岡山市北区の高台に位置する三野公園には、かつて戦国時代の城が存在し、近年では自殺者も出ている。そのためか、夜になると女性の霊が現れる、悲鳴が聞こえるなどの不気味な噂が囁かれている。今回は、三野公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
三野公園とは?

三野公園は、岡山市北区三野の妙見山の丘陵地に広がる公園である。
昭和6年、地元出身の岡山市議・小合金光の尽力によって、面積約21,770平方メートルの広大な敷地に設けられた。
東側には旭川を望み、市街地や児島半島までを一望できる絶好の景観が魅力である。
特に春には桜の名所として賑わいを見せ、戦前には岡山県下の十勝地にも指定されていた。
公園の背後には天神社が鎮座し、山頂には小合氏の顕彰碑が建てられている。
また、この地は戦国時代、船山城主・須々木豊前守の子である須々木四郎兵衛が治めた明見山城の跡地でもある。
妙見山城は、旭川西岸に面した要衝であり、鑵子の釣(かんすのつる)の渡しに臨んでいたことから、「釣城」とも呼ばれていたという。
三野公園の心霊現象
三野公園の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 夜間、公園内で女性の悲鳴が聞こえる
- 自殺者の霊が現れるとのウワサ
- 神社周辺に霊的な気配が漂う
である。以下、これらの怪異について記述する。
三野公園に現れるとされる最も有名な霊は、若い女性の霊である。
誰もいないはずの公園のブランコに一人でに座る姿や、木々の間から無表情にこちらを見つめてくるといった報告がある。
特に夜になると、公園内で突然「キャアアッ」という女性の悲鳴が響き渡ることがあるという。
これは肝試しに訪れた者が実際に聞いたとされるもので、その場にいた全員が同時に悲鳴を耳にしたという証言も残っている。
また、過去に公園内では2件の自殺があったという話も伝えられており、そのうちの1件は首吊りであったという噂もある。
その場所の周辺では、夜になると空気が急に重くなり、耳鳴りや目まいに襲われる者もいる。
さらに、公園の奥にある天神社付近では、明らかに人の気配がないにも関わらず、足音や衣擦れの音が聞こえるという体験談もある。
明見山城跡としての過去も影響してか、この場所全体に霊的な因縁が渦巻いているかのようである。
三野公園の心霊体験談
ある夜、3人の若者が肝試しのために三野公園を訪れた。
ブランコのある頂上まで登り、周囲の雰囲気を探っていたそのとき、突然、背後の藪の奥から女性のすすり泣く声が聞こえた。
誰もその方向には行っておらず、懐中電灯を向けても何も見えなかった。
しかし、次の瞬間、彼らの一人が「誰かが後ろに立ってる……」と声を震わせて言い出した。
振り向くと、確かに白い影のようなものがブランコのそばに佇んでいたという。
全員が恐怖にかられ、言葉を失いながら一目散に坂を駆け下りた。
その後、その中の一人は数日間、高熱と悪夢にうなされ続けたという。
医者に診ても原因は不明であった。
三野公園の心霊考察
三野公園における心霊現象は、戦国時代の城跡という土地の因縁、そして近年の自殺事件など、複数の負の歴史が交錯している点に注目すべきである。
特に女性の霊が繰り返し目撃されるという点から、個人の執着心や無念が強く残っている可能性がある。
また、公園という本来は憩いの場において、これほどまでに異質な空気が感じられる背景には、単なる偶然や噂では説明のつかない「地縛霊的」な存在があるのかもしれない。
明見山城が「釣城」と呼ばれたことも、今となっては霊を“釣り上げる”呪われた場所という皮肉な意味に感じられてしまう。
一見すると平和で美しい三野公園。
しかしその裏側には、今もなお成仏できない何かが潜んでいるようである。
コメント