北海道登別市にかかる新登別大橋。雄大な自然に囲まれたこの橋には、数多くの人が命を絶ったという忌まわしい記録が残されている。自殺の名所として知られるこの場所には、今もなお奇怪な現象が語り継がれており、地元では「死者が死者を呼ぶ橋」として恐れられている。今回は、新登別大橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
新登別大橋とは?

新登別大橋(しんのぼりべつおおはし)は、北海道登別市を流れる登別川に架かる橋である。
全長240メートル、アーチ支間160メートル、そして橋面から谷底までの高さは実に120メートルを誇る。
1986年10月に竣工され、北海道道782号上登別室蘭線の一部として機能している。
その橋は、美しい登別渓谷を一望できる絶景スポットとして知られており、晴れた日には展望台から太平洋を遠望できる。
しかし、その美しさの裏側には、誰にも語られたくない「闇」が横たわっている。
新登別大橋の心霊現象
新登別大橋の心霊現象は、
- 男性の霊が出現する
- 橋の上で人の形をした霧のようなモヤが立ち現れる
- 橋の下を覗き込みたくなる衝動に駆られる
- 無数の霊的存在に囲まれる
- 橋から誰かに引き込まれるような感覚に襲われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も多く語られるのが「男性の霊の出現」である。
橋の中央付近、あるいは山側の歩道にて、不気味に立ち尽くす人影が目撃されることが多く、その霊はいつも下を向き、ただ黙って存在している。
何人かの目撃者は、その場から逃げようと車を動かそうとした瞬間、バックミラーに“それ”が写っていたと語っている。
また、霧が発生するときには特に注意が必要である。
霧の中に「人の形をした黒いモヤ」が突然現れ、車で接近すると消えるという報告が後を絶たない。
現場は山間部で気温差も激しく、霧が出やすい環境にあるが、霧そのものが“何か”を映し出しているのではないかとする声もある。
さらに、観光目的で訪れた者の多くが口をそろえて言うのは、「橋の下を覗き込みたくなる」という奇妙な衝動である。
その衝動は理性を越え、ある者は橋の縁に立ち、危うく足を滑らせかけたという。
まるで橋そのものが人の心に働きかけ、引き寄せるかのようである。
加えて、不意に“誰か”に背中を押されたような感覚や、無数の視線を感じたという証言もある。
中には橋の両端に立っていた“手招きする者”を見たという者もおり、「この橋には“死者が死者を呼ぶ”力がある」と恐れられている。
新登別大橋の心霊体験談
体験談①:霧の中の人影
ある男性が、霧が立ち込めた夜10時頃に新登別大橋を通りかかったところ、20〜30人もの人影が橋の上に立ち並んでいた。
不思議に思って減速しながら近づくと、山側の歩道にいた5人を除き、一瞬で霧の中に消えたという。
その5人の人影も異様で、誰一人として懐中電灯を持たず、微動だにせず俯いていた。
明らかに“生きている者の気配”ではなかったと語られている。
体験談②:双眼鏡の中の遺体
数十年前、ある人物の叔父が車で橋を通りかかった際、パトカーに呼び止められた。
年配の警官から「これで下を見てくれないか」と双眼鏡を渡され、谷底を覗くと、そこにはひしゃげた体でこちらを向いている遺体が横たわっていたという。
以来、その叔父は一切その橋を通らなくなった。
体験談③:引き込まれそうな母
紅葉シーズンに訪れた家族の一人が、橋から駐車場へ戻る途中、突然車道に飛び出そうとした。
本人には記憶がなかったが、まるで何かに引っ張られたようだったという。
その日は何事もなかったものの、帰宅後も「なぜあんなことをしたのか分からない」と繰り返していたという。
体験談④:心中事件と橋の怨念
5〜6年前、恋愛のもつれによって男性が女性を殺害し、自身も橋から飛び降りるという無理心中が発生した。
女性の遺体は車内から、男性の遺体は橋の下から発見されたという。
それ以来、この橋は「死者が死者を呼ぶ橋」とも呼ばれ、建設中にも事故で命を落とした作業員がいたとの噂もある。
新登別大橋の心霊考察
新登別大橋は、その構造的な高さと地理的条件により、自殺の名所として知られてきた。
だが、問題は“自殺”そのものではなく、その背後に潜む「霊的干渉の存在」である。
誰もが語る「覗き込みたくなる衝動」は、単なる心理現象ではなく、橋そのものが人の精神に働きかける“意志”を持っている可能性がある。
また、霧の中に現れる霊体、献花が絶えない橋の両端、視線を感じる感覚などからも、この橋が単なる通行のためのインフラではなく、何かを“留める”ための結界に近い性質を帯びているとも考えられる。
そして、橋には転落防止の高い柵やネットなどがいまだに設置されていない。
これはただの行政の怠慢ではなく、“何か”を見て見ぬふりするための無言の意思かもしれない。
もしかすると、新登別大橋とは、この世とあの世をつなぐ“交差点”なのではないだろうか。
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