幽霊列車は、Chilla’s Art(チラズアート)作のPC向け(steam)に2020年7月24日にリリースしたものである。今回は「幽霊列車 The Ghost Train」を遊んだ感想と攻略…そして考察までしていく。
日本のホラー好きなら「幽霊列車」はおすすめ

幽霊列車は都市伝説の「きさらぎ駅」をモチーフに作られたホラーゲームだ。ゲーム実況で有名になった「夜勤事件」や「事故物件」同様に日本独特の心霊要素(じわりじわり)を楽しむ雰囲気ゲーである。
プレイ時間は人にもよるが、余裕をもって1~2時間もあればトゥルーエンディング(真の結末)までできるだろう。(私は、一週目ではバッドエンドであったが…二週目にはトゥルーエンディングになれた為である)
幽霊列車は現在310円でSteamにて販売している。(安い!)
チラズアート氏の作品には日本を舞台にしたホラーゲームが多くあるため、幽霊列車のような雰囲気ゲーが好みであれば、Steamにてバンドルで購入(まとめて購入)すると割引になるのでおすすめだ。
【幽霊列車】Chilla’s Art(チラズアート)さんの作品を初配信・考察【きさらぎ駅】
幽霊列車をプレイした正直な感想

幽霊列車は前作「行方不明」の発売から約1ヵ月程と、かなり早く発売されたホラーゲームである。サラリーマンの主人公「田中健介」が列車に乗って帰宅する中で起きる不可解な出来事がテーマとなっている。
これまでの作品と変わらない点は、徐々に不気味な現象に遭うという事だろう。ロードをはさむ毎に自動セーブしてくれる点は嬉しい。以前夜勤事件をやった時だったと思うが、セーブ機能がなかった事が気になっていたからだ。
こちらのゲームの感想としては、価格相応の内容である。ホラー要素は少ないものの電車内やホームのグラフィックが綺麗なのが個人的には良い。
内容としてはもう一歩といった感じもあるが、考察要素もあるので楽しめる内容ではある。広告のポスターはゲームの雰囲気が損なわれるのではないか?という意見もあるが、それはそれぞれの感性の違いによるものである。

万人におすすめしたい内容ではないが、和風ホラーゲームが好きであれば中々楽しめるのではないかと思う。
幽霊列車のあらすじ
七月二十四日「電車の中で蝉を探す」
田中健介(42)は、仕事帰りに駅のホームにあるトイレや喫煙所にて、電車が到着するまでの間、時間を潰すのである。
田中は、電車に乗り込むといつもと同じ席に座るのだが…電車が降りる駅に止まらない事に気づく。
どういう事なのか…電車の運転手に事情を聞きに行こうとするが…ドアの前でとうせんぼをしている虫かご持ちの男がいた。

虫かご持ちの男は、電車内に蝉を逃がしたというのだが…一向にその場から動こうとしない。仕方なく田中が蝉を集めにいくことになるのだが…
蝉がいる場所
①5両目にある車両のドア

②4両目のベンチ近くの床

③2両目の手すり

七月二十五日「父とはぐれた子ども」

いつものように仕事帰りの日課を駅のホームで済ませた田中は電車に乗り込む。いつもの席に着いてぼけっとしていると、どこからともなく子どもが現れた。父親とはぐれたという事なので、電車内にいる父親を一緒に探しに行くことになるのだが…
七月二十六日「お世話になった恩師」
日課を済ませた田中は電車内に乗り込む。だが、いつもの席にはモノが置かれており座る事が出来なかった。仕方なく他の席に座り駅の到着を待つことにした。だが、ふと気が付くと駅の到着時刻は過ぎており電車は一向に止まる気配がない。
電車内は停電し不気味な雰囲気の中、かつてお世話になった恩師が座っている事に気づく。

恩師は何かこの事態の事を知っているのだろうか…終電までに三回駅に到着する内「いつもの駅で降りなければならない」と忠告する…。
音合わせ

主人公の田中のお気に入りの席には女性が立っている。この女性が「何か聞こえませんか?」と聞いてくる。どんな順番で音が聞こえるのか答えていく。
車両の上に書かれた数字と音を覚えて答えていくものである。順番は毎回ランダムとなるようだ。
正しい駅で降りる

恩師の清水先生の会話通りに1度目の停車時の音を覚え、正しい駅で降りなければならない。失敗するとバッドエンディングとなる。
八月六日「異様な駅と電車」
いつもと違う異様な駅のホームに着くと間もなく電車が到着する。田中はエスカレーターの上で黒い影を見たのだが…到着した電車に引き込まれていく。

高鳴る心臓の鼓動…明らかにいつもと違う電車内では誰もおらず、どこにも止まる気配がない。先頭車両に向かい運転手を確認しに行くが…そこには誰も存在しなかったのだが…そこで女が電車にぶつかる。

すると電車内は血で赤く染まったかのような異様な雰囲気となり、これまで電車内で出合った者の持ち物がいたるところに置かれている。
手にカマを持った女
電車内に置かれている物を窓に座っている乗客の席に置いていく。全て置くと、先頭車両から手にカマを持った女が這いつくばって襲ってくる。

