岡山県備前市にある茶臼山公園は、春には花見客で賑わう穏やかな景勝地である。しかしその裏には、古戦場の血の記憶や自殺の噂、女性の霊の目撃情報など、多くの心霊的な証言が存在している。今回は、茶臼山公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
茶臼山公園とは?

茶臼山公園は、岡山県備前市西片上に位置する小高い丘陵地に広がる公園である。
標高は約80メートル、敷地面積は1.5ヘクタールに及ぶ。
春には約260本のソメイヨシノが咲き誇る花見の名所として知られ、多くの家族連れや観光客で賑わう。
しかし、その美しい景観の裏には血生臭い過去が潜んでいる。
この地はかつて、室町から戦国期にかけて「富田茶臼山城」が築かれていた場所であり、城主・生田玄利の名が歴史に残る。
斜面には彼の墓も現存している。
周囲には葛坂という峠があり、かつては浦上氏と宇喜多氏の激しい合戦が繰り広げられたという。
そして現在、この公園のすぐ下には斎場と火葬場が隣接しており、そうした土地の「因縁」から、数々の心霊のウワサが囁かれているのである。
茶臼山公園の心霊現象
茶臼山公園の心霊現象は、
- 公園内で女性の霊が目撃される
- 平和祈念塔にて首を吊った自殺者の霊が現れる
- 公園内にて複数の視線を感じるという証言が後を絶たない
- 昼夜を問わず、肩を叩かれるといった不可解な体験が報告されている
- 公園北側の斜面にある墓所周辺で霊的現象が多発する
である。以下、これらの怪異について記述する。
茶臼山公園に最も不気味な影を落としているのが、「平和祈念塔」と呼ばれる異様な建造物である。
蛸の頭か異形の仏像のようなそれは、かつて自殺の舞台となったとされている。この塔の内部で、ある若者が首を吊り命を絶った。
以降、この塔の周辺では、誰もいないのに背後に視線を感じたり、低い女のすすり泣きが聞こえたりすると語られている。
塔の近くでは、白い服を着た女性の霊が目撃されることが多く、その姿は風にそよぐ木々の隙間から突然現れ、何も語らずただ佇んでいるという。
目を合わせた者は高熱や頭痛に襲われるとも言われる。
さらに、公園を訪れた者が口を揃えて語るのが「視線」の感覚である。
背後に何者かが立っているような、あるいは樹の陰から見られているような強烈な違和感に襲われるのだ。
その視線は、日中であっても感じられるという点が不気味である。
そして最も有名な心霊現象は、肩を叩かれるというものである。
2chに投稿された体験談によれば、昼間に探索していた男性が誰もいないはずの場所で「確実に誰かに肩を叩かれた」と証言している。
悪ふざけではなく、冷たい何かが肩に触れたという。
遭遇したのは、墓所の近くにある茂みの中だった。
見える者には見える、写る者には写る――その場所は、今もなお静かに霊を宿している。
茶臼山公園の心霊体験談
ある投稿者の記録によると、日中に茶臼山公園を訪れた際、誰もいないはずの広場の隅で突然背後から「ポン」と肩を叩かれたという。
その瞬間、辺りの空気が急に重くなり、息苦しさすら感じたと述べている。
振り返ってもそこには誰もおらず、ただ風に揺れる草木と、墓所を囲む古びたフェンスが視界に入るのみだった。
また、写真を撮影したところ、フェンスの中からこちらをじっと見つめるような“人影”が写り込んでいたとの報告もある。
撮影した本人は「悪いものを連れて帰ったかもしれない」と語っている。
茶臼山公園の心霊考察
この地の霊的な因縁は、単なる偶然の産物ではない。
城跡という土地の持つ記憶、合戦で命を落とした兵の無念、そして現代に至るまでの人の死が重なり合い、見えざる存在をこの場所に定着させていると考えられる。
特に注目すべきは、「火葬場と斎場」という“現代の死の空間”がすぐ傍に存在していることである。
このような場所に共鳴するように、かつての死者たちの怨念が引き寄せられ、増幅されているのかもしれない。
また、「平和祈念塔」の存在も象徴的である。
本来は慰霊の場であるはずのその塔が、逆に不気味な異形として目撃者たちに畏怖を与えていることは、慰霊の祈りが正しく届いていないことを示しているとも解釈できる。
物は死んで幽霊とはならない。
だが人は、その意志と記憶を残す。
ゆえに成仏できぬ魂が、この茶臼山公園に今もなお彷徨い続けているのかもしれない。
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