島根県出雲市にある斐川公園は、四季折々の花が咲き誇る自然豊かな公園として知られる一方で、過去に起きた凄惨な事件や不可解な出来事が重なり、地元では心霊スポットとして恐れられている。今回は、斐川公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
斐川公園とは?

斐川公園(ひかわこうえん)は、島根県出雲市斐川町に位置する総合公園である。
野球場やテニスコート、多目的広場、日本庭園をはじめ、自由広場や遊園地などが整備されており、地域住民の憩いの場として親しまれてきた。
春には約2万本ものツツジが咲き誇り、花見客で賑わう風光明媚な場所でもある。
しかし、その美しい表情の裏には、幾度となく恐ろしい事件が起き、地元では「いわくつきの場所」として知られるようになった。
特に夜間になると、公園全体が異様な静けさに包まれ、人の気配のない場所で「何か」に見られているような感覚に襲われる者が後を絶たないという。
斐川公園の心霊現象
斐川公園の心霊現象は、
- 燃えながら走る男性の霊が目撃される
- 駐車場でうめき声のような音が聞こえる
- 公衆トイレ付近で突如、焼けるような熱さを感じる
- 階段で複数の「誰か」が後ろに立っているような気配がする
である。以下、これらの怪異について記述する。
燃えながら走る男性の霊
今から25~30年前、公園内で焼身自殺が起きたとされている。
自殺に使用されたのは灯油であり、全身を業火に包まれたまま、近くの水場を求めて必死に走り回った末、最終的にはテニスコート横の公衆トイレ付近で遺体が発見された。
この凄惨な出来事以降、公園では「燃えながら走る男性の霊」が目撃されるようになった。
目撃者はみな、炎を纏った黒い影が木々の間を駆け抜け、煙のように消えていく様を見たと語る。
駐車場のうめき声
斐川公園の駐車場では、過去に恋愛のもつれによる絞殺事件が噂されている。
また、2008年4月には実際に硫化水素による自殺が発生しており、後部座席でうつむく男性が発見された。
以降、この場所では夜になると「うぅ……」といううめき声やすすり泣くような声が車内から響いてくると語られている。
公衆トイレ付近の異常な熱感
前述の焼身事件と関連があると見られる現象である。昼夜を問わず、公園のトイレ前を通ると突然「熱い」と感じ、肌がヒリヒリと焼けるような痛みを覚える者がいるという。
中には腕に実際に赤い痕が残ったという報告もある。
まるで、未だに焼けつく苦しみの中で彷徨い続ける魂が、無関係な通行人にもその痛みを共有させようとしているかのようである。
神社横の階段での霊的気配
公園の一角にある神社横の階段は、日中でも薄暗く、夜になると完全に人影が消える。
ある者が夜にこの階段を下りていた際、背後から複数の人間の気配を感じ、「誰かに見られている」と直感したという。
周囲には誰もいなかったにもかかわらず、息遣いや足音のような音が背後から近づき、寒気と共に体が急に重くなったという。
途中で立ち止まると、その「何か」もぴたりと足を止めた――この階段は、霊たちの通り道である可能性が高い。
斐川公園の心霊体験談
「神社の横にある戦後の慰霊碑。その前を通り過ぎて階段を一人で降りようとしたとき、背後に2人、いや3人の気配を感じた。まるで誰かに凝視されているようだった。周囲に人影はない。急に寒気が走り、身体が重くなり、どうしても前に進めなくなったため、その場から逃げ出した。あの階段は……間違いなくこの世のものではない存在が通る道なのだろう」
この証言者の言葉は、あまりにも生々しく、読んだ者にまで霊の気配をまとわせるような強烈な印象を残す。
斐川公園の心霊考察
斐川公園における心霊現象は、すべて「人間の死」が深く関与していることが特徴である。
焼身自殺、絞殺、硫化水素による自死――そのどれもが激しい苦痛や強い怨念を伴うものであり、霊魂がその場にとどまり続ける理由としては十分すぎるほどである。
特に、火に包まれたまま助けを求めて走り回った霊の目撃談は、単なる幻覚とは思えないほどに詳細で一致しており、第一発見者の小学生に取り憑いたという話からも、その怨念の深さが窺える。
実際に「焼けどの跡が霊障として現れた」との証言が存在することからも、単なる風評被害として片付けるにはあまりに現実味を帯びている。
また、階段での気配や体調の変化といった、いわゆる「霊道」に近い現象は、地形的にも過去の慰霊碑の存在を考慮すれば、地縛霊による干渉と見るのが自然である。
斐川公園は、昼と夜でまったく異なる顔を見せる場所である。花咲く穏やかな昼の公園の裏には、深夜に姿を現す“もう一つの斐川公園”が存在しているのかもしれない。
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