九折越小屋のウワサの心霊話

宮崎県と大分県の県境に位置する山中に、登山者の間で“出る”と囁かれる避難小屋がある──それが九折越小屋である。かつては遭難者の遺体を一時安置する場所として使われていた経緯があり、現在でも一人で宿泊した者が霊を見たり金縛りに遭うといった不可解な現象が語られている。今回は、九折越小屋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


九折越小屋とは?

九折越小屋の外観

九折越小屋(つづらごえごや)は、大分県と宮崎県の県境に位置する傾山(かたむきやま)にある無人の避難小屋である。

九折登山口から登るルート上にあり、傾山登山者の休憩や宿泊の場として知られている。

標高およそ1,350m付近、九折越広場からわずか50mの地点に建てられており、登山道の合流地点に位置することから利用者も多い。

トイレや水場も近くに存在するが、小屋自体にはドアがなく、簡素な造りのため夜間に一人で泊まるには相当な覚悟が必要とされる。

かつてこの地にはヘリポートが整備されておらず、傾山で遭難した登山者の遺体を一時的に安置する場所として、九折越小屋が使われていた。

その歴史が、今なお山小屋に残る“何か”を引き寄せているのかもしれない。


九折越小屋の心霊現象

九折越小屋の心霊現象は、

  • 深夜、誰もいないはずの小屋の中で足音がする
  • 金縛りに遭い、動けないまま誰かに見つめられる感覚に陥る
  • 小屋の天井を這うようなうめき声が聞こえる
  • 遭難者の霊らしき姿を、霊感が強い者が目撃する

である。以下、これらの怪異について記述する。

まず、「誰もいないはずの小屋の中で足音がする」という現象は、単独で宿泊した登山者が最も多く体験している。

寝袋にくるまっている最中、外ではなく明らかに“室内”で、人の歩くような足音が鳴り始める。

懐中電灯をつけて確認するも、誰の姿も見えないという。

次に、「金縛り」。これは特に夜中の2時〜3時に多発しているとされ、小屋の利用者が目を覚ましたとき、体がまったく動かず、視界の端に“何か”が立っていたと証言している。

金縛り中には、肩を押さえつけられるような圧迫感や、首元に冷たい息を感じたという報告もある。

「天井を這うようなうめき声」については、風や動物の音と解釈するには不自然な音であるとされている。

実際に泊まったある人物は、「ずりずり」と何かが木材の天井を引っかくような音を聞き、その直後、天井の隅に黒い影のようなものが張り付いていたという。

最も恐ろしいのは「霊感が強い人が見た“遭難者の霊”」である。霊感がある者にとって、この小屋は“死者の気配”が濃すぎると言われている。

かつてここに留め置かれた遺体の数を思えば、それも頷ける話である。

夜中に窓の外にうつむいた登山者風の男が立っていた、という証言も残されている。


九折越小屋の心霊体験談

ある単独登山者が語った体験である。

「小屋に泊まるのは初めてでしたが、疲れていたので不安もなく眠りにつきました。ところが、夜中に突然目が覚め、体がまったく動かなくなっていたんです。天井には、黒い影のようなものが張り付いていて、ずっとこちらを見下ろしているような感覚がありました。ようやく金縛りが解けたときには、寝袋の中が汗でびっしょりになっていました。あれは夢ではなかったと思います」

この証言は、単なる疲労や登山の影響とは思えない生々しさを伴っている。


九折越小屋の心霊考察

九折越小屋にまつわる心霊現象の多くは、「死を迎えた場所」に由来する典型的な例といえる。

霊的なエネルギーは、突発的な死や未練によってその地に留まりやすいと言われているが、まさにこの小屋はその条件を満たしている。

特に、かつて遭難者の遺体を安置していたという過去が、この場所に深く染みついている。

死後、肉体は山を下りても、魂だけが置き去りにされたまま……そんな悲哀と孤独が、夜ごと小屋の中をさまよわせているのかもしれない。

また、小屋が無人であることや、自然の音と闇に包まれる状況も、人の心を不安定にし、霊的存在を“視る”きっかけになるとも考えられる。

一人きりでこの小屋に泊まることは、登山者にとって単なる山行ではない。

かすかな足音、冷たい息づかい、うめき声……それは“見られている”側ではなく、すでに“見ている”者たちの世界への入口であるのかもしれない。


九折越小屋の地図

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