鳥取県鳥取市にある勝谷トンネルには、昔から「女性の霊が出る」「夏でも寒気が走る」「眼だけが浮かぶ」といった数々の怪異がささやかれている。地元では事故多発の因縁や、墓地移転の呪いとも結びつけられ、今なお不気味な噂が絶えない。今回は、勝谷トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
勝谷トンネルとは?

勝谷トンネルは、鳥取県鳥取市に位置する全長530メートルのトンネルである。
1986年に竣工し、広域営農団地農道・気高地区の一部として整備された。
トンネルは幅員8.6メートルで、谷と谷をつなぐ形で尾根を越える農業用道路の一部として使われている。
地形的には、細く伸びた谷と谷を貫通し、まるで手の薬指の第二関節に穴を開けたような構造を持っており、山間の静けさと閉鎖感が漂う場所である。
一見すると何の変哲もない農道のトンネルに思えるが、この場所には“何か”が棲んでいるという話が、地元住民の間で密かに語られ続けている。
勝谷トンネルの心霊現象
勝谷トンネルの心霊現象は、
- 夏でも震えるような寒気に襲われる
- 女性の霊が出現する
- 浮かぶ「眼」だけの怪異
- 通るたびに事故を起こすという噂
- 建設時に墓地を移動させた因縁
である。以下、これらの怪異について記述する。
夏でも震えるような寒気に襲われる
ある旅行者が、夏の最中にこのトンネルを車で通過した際、突然全身を刺すような寒気に見舞われたという。
その寒さは冷房でもない、風でもない、“何か得体の知れない存在”によるものだったと語る。
トンネルを出るまで、震えは止まらなかったという。
女性の霊が出現する
勝谷トンネルでは、白い服を着た女性の霊が立っているのを見たという報告が後を絶たない。
特に寒気を感じたという人物が、後にその場所について調べたところ、「女性の霊が出る」と書かれていたことに戦慄したという。
浮かぶ「眼」だけの怪異
深夜、トンネルを通過した車の運転手が、ルームミラー越しに“眼だけ”が浮かんでいたと証言している。
輪郭もなく、ただ双眸が闇の中に浮かび上がるその光景に、恐怖でハンドルを握る手が震えたという。
通るたびに事故を起こすという噂
過去には交通事故が頻発していた時期があり、地元では「トンネルに入ると気が狂ったように操作を誤る」とささやかれていた。
霊的な力により、運転者の感覚が狂わされるのではないかという声もある。
建設時に墓地を移動させた因縁
最も忌まわしい噂は、このトンネルが建設された際、古い墓地を取り壊し、遺骨を別の場所に移したという話である。
工事関係者の中には体調を崩した者も多く、完成後も奇妙な出来事が相次いだ。
まるで“怒れる霊たち”が、眠りを妨げられたことに憤っているかのようである。
勝谷トンネルの心霊体験談
ある男性が深夜にトンネルを通過中、ラジオが突如としてノイズに変わり、助手席の窓に誰かの手形が浮かんだという。
車内には彼一人しかいなかった。直後、車内の温度が急激に下がり、呼吸が白くなるほどだったという。
恐怖に駆られた彼は猛スピードでトンネルを抜け出し、振り返ることなくその場を去った。
また別の体験者は、トンネル内で不意にアクセルが効かなくなり、エンジンが止まった。
何度も再始動を試みる中で、トンネルの奥からかすかに女性のすすり泣く声が聞こえてきたという。
勝谷トンネルの心霊考察
勝谷トンネルにまつわる霊的現象の多くは、「場所の記憶」と「無念の念」が絡んでいると考えられる。
特に墓地の移動という行為は、古くから霊を刺激し、祟りを招く行動として知られている。
また、女性の霊の目撃例が多いことから、かつてこの地で不幸な死を遂げた女性の存在が想定される。
現れる霊の姿は、見る者の精神状態や霊感の強さに影響されるとも言われ、ある者には何も感じられず、ある者には恐怖の顕現として現れるのである。
眼だけが浮かぶという現象は、強い念が残留思念として視覚化されたものと解釈できる。
視線だけが執着を持ち、そこにとどまり続けているのかもしれない。
通るだけなら無事かもしれない。
だが、もしあなたが、トンネルに入った瞬間に異様な寒さや気配を感じたとしたら――それは、「見られている」証拠かもしれない。
そのときは、決して振り返ってはならない。
コメント