函館山は世界三大夜景のひとつに数えられる名勝地である。その美しい夜景を望む裏手には、戦時中に要塞として使われた防空壕や砲台跡がひっそりと佇んでいる。深い森と切り立つ断崖に囲まれた山道では、赤いロングコートの女性の霊や御神木にまつわる呪いの噂が絶えず囁かれている。今回は、函館山にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
函館山とは?

函館山(はこだてやま)は、北海道函館市の南西部に位置する標高334メートルの山であり、陸繋島である。
山の形が牛が寝そべっているように見えることから「臥牛山(がぎゅうざん)」とも呼ばれてきた。
周囲は9.5kmに及び、南西部には溶岩台地が広がる一方、北東部には豊かな森林とともに浸食の進んだ谷がいくつも刻まれている。
幕末にはペリー艦隊の来航やロシア艦の出現によって、住民たちはこの山へと避難した歴史を持つ。
また、函館山は戦時中に要塞として利用されており、現在も山中には防空壕や砲台跡が数多く残されている。
そのため、ただの観光地とは異なる、深い歴史と得体の知れぬ気配が漂っている場所でもある。
夜になると、美しい夜景が広がり「100万ドルの夜景」として知られるが、その裏には、闇に溶け込んだ霊たちの囁きがあるという噂も絶えない。
函館山の心霊現象
函館山の心霊現象は、
- 赤いロングコートを着た女性の霊が現れる
- 不気味な御神木の付近で女性の姿が目撃される
- 心霊写真が撮れるスポットとして知られる
- 防空壕や砲台跡に残された霊の気配
- 木を切ろうとすると不幸が起きるという呪いの樹木
である。以下、これらの怪異について記述する。
赤いロングコートの女の霊
10年以上前、電話ボックス付近で赤いロングコートをまとった女の姿が目撃されたという。
近づくこともできないほどの違和感と寒気を感じ、振り返った時にはすでに姿を消していた。
この目撃者は、その後何度も函館山を訪れているが、二度と彼女の姿を目にすることはなかったという。
呪われた御神木と女性の霊
函館山に自家用車で登る際、道中に突然現れる「ビックリマークの標識」と、そのそばにそびえる大木。
この木こそが「呪いの御神木」である。
道路建設時、この木を切ろうとするたびに作業員に怪我や不幸が相次ぎ、ついには切ることが中止されたという。
この木の前を通ると、助手席に誰も乗せていないはずなのに、ふと横を見ると女性の顔がそこにあるという話も残されている。
心霊写真が撮れるスポット
夜景スポットとして人気の函館山だが、撮影された写真の中に「明らかに違和感のある影」や「存在しない人物の姿」が映り込むという報告が後を絶たない。
特に、防空壕跡や砲台跡を背景に撮影した写真には、何かを訴えかけるような霊的存在が浮かび上がることがある。
防空壕・砲台跡の霊的気配
戦時中、多くの兵士たちがこの地で命を落とし、その想念が今も残留しているという。
特に霧が立ち込める夜には、地下壕からうめき声のような音が聞こえる、という証言もある。
何かに見られているような感覚に襲われた人は少なくない。
倒せない呪いの樹木
ある地元住民によれば、道中に立つ巨大な木は、倒そうとすると作業員全員が呪われるという噂がある。
この木が存在するために道は大きくカーブを描いており、地元では「絶対に手を出してはいけない」と語り継がれている。
函館山の心霊体験談
「10年以上前、電話ボックスの近くで赤いロングコートの女を見た。その時、何かが自分の名前を呼んだように感じたが、周囲には誰もいなかった。」
「夏に車で登る途中、例の御神木を通った瞬間、助手席にふと視線をやったら、黒髪の女がこちらを見ていた。思わずハンドルを切りそうになった。すぐに目をそらしたが、心臓の鼓動が止まらなかった。」
函館山の心霊考察
函館山は、美しい夜景で有名な観光名所でありながら、その背後には多くの死と歴史が積み重なっている。
戦時中の要塞跡、防空壕、そして兵士たちの亡骸が眠る土壌。
観光地としての明るいイメージの裏側には、確かに「死者の記憶」が今も息づいている。
また、「赤い服の女性」という存在は全国の心霊スポットでよく見られるが、函館山の彼女は異質である。
戦死者とは異なる何か、もしくはこの地に取り憑かれた存在なのかもしれない。
御神木にまつわる呪いも、ただの民間伝承として片づけるには不自然なほど具体的で、実際に起きた事故や不幸の数々がそれを裏付けている。
観光地であると同時に、無念を抱いた霊たちの眠る地。
函館山は、人々の記憶と想念が交錯する「生と死の狭間」にある場所と言えるであろう。
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