鳥取県にひっそりと存在する旧榎トンネル。地元では「出る」と噂される恐怖のスポットとして知られている。今回は、旧榎トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
旧榎トンネル(鳥取)とは?
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旧榎トンネル(正式名称:榎雪覆)は、鳥取県鳥取市の榎峠を越える旧道にある、すでに役目を終えた廃隧道である。
竣工は1957(昭和32)年10月。当初からトンネルというよりも、雪除けのためのスノーシェッドのような構造物であり、隧道とは名ばかりの建造物であった。
現在は、1996(平成8)年に開通した新榎トンネルに取って代わられ、旧道自体もほとんど使われることがなくなっている。
だが、その静けさこそが、怪異を引き寄せる温床となってしまったのかもしれない。
峠のてっぺんに向かってうねる旧道の脇には、赤茶けた廃車、そして不自然なほど人気のないラブホテル。
人がいないのに、確かに「気配」がある――そんな場所が、旧榎トンネルなのである。
旧榎トンネル(鳥取)の心霊現象
旧榎トンネル(鳥取)の心霊現象は、
- 赤いワンピースの女の霊が現れる
- 夜中に人の声がトンネル内から響く
- 近づくと急に寒気と悪寒に襲われる
- トンネル付近で車のエンジンが突然止まる
である。以下、これらの怪異について記述する。
赤いワンピースの女の霊
最もよく語られるのが、この「赤いワンピースを着た女」の話である。
深夜、トンネルを訪れた者の前に突如現れ、無表情のまま立ち尽くしているという。
近づこうとすると姿が消え、背後に回り込んでくる――そんな証言が後を絶たない。
この女の霊の由来として、近隣にあるラブホテルでかつて殺人事件があったという噂がある。
しかし、その事件の存在を裏付ける報道記録は存在せず、ただの都市伝説かと思われていた。
だが、あまりに多くの目撃証言があることで、「実在する何か」がそこにいるのではと恐れられている。
夜中の人の声
トンネルの内部から、誰もいないはずの時間に「助けて」というか細い声が聞こえるという。
この声に誘われるように奥へ進んだ者が、奇妙な幻覚や吐き気に襲われ、慌てて逃げ帰ることもあるという。
急な寒気と悪寒
トンネルの入口、あるいはハイラックスサーフの置かれた地点に近づくと、突然ゾッとするような冷気に包まれる。
気温は変わらぬはずなのに、まるで「歓迎されていない」とでも言うような、強烈な圧迫感が身体を襲う。
車のエンジンが止まる
訪問者の中には、トンネルの前で車のエンジンが突然停止したという者も多い。
原因は不明。車は問題なく整備されていたにもかかわらず、旧榎トンネルに近づいた途端に動かなくなるというのだ。
霊的な干渉を疑う声もある。
旧榎トンネル(鳥取)の心霊体験談
ある男性は、興味本位で真夜中に旧榎トンネルを訪れた。
車を止めてトンネルに近づいた瞬間、背後から「ねえ」と誰かに呼ばれたという。振り返っても誰もいない。
怖くなって車に戻ろうとしたその時、車の窓に真っ赤な服を着た女性の顔が映っていた。
また別の女性は、昼間に通っただけで強烈な頭痛と吐き気に襲われたという。
病院でも原因不明とされ、1週間以上体調を崩したままだった。
旧榎トンネル(鳥取)の心霊考察
旧榎トンネルに現れる女の霊、そして様々な怪異の数々――これらは本当に亡霊の仕業なのだろうか。
一説には、この場所に訪れた者たちの「恐怖」の念が積もりに積もって、実際に霊的存在を生み出してしまったのではないかとも考えられている。
このような現象は「人工霊」とも呼ばれる。
誰かが死んだわけではなくとも、多くの人がその場に恐怖心を抱き、怪異を信じ続けることで、浮遊霊が引き寄せられ、やがてその場所に居着くようになるというのである。
旧榎トンネルもまた、かつてはただの旧道でしかなかった。
だが、語られ、信じられ、そして恐れられた結果、何か「別の場所」へと変貌を遂げてしまったのかもしれない。
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