岡山県吉備中央町にある「大和クリニック」は、2004年に閉業した元・内科診療所である。心霊事件の記録は一切ないものの、廃墟となった現在、その不気味な外観や謎めいた内部にまつわる数々の怪異が語られている。今回は、大和クリニックにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
大和クリニックとは?

大和クリニックとは、岡山県加賀郡吉備中央町西274に位置する、かつて内科診療を行っていた地域密着型のクリニックである。
開業は1980年で、地域住民の健康を支えていたが、2004年に閉業。
以後、約20年にわたり放置されている。
廃業後も建物自体は所有者によって管理されており、大きな破壊や落書きも少なく、比較的状態のよい廃墟である。
とはいえ、人の出入りがなくなってから長い年月が経過しており、周囲には不気味な雰囲気が漂っているのが現状である。
クリニックの前には畑が広がり、民家もわずかしか存在しない静かな土地に佇むその建物は、まるで時間に取り残されたような空気をまとっている。
大和クリニックの心霊現象
大和クリニックの心霊現象は、
- 男性の霊が現れる
- 人の声が聞こえるという証言
- 暗室のドアにまつわる怪奇現象
- 異様な空気が漂う待合室と謎の軍手
- 突然の轟音が外で響く現象
- 非常口付近に置かれた劣化した靴と蛆虫
- 脱穀機のような拷問器具に見える古機械の存在
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も語られるのが、「男性の霊が出る」というウワサである。
夜間にクリニックを訪れた者の中には、診療室の窓辺に黒い影のようなものを見たと証言する者もいる。
その姿は輪郭こそ曖昧であるが、背広のような服を着た痩せた中年男性であったという。
次に、人の声が聞こえるという現象である。
特に誰もいないはずの建物の奥から、低くかすれた男性の声がするという証言が相次いでいる。
声の内容は不明だが、何かを訴えているような切迫感があるという。
「暗室」と呼ばれる部屋に関しても異常が報告されている。
この部屋のドアに触れようとすると、激しい耳鳴りが起きたり、手が急に重くなって開けられなくなるという。
まるで“入るな”と警告されているかのようだ。
また、待合室と思われる部屋には古い椅子が並べられているが、その上にはなぜか片方だけの軍手が無造作に置かれている。
この空間には、言い知れぬ重圧と不快感が漂っており、長く滞在することが難しいと感じる者もいる。
さらには、外に出た瞬間、周囲に雷のような轟音が鳴り響いたという報告もある。
天候に関係なく発生するこの音の正体は不明である。
非常口の傍には、経年劣化によってボロボロになった靴が残されており、その周囲には蛆虫が湧いていたという目撃談がある。
その靴の持ち主は、まだこの場所に存在しているのだろうか。
さらに、院内に置かれている古い脱穀機と思しき機械も、人によっては拷問器具のように見える。
鋭いトゲトゲの金属と暗い照明が相まって、その場に立つだけで背筋が凍るとのことである。
大和クリニックの心霊体験談
ある訪問者が、昼間に大和クリニックを訪れた際のことである。
彼は建物の奥を探索していたところ、突然背後から“ドン”という音が響き、驚いて振り返ったが、誰もいなかった。
急いで外に出ると、今度は空から“ゴォォ…”という重低音が響いたという。
また、別の探索者は、暗室の前でスマートフォンのカメラが急に起動し、動画撮影モードに切り替わったと証言している。
端末には触れていなかったとのことで、偶然にしては不可解な現象である。
大和クリニックの心霊考察
大和クリニックには、明確な心霊事件や過去の事故の記録は存在しない。
にもかかわらず、これほどまでに多くの怪異が語られる理由は何であろうか。
ひとつには、長らく放置され、人の気配が途絶えたことによる“場の記憶”のようなものが影響している可能性がある。
医療という生と死に深く関わる場であったことも、この空間に特有の“残留思念”を生んでいるのかもしれない。
また、暗室や古機械、軍手や劣化した靴といった、視覚的に不穏なオブジェクトが人の恐怖心を刺激し、超常的な現象と錯覚させているという見方もできる。
しかし、現象の一致性や数の多さを考慮すれば、すべてが心理的錯覚とは断定できない。
このクリニックには、誰にも知られていない“何か”が今なお眠っているのかもしれない。
※なお、大和クリニックの建物は現在も所有者によって管理されている。
無断で敷地に立ち入ることは不法侵入となる可能性があるため、訪問や撮影を希望する際は、必ず許可を得るよう心がけていただきたい。
モラルとルールを守った行動が求められる。
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