
その際、大溝城周辺では多くの戦が起こり、この池には敗れた武士の死体が浮かんだという。
また、藤原仲麻呂(恵美押勝)が挙兵に失敗し、斬罪された場所である「勝野の鬼江」もこの乙女ヶ池の周辺であるとされ、歴史的に血なまぐさい出来事が数多く刻まれている。
昭和30年代には、淡水真珠の養殖場として利用されることとなり、「イメージのよい名前を」という理由から現在の「乙女ヶ池」と改名された。
しかし、その名の美しさとは裏腹に、池には未だに戦乱の怨念が残っていると囁かれている。
乙女ヶ池(真珠池)の心霊現象
乙女ヶ池(真珠池)で報告されている心霊現象は以下の通りである。
- 池のほとりに佇む落武者の霊
- 水面に浮かぶ無数の白い手
- 突然響くうめき声
- 夜になると池の奥から聞こえる甲冑の擦れる音
- 誰もいないのに聞こえる足音とささやき声
- 霧の中にぼんやりと現れる女性の影
池のほとりに佇む落武者の霊
夜になると、池のほとりに鎧兜をまとった武士の霊が立っているのを見たという証言が後を絶たない。
その姿はぼんやりとしており、目が合った瞬間に消えてしまうという。
水面に浮かぶ無数の白い手
深夜、池の水面を覗き込むと、そこには無数の白い手がうごめいているという話がある。
手は静かに波紋を作りながら池の中央へと向かい、まるで何かを引きずり込もうとしているようにも見える。
突然響くうめき声
池の近くを歩いていると、突如として苦しげなうめき声が聞こえるという。
まるで息絶え絶えの武士が最後の言葉を絞り出そうとしているかのような低く湿った声が、暗闇の中から響く。
夜になると池の奥から聞こえる甲冑の擦れる音
誰もいないはずの池の奥から、甲冑の擦れる音や、刀を鞘から抜くような音が聞こえることがあるという。
何者かが闇の中で戦っているかのような音に、身の毛がよだつ。
誰もいないのに聞こえる足音とささやき声
池の周囲を散策していると、背後から足音が聞こえてくることがある。しかし振り返っても誰もいない。
そして、すぐ近くで何かを囁くような声が聞こえることもあり、その声の内容は聞き取れないが、まるでこちらを呼んでいるような感覚を覚えるという。
霧の中にぼんやりと現れる女性の影
霧が立ち込める深夜、池の中央に白い着物を着た女性の影がぼんやりと浮かび上がることがあるという。
その姿は徐々に近づいてくるようにも見えるが、次の瞬間には霧とともに消えてしまう。
乙女ヶ池(真珠池)の心霊体験談
体験談1
ある夜、カップルが池の近くを散策していたところ、突然、足元から水が飛び散る音がした。
驚いてライトを照らすと、水面から何本もの白い手が伸びていた。
恐怖でその場を駆け出したが、振り返った瞬間、池のほとりに鎧を着た武士のような影が立っているのを見たという。
体験談2
深夜、池の周辺を一人で歩いていた男性が、甲冑をまとった武士の姿を目撃した。
その霊はじっとこちらを見つめていたが、急に池の中へと消えた。
その瞬間、彼の足元から冷たい風が吹きつけ、しばらくの間足が動かなくなったという。
乙女ヶ池(真珠池)の心霊考察
乙女ヶ池は、美しい名前とは裏腹に、戦乱の歴史を背負った場所である。
戦国時代には多くの武士がこの地で命を落とし、その怨念が池に刻まれた可能性は否定できない。
また、「勝野の鬼江」と呼ばれたこの地は、藤原仲麻呂が処刑された場所でもあり、霊的な力が強い土地と考えられる。
また、池の水面から伸びる白い手や、水音とともに響くうめき声などの現象は、過去にこの池で命を落とした者たちの存在を示唆しているのかもしれない。
池の奥から聞こえる甲冑の擦れる音や、戦いの気配も、死してなお戦場に縛られた武士たちの魂の証なのだろう。
乙女ヶ池は、観光地として訪れる者も多いが、夜になると異様な雰囲気に包まれる。
足を踏み入れる際は、安易な気持ちではなく、この地に眠る者たちへの敬意を忘れないようにしたい
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