ノルマントン号遭難碑のウワサの心霊話

明治時代、日本人25名が見殺しにされたとされる海難事故──「ノルマントン号事件」。その犠牲者を悼む石碑には、今もなお無念の霊がさまよい続けているという。今回は、ノルマントン号遭難碑にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


ノルマントン号遭難碑とは?

ノルマントン号遭難碑の看板

ノルマントン号遭難碑は、和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の狼煙山(現・ホテル浦島の敷地内)にひっそりと佇む石碑である。

この場所は、明治19年(1886年)10月24日、英国貨物船「ノルマントン号」が熊野灘で暴風雨により沈没し、日本人乗客25名が全員死亡したという、未曽有の海難事件の現場近くである。

事件当時、ノルマントン号は横浜港から神戸港へ向かう途中であった。

船には日本人25名を含む乗客と英国人・ドイツ人の乗組員が乗船していたが、暴風に見舞われたことで航行不能となり、船は座礁・沈没した。

奇妙なのは、英国人船長ジョン・ウィリアム・ドレークをはじめとする26名の外国人乗組員がすべて救命ボートで脱出し、現地の漁師らにより救助されたのに対し、日本人乗客25名はただの一人も逃げ出すことができず、すべて船と共に水底に沈んだという点である。

この事件は、日本国内で大きな波紋を呼び、人種差別と不平等条約への怒りが爆発するきっかけとなった。

事件から約1か月後、犠牲者を悼む木碑が建立され、のち昭和10年には遭難者の一人の遺児によって石碑が建てられた。

その石碑には、「英國商船諾曼頓號沈没之碑」と刻まれている。


ノルマントン号遭難碑の心霊現象

ノルマントン号遭難碑の心霊現象は、

  • 夜間、石碑の前に少年の霊が現れる
  • 無人のはずの海辺で話し声が聞こえる
  • 石碑を撮影すると白いもやや人影のようなものが写る
  • 墓参りのような供物がいつの間にか朽ちずに供えられている

である。以下、これらの怪異について記述する。

まず、最も多く報告されているのが「少年の霊」の目撃である。

訪れた者の中には、石碑の前で膝を抱えてうつむく少年の姿を見た者がいる。

振り返った瞬間には姿が消えていたというが、冷たい潮風の中に、何かが確かにそこに「居た」と感じるという。

次に、誰もいないはずの夜の海辺から、微かに会話のような声が聞こえるという報告が後を絶たない。

その声は一人ではなく、複数の人物が小さく議論するような、何かを訴えるような調子であることが多いという。

だが周囲を探しても誰もいない。海面は穏やかに波打つのみである。

また、心霊スポットとして知られるようになってからは、訪問者がスマートフォンやカメラで石碑を撮影した際に、白いもやが写り込むケースが頻発している。

中には、人の顔や手のようなものが写っていた例もあるという。

とくに夜間にフラッシュを焚いて撮影した写真には、高確率で異常が現れるとの声もある。

さらに奇妙なのは、誰も供えていないはずの石碑前に、朽ちることのない花や線香、さらには水の入ったコップが置かれていることである。

管理されている形跡がないにもかかわらず、何度訪れても供物は新しく、まるで“誰か”が今も手を合わせ続けているようである。


ノルマントン号遭難碑の心霊体験談

ある訪問者が深夜、ホテル浦島の敷地からノルマントン号遭難碑を訪れた際の体験談がある。

その人物は石碑の前で手を合わせたあと、ふと背後に気配を感じたという。

振り返ると、白い服を着た小柄な人影が闇の中に佇んでいた。

声をかけようとしたその瞬間、人影はふっと風に溶けるように消え、次の瞬間、背中にひやりとした濡れた手の感触が走ったという。

同行者は誰もその影を見ていないと証言しているが、その人物の手にはなぜか潮の香りが強く染み付いており、しばらく取れなかったという。


ノルマントン号遭難碑の心霊考察

ノルマントン号遭難事件は、単なる海難事故ではなく、明確な人種差別と不平等の象徴とされる悲劇である。

救命ボートには余裕があったはずなのに、日本人乗客は一人として助けられなかった。

この“理不尽な死”が、現在も成仏できない霊となって現れる理由と考えられる。

少年の霊や声、異常な写真、供物の謎──それらは、無念のうちに沈んだ命の叫びなのかもしれない。

石碑は静かに立っているが、そこに刻まれた文字の裏側には、今もなお癒えることのない怒りと悲しみが潜んでいる。

ノルマントン号遭難碑を訪れる際は、軽い気持ちで近づくべきではない。

沈黙の中に、声なき声が今も響いているからである。


ノルマントン号遭難碑の地図

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