静かな水門近くにひっそりと佇む祠と地蔵——その背後には、江戸時代に堤防のため人柱として生き埋めにされた少女「お清」と白馬の哀しい伝承が語り継がれている。今回は、お清明神と供養地蔵にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
お清明神と供養地蔵とは?

お清明神と供養地蔵は、宮城県石巻市の金浦地区に存在する。
ここは江戸時代、金浦と生江浜の間に築かれた吉浜堤防の建設地として知られている。
堤防は度重なる決壊に悩まされ、人柱の儀式が行われたと伝わっている。
人柱となったのは「お清」と呼ばれる若い娘と、一頭の白馬である。
彼らは堤防の土中に生きたまま埋められたという。
この悲劇を鎮めるため、水門近くにはお清明神と供養地蔵が祀られ、今も白馬像とともに静かにその魂を鎮め続けている。
周囲には墓地が広がり、廃墟と化した民家も存在するため、日中でも異様な静けさに包まれている場所である。
お清明神と供養地蔵の心霊現象
お清明神と供養地蔵の心霊現象は、
- 墓地周辺で聞こえる、少女のすすり泣きの声
- 夜間、祠の前に現れる白い影
- 写真に映り込む正体不明の人影
- 廃墟の窓に、覗き込むような女性の顔が浮かぶ
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、夜間の墓地周辺で聞こえる少女のすすり泣きについてだが、これは風の音や動物の声では説明がつかないとされている。
近隣住民は「人の気配がする」と語り、深夜に犬が一斉に吠え出すこともあるという。
祠の前に現れる白い影は、祀られている白馬の霊とされている。
雨の降る夜に、その影が田畑に向かって駆けるのを見たという証言も複数ある。
また、観光客や地元の人が撮影した写真には、背景に映ってはいけない“顔”が写り込むことがある。
祠の隣の供養地蔵の背後、誰もいないはずの空間に目だけが浮かんでいるという。
さらに、不気味さを一層引き立てるのが、祠の正面にある廃墟の民家である。
その窓から、こちらをじっと見つめる女性の顔が現れたという体験談も存在する。
霊感の強い者が近づくと、突然、頭痛や吐き気を訴えることもあるという。
お清明神と供養地蔵の心霊体験談
ある地元の男性は、夕暮れ時に祠の前を通りかかった際、草むらの中から少女のような声で「ここにいるの」と呼ばれたという。
振り返ると誰もおらず、しかしその声は確かに耳元で聞こえたそうだ。
また別の女性は、夜に墓地の脇を通りかかった際、白馬のいななきのような音を聞いた。
音の方を向くと、そこには何もいない空間に靄が立ち込めており、冷気が肌を刺すように流れてきたという。
お清明神と供養地蔵の心霊考察
心霊現象の根源は、やはり生き埋めにされたお清と白馬の霊にあると考えられる。
長らく忘れ去られていたこの祠が、60年前に再び人々の目に触れるようになってから、供物や香華が絶えなくなったのは、沈黙していた霊が何かを伝えようとし始めたからではないか。
お清は自ら進んで人柱になったのではなく、村の犠牲となった存在である。
その無念の念は、時を経ても土地に染み付いており、理解ある者にのみその存在を示すのだろう。
祠の前で感じる妙な寒気や、誰もいない空間からの視線。
それらは、お清の想いが今もなお、堤防を守るという役目を全うしようとしている証かもしれない。
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