岡山県の南部に位置する貝殻山は、昼間は自然豊かな登山スポットとして親しまれているが、夜になると数々の怪異がささやかれる心霊スポットへと姿を変える。今回は、貝殻山にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
貝殻山とは?

貝殻山(かいがらやま)は、岡山県岡山市南区と玉野市にまたがる標高288mの山である。
児島半島に位置し、山中には弥生時代の遺跡「貝殻山遺跡」が眠っていることでも知られている。
トレッキングやウォーキングの名所として整備され、金上池のそばには、1945年の岡山空襲で墜落した米軍機B-29の乗員を祀る慰霊碑が立つ。
整備された公園や登山道、キャンプ場などが揃い、昼間はアウトドア客で賑わうが、日没後は様子が一変する。
地元住民のあいだでは、「日が暮れるまでに山を降りろ」という言葉が昔から伝えられており、その裏には数々の戦慄すべき心霊現象が存在している。
貝殻山の心霊現象
貝殻山の心霊現象は、
- 男性の霊が現れる
- 赤子の泣き声が聞こえる
- 心霊写真が撮れる
- 公衆トイレでの自殺者の霊
- 池に巨大な顔が浮かぶ
- B-29幽霊飛行機の目撃
- 焼死体の遺棄事件と幽霊の出現
- 池に沈んだ複数の遺体の霊
- 女性の霊が深夜に出現する
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も有名なのは、かつて三頂山近くに存在していた旧公衆トイレに関する話である。
この場所では首吊り自殺が発生しており、今でもトイレの内部で自殺者の霊が目撃されることがあるという。
さらに、赤ん坊の泣き声が何もない空間から聞こえることも報告されている。
赤子が遺棄された可能性が噂されるが、事件の詳細は不明である。
貝殻山を西側から登るルート沿いにある名もなき池もまた異様な場所である。
池の水面に自殺者の巨大な顔が映るという噂があり、昭和43年には砂防ダム工事の際、業者が泥中から6体の人間の頭蓋骨を発見している。
まさに呪われた池といえる。
山中にはさらに、B-29墜落事故で亡くなった米兵の幽霊が現れるという話もある。
毎年、岡山空襲の命日近くになると、上空を飛行するはずのない幽霊のB-29が現れ、エンジン音を聞いた者が空を見上げると、機影はすでに霧のように消えているという。
また、かつて車内で焼死体が発見された事件があり、山の麓のコンビニでは当時、情報提供を呼びかけるポスターが掲示されていた。
現在もその現場付近では、焼け焦げた霊の目撃情報が途絶えていない。
そして、貝殻山の池の一つには、暴力団関係者とされる4体の遺体が沈んでいるという噂があり、その池では夜な夜な異様なうめき声や白い手が水面から現れるのを見たという報告も存在する。
貝殻山の心霊体験談
- 登山中、どこからともなく赤ん坊の泣き声が聞こえ、あたりに人影はなかった
- 夜中に山頂で休憩していたところ、布団に包まれた女性の遺体を発見したという話がある
- 車内で友人と訪れた者が、突然泡を吹いて錯乱状態に陥り、山を降りるまでの記憶を失った
- 駐車場で車内にいたカップルが、窓の外に無言で立ち尽くす女の霊を目撃した。目を開けた瞬間、女が立っていたという
- 池の前で写真を撮ったところ、明らかに人の顔のようなものが水面に浮かび上がって写り込んでいた
これらの体験は全て、同じ山である貝殻山にまつわる証言である。
貝殻山の心霊考察
貝殻山にまつわる心霊現象は、自殺、事故、他殺、戦争といった「死」が複雑に絡み合った土地の記憶によるものだと考えられる。
地元住民が「夜には近づくな」と警告するのも当然の話である。
B-29の墜落と慰霊碑、公衆トイレでの首吊り、池に沈む白骨死体など、複数の異なる時代・状況で命を落とした者たちの無念がこの地に渦巻いているように感じられる。
日中の明るく整備された姿とは裏腹に、貝殻山は夜になると“何か”が目を覚ます場所である。恐怖は、日が沈んでから訪れる。
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