悲劇の過去が語り継がれる「両岩の孕地蔵尊」。安産祈願の地として知られる一方で、罪を抱えた者に祟りが及ぶという恐ろしい噂も存在する。今回は、両岩の孕地蔵尊にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
両岩の孕地蔵尊とは?

両岩の孕地蔵尊(はらみじぞうそん)は、かつて大名行列が通っていたとされる旧街道沿いにひっそりと佇む石仏である。その歴史は江戸時代にまで遡る。
当時の掟では、大名行列が通る際、庶民は道端に膝をつき、頭を深く下げなければならなかった。
しかし、ある日この地を通った一人の妊婦が、大きなお腹のためにうまく頭を下げることができなかった。
それが「無礼」と見なされ、なんとその場で打ち首にされてしまったという。
村人たちはこの無念の死を遂げた女性の霊を恐れ、慰めるために地蔵を建立し祀った。
これが現在の孕地蔵尊である。
現在では不妊や安産の祈願スポットとして知られているが、一方である「禁忌」に触れると祟られるという恐ろしい噂も絶えない。
両岩の孕地蔵尊の心霊現象
両岩の孕地蔵尊の心霊現象は、
- 女性を中絶させた過去を持つ男性が参拝すると祟られる
- 地蔵尊に近づくと急に体調が悪化する
- 地蔵尊の前を通ると頭痛や吐き気に襲われる
- 誰もいないはずの境内で微かに赤子の泣き声が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
孕地蔵尊にまつわる心霊現象のなかでも特に恐れられているのが、「祟り」による体調の急変である。
ある男性が友人夫婦の安産祈願に同行したところ、孕地蔵尊に近づくにつれて顔色が青ざめ、息が荒くなり、意識が朦朧としていったという。
彼は「このままでは死ぬ」と感じたのか、友人の助けを借りて地蔵尊から離れた。
すると、見る見るうちに顔色が戻り、呼吸も正常に戻ったという。
この男性には、かつて交際相手に中絶を迫った過去があるという。
祟りは偶然ではなく、罪を背負った者への報いなのだろうか。
また、地蔵の前で妙な頭痛や吐き気を訴える者も少なくない。
中には、誰もいない境内で赤ん坊の泣き声を耳にしたという証言まである。
これは、無念の死を遂げた妊婦の霊が、いまだ我が子を探して彷徨っているということなのかもしれない。
両岩の孕地蔵尊の心霊体験談
ある体験者は、友人と共に孕地蔵尊を訪れた際、同行していた一人の男性が突然、顔面蒼白となり呼吸が乱れ出したと語る。
地蔵尊に近づくごとにその症状は悪化し、足元もおぼつかなくなったという。
彼らは急ぎ地蔵尊から離れたが、少し歩いただけで男性の顔色はみるみる回復した。
医者に見せても原因は不明。だが、この男性にはどうしても忘れられない過去があった――彼はかつて、付き合っていた女性に中絶を迫ったことがあるという。
果たしてそれが引き金だったのか。
あの日、孕地蔵尊は、彼に何を訴えたかったのか。答えは今も闇の中である。
両岩の孕地蔵尊の心霊考察
両岩の孕地蔵尊にまつわる心霊現象は、単なる噂や偶然では片づけられない、明確な“意思”を感じさせるものが多い。
特に、「妊婦」というキーワードにまつわる共通点が濃厚であることからも、かつて無念の最期を遂げた女性の怨念が今なおこの地に留まり、訪れる者の“過去”や“罪”に反応していると考えられる。
祈りの場でありながら、罪ある者には罰を与える――孕地蔵尊は、悲しみと怒り、そして母性の情念が混在する、極めて異質な霊的スポットである。
無闇に立ち入るべき場所ではない。
特に、自らの過去に思い当たる節がある者は、決して軽い気持ちで訪れてはならないであろう。
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