岡山市中心部に存在した旧内山下小学校には、かつて首の無い幽霊が現れるという不気味なウワサがささやかれていた。建設中の事故や夜の校舎に現れる霊の目撃談など、長年にわたって語り継がれてきた。今回は、旧内山下小学校にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
旧内山下小学校とは?

旧内山下小学校は、明治20年(1887年)に岡山区高等岡山小学として創立され、平成13年(2001年)に114年の歴史に幕を下ろした岡山市の公立小学校である。
昭和初期には鉄筋コンクリート製の堅牢な校舎を持ち、在校生2,000人を超える大規模校であった。
しかし都市構造の変化とともに児童数が減少し、最終的には岡山中央南小学校との統合を経て閉校された。
閉校後の建物は映画やMVなどのロケ地としても活用されており、文化イベント「マチノブンカサイ」の際に一般公開されることもある。
旧内山下小学校の心霊現象
旧内山下小学校の心霊現象は、
- 首の無い作業員の霊が現れる
- 夜な夜な幽霊が校舎内を徘徊する
- 床を掘り返す不気味な音が響く
- 幽霊が「首を見つけた」と呟いて消える
である。以下、これらの怪異について記述する。
旧内山下小学校の心霊現象の起源は、校舎建設中に起こったとされる悲劇的な事故にある。
昭和初期、珍しい鉄筋コンクリート構造の校舎建設が進められていた際、2人の作業員がセメントの中に誤って転落、生き埋めとなる事故が発生したと伝えられている。
事故後、遺体は回収されたものの、2人とも首が失われており、どれだけ探しても発見されることはなかったという。
やがて、完成した校舎では、夜間になると首の無い作業員の霊が現れ、校舎内を彷徨う姿が目撃されるようになった。
霊は無言で床を掘り返す動作を繰り返していたとされ、その姿を見た教職員や近隣住民の証言が残されている。
ある夜、校舎内を巡回していた教師が、廊下で霊と遭遇したという。
その霊はかがみ込み、コンクリートの床を指で掘り返していた。
そして次の瞬間、無言だった霊が「あった」と呟き、消えるように姿を消したという。
この出来事以降、首無し幽霊の目撃情報は途絶えたが、その後日談が真実であるかどうかは定かではない。
生徒たちを安心させるために教師が流した作り話であるという見方も存在している。
旧内山下小学校の心霊体験談
体験談として語られている中には、教師が夜の巡回中に体験したものが最も有名である。
校舎の一角で不自然な気配を感じた教師が立ち止まった際、白くぼやけた二人の人影が現れたという。
どちらも肩から上が存在せず、首を探すようにあたりを徘徊していたという。
その異様な光景に凍りついた教師の前で、幽霊の一体が床を掘り返し始め、「あった」と一言だけ発し、煙のように消えたとされている。
旧内山下小学校の心霊考察
このような心霊現象の数々は、校舎建設時に発生した作業員の事故と、それにまつわる都市伝説が複雑に交錯した結果と考えられる。
生き埋め事故が実際に存在したかは記録に残っておらず、証拠の乏しい口伝の域を出ない。
しかし、歴史ある学校の閉鎖とともに語り継がれる怪談は、実体験に根ざした何かしらの出来事を起点としている可能性も否定できない。
また、後日談において幽霊が首を見つけて成仏したという展開は、典型的な安心感を与える結末であり、生徒や地域住民の不安を和らげるために意図的に創作されたものであるとも解釈できる。
だが、その裏には、誰にも語られぬ真実が潜んでいるのかもしれない。
首を失った霊たちの最期の声が、今もなお校舎の奥深くに響いているのかもしれないのである。
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