岡山県備前市にある無人島・鶴島には、かつてキリシタンが流刑され、拷問と強制労働の末に命を落としたという悲劇の歴史が刻まれている。今回は、鶴島にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
鶴島とは?

鶴島(つるしま)は、岡山県備前市の日生港から南東約6km、日生諸島に浮かぶ無人島である。
かつて江戸から明治にかけて、禁教政策により迫害を受けたキリシタンが流刑された受難の地として知られている。
1867年、長崎の浦上村で発生した大規模なキリシタン弾圧「浦上四番崩れ」により、3,000人以上の信徒が捕縛された。
岡山藩に預けられた117名の信徒は、翌1870年にこの無人島・鶴島へと送られた。
そこでは農地開墾の強制労働が課され、過酷な環境と飢え、そして改宗を迫る拷問によって18名が命を落としたとされる。
中には子どもの犠牲者も含まれており、彼らの亡骸は現在も島の南東の斜面にある墓地に眠っている。
鶴島は現在、備前市の文化遺産として保存されているが、その静けさの裏には今なお語り継がれる恐怖が潜んでいる。
鶴島の心霊現象
鶴島の心霊現象は、
- 男性の霊が出現する
- 夜中に子どもの泣き声が聞こえる
- 島に入ると身体が急に重くなる
- 無人のはずの廃屋に気配を感じる
である。以下、これらの怪異について記述する。
男性の霊が出現する
この島で最も多く報告されているのが、「男性の霊」の目撃である。
多くは墓地周辺での目撃で、険しい表情をした男が森の中からじっとこちらを見つめていた、という証言が相次いでいる。
中には「声なき怒りが伝わってくるようだった」と語る者もいる。
霊の姿はすぐに消えるが、何かを訴えるような強烈な視線だけが脳裏に焼き付いて離れないという。
夜中に子どもの泣き声が聞こえる
島でキャンプをした人物が、「深夜2時過ぎ、波の音に混じって子どもの泣き声が聞こえた」と証言している。
周囲に人影はなく、無人島であることを思い出した瞬間、背筋が凍ったという。
この子どもの霊は、鶴島で命を落としたキリシタン信者の子どもではないかと噂されている。
島に入ると身体が急に重くなる
上陸した途端、足取りが異常に重くなり、急激な疲労感に襲われるという報告もある。
特に墓地へと続く山道では顕著で、霊的な圧力が身体にのしかかるような感覚に襲われたと話す人が多い。
霊感が強い者ほど、その影響は甚大であるという。
無人のはずの廃屋に気配を感じる
かつて島で民宿を営んでいた廃屋に近づくと、誰もいないはずなのに、窓越しに「誰かがいる」気配を感じるという証言もある。
足音、物音、カーテンが風もないのに揺れる現象など、不審な出来事が後を絶たない。
鶴島の心霊体験談
2022年秋、ある男性がチャーター船で鶴島へ単独キャンプに訪れた。
夕暮れ時、墓地の近くを歩いていたところ、木々の間からじっとこちらを見つめる男性の顔を見たという。
急いで引き返したが、夜になると今度はテントの周囲を「子どものような足音」がぐるぐると回り始めた。
誰もいないはずの島で、誰かが歩く音が止まらなかったという。
その夜、彼は強烈な頭痛に襲われ、朝になるとテントの外に小さな足跡が無数に残されていた。
あまりの出来事に、以降彼は一切キャンプに行くことをやめたという。
鶴島の心霊考察
鶴島は表向きには、恋のパワースポットとして紹介されることもあるが、その歴史を知れば、むしろ「霊的なエネルギー」が強く残された場所であることは明白である。
117名の信徒が無理やり連行され、信仰を捨てることを強いられたうえ、18名が命を落とした事実。
そして、子どもを含む死者たちが、今なお成仏できずにこの島を彷徨っている可能性。
観光やレジャーで軽い気持ちで訪れるには、あまりに重く、深く、そして「何か」が眠っている場所である。
好奇心から足を踏み入れる者に対し、鶴島は時としてその「代償」を突きつけてくるかもしれない。
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