手にカマを持った女に襲われた後…ある駅に立っている事に気がつく。その場所は聞いた事がない「きさらぎ駅」という場所であった…。
※ここから先は、未プレイの方は注意。物語のネタバレが含まれている。
幽霊列車にある二つのエンディング
バッドエンディング
恩師からの忠告を間違えて違う駅に降りるとバッドエンディングとなる。
主人公の田中は、助けを求める為に電話を掛けるが10円しか所持金がない。どの連絡先も助けを求める前に電話が切れてしまう。
仕方なく、道を歩いて行くと…人影らしき者が複数現れる。

それと同時に暗闇に包まれていく…田中は二度と日常の世界に戻れることはなかった。
トゥルーエンディング
恩師の忠告通りにすると迎える事が可能なエンディングである。
きさらぎ駅で降りた田中は、駅の待合席で座る恩師を見つけ話しかける。

すると今すぐに家に電話をするように言われる。
田中は、電話BOXから家に電話をかける。すると2年前に行方不明になった妻が電話にでるのだが…「わたしもきさらぎ駅に行った事がある。あなたも悪い事を…」と言われた後「今から迎えに行く」と電話は切られる。

道を歩いて行くと車のヘッドライトの光が見えてきた。再会した妻と抱き合う田中は、夫婦でドライブを楽しみながら自宅に向かう。
だが、家に着いた時…妻は「あなたがここに来るのは早すぎる」と言い…田中を車から降ろす。田中は「待ってくれ」と言うが…同時に車はもう存在していなかった。

その後、田中は妻のいない生活を続けていくのであった。
幽霊列車を考察するポイント「電話BOXでの会話」
幽霊列車を考察していく上で重要になるポイントは「電話BOXでの会話」である。

公衆電話から掛けられる連絡先は、
- 家
- 先輩
- 後輩
- 友人
- タクシー
- 駅
- 警察
の内一箇所だけである。その為、全てを聞くためには七回はプレイしなおす必要がある。
※はじめからやり直す必要はなく、きさらぎ駅に着いた時点でセーブされる。
きさらぎ駅の公衆電話で掛けられる連絡先と内容
先輩との会話
先輩は田中の上司である。先輩は小学校時代からの同級生で「道下大史」と親戚関係である事を教えてくれる。

道下大史が小学6年生の頃に両親が離婚し、父とはあまり会えなくなっていた。そんな父親から貰った「蝉」が嬉しく学校に持って行った事や…その時から大史とは疎遠になった事を聞かされる。
後輩との会話
田中が高校時代に後輩だった者である。電話口からすすり泣く女の声が聞こえ驚く。後輩は…自分の奥さんが中学時代に、他校にいた友人がイジメられた事を思い出し、泣いてしまう事があるという。

その友人の中学校は田中の妻「田中栄子」の出身校と同じであった。
友人との会話
小学校時代に虫かごに入れた蝉を持っていた男の子がいた事。

蝉がうるさく感じた田中が、その男の子の蝉を全て殺してしまった事に対して恐怖を覚えたという昔話をする。
タクシー(運転手)との会話
田中は助けを求める為にきさらぎ駅まで迎えに来るよう連絡をする。だが、タクシー運転手はその場所が分からない事を伝え田中に名前を尋ねる。
田中の名前を聞いたタクシー運転手は妻である「田中栄子」の友人だと話す。

栄子が中学時代の出来事をずっと後悔している事…私たちのグループが…と田中に言った所で電話は切れる。
駅(駅員)との会話
帰宅ルートが分からない田中は駅員に電話を掛けるが、きさらぎ駅という駅は何処にも存在しない事を伝えられる。
警察との会話
警察に電話を掛けた田中は、お世話になっている警察官が出てくる。以前から調査している妻の有力な手がかりがまだない事や、失踪して2年経過している現状を気の毒に思って田中を励ましてくる。
家(妻)との会話
家に電話を掛けると妻が出てくる。妻は田中がきさらぎ駅にいる事に動揺し「あなたも悪い事を…?」と発言する。妻もきさらぎ駅に行った事があるから迎えに行くと告げた後に電話が切れる。
幽霊列車の考察まとめ
主人公である田中と妻(田中栄子)の過去起こった悪い事のポイント。
- 主人公の田中謙介は、小学時代に同級生の「蝉」を殺してしまった事がある。
- 主人公の妻(田中栄子)は、中学時代悪いグループにいて、同級生をイジメていた。その事を後悔している。そして2年前に失踪しており、電話では「きさらぎ駅」の場所が分かるという。

これは推測で基準は不明だが、悪い事をした者を「きさらぎ駅」に送り失踪するという法則があるのではないだろうか。
妻は最後に「あなたがここに来るのは早すぎる」と言い残し消えるのは、まだ現世で生きて欲しいという意味があるのではないか。
そもそも、きさらぎ駅に向かう電車の中では、亡くなった者や悪霊がいる場所(霊域の入口のような場所)で、そして自らの過去の過ちを考えるよう仕向けられた場所だったのではないか。
過去の過ちを正す事ができれば、日常の生活に戻れる。だが、妻のように失敗してしまうと失踪してしまう。そんな悲しい物語なのかもしれない。
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