高暮ダムのウワサの心霊話

広島県庄原市にある高暮ダムは、戦時中に数千人もの労働者が過酷な労働の末に命を落とし、その怨念が今なおこの地に渦巻く場所である。堤体に生き埋めにされた者の声が響くとされ、昼夜を問わず霊の目撃談が絶えないという。今回は、高暮ダムにまつわるウワサの心霊話を紹介する。


高暮ダムとは?

高暮ダムの外観

高暮ダムは、広島県庄原市高野町にあるコンクリート重力式ダムである。

昭和15年(1940年)に着工し、戦争による中断を挟みつつ昭和24年(1949年)に完成した。

当時の電力需要を満たすため、日本発送電(現在の中国電力の前身)によって建設が進められた。

しかしこのダムには、戦時中の暗い影が色濃く残されている。

工事には、多数の朝鮮人徴用工が投入され、彼らは過酷な労働を強いられた。

その数は少なくとも2千人、多くは5千人にものぼるともいわれる。

不当な低賃金で働かされた日本人労働者もおり、逃亡者は後を絶たず、いまだ山中から白骨が見つかることもある。

当時、コンクリートを打設する際に事故や作為により、人が生きたまま内部に埋め込まれたとの証言まで残る場所である。


高暮ダムの心霊現象

高暮ダムの心霊現象は、

  • 男性の霊が現れる
  • 昼夜問わず断末魔の叫び声や呻き声が聞こえる
  • ダム周辺のトンネルや山林でボロボロの作業服姿の男を目撃する
  • 「助けて」と朝鮮語で聞こえる謎の声が響く

である。以下、これらの怪異について記述する。

高暮ダムでは、建設時に命を落とした作業員たちの霊が、今なおこの地に彷徨っていると噂されている。

昼間であっても山の斜面やダムの堤体周辺から、血の気の失せた男の姿が目撃される。

その顔には苦悶の色が濃く刻まれており、声なき声で何かを訴えかけてくるともいう。

さらに、堤体近くでは助けを求める声が微かに響くことがあるが、それは日本語ではなく、かつてこの地に強制的に連れて来られた朝鮮人労働者の言葉で「助けて」と聞こえた例も報告されている。

また、ダム建設中に生き埋めになったとされる霊が堤体の中で呻き続けており、夜釣りを楽しもうとした者が、静寂の中で突如男の断末魔の叫びを耳にし、恐怖に駆られてその場を離れたという話も後を絶たない。


高暮ダムの心霊体験談

これは高暮ダム周辺に暮らす地元住民の証言である。

幼い頃から何度もこのダムで山菜採りや釣りを楽しんでいたというその人は、ある夜、夜釣りをしていた最中に周囲で奇妙な物音を頻繁に耳にした。

鵺のような声、どこからともなく響く足音、水面を叩く音……。

気味悪さに耐えきれず、釣りを断念し帰路についたという。

また、高野町側からダムへ向かう途中の手掘りと思われるトンネルを抜けた際、ボロボロの作業服を着た男性が立っているのを目撃した。

その姿は異様に薄く、目が合った瞬間に消えたと語っている。

さらにはダムの侵入階段の反対側、山の斜面で白骨体が発見された際、それに関わった人々の中に不可解な病や事故に遭う者が続出した。

この住民自身も、ダムの放水口付近を覗き込んだ際、堤体のコンクリートの隙間から黒々とした髪の毛が伸びているのを見たうえに、何語ともつかぬ不気味な声を耳にしたと告白している。

それを後に人に話すと、「あそこでは、朝鮮の言葉で助けてと聞こえたことがある」と別の証言を重ねられ、底知れぬ恐怖を新たにしたという。

この高暮ダムは、地元の者でさえ不用意には近づかない場所である。

覚悟なく足を踏み入れるべきではない。


高暮ダムの心霊考察

高暮ダムで囁かれる数多の心霊現象は、戦時中に命を落とした無数の作業員たちの怨念が未だこの地に留まっているためであろう。

劣悪な環境下で強制労働に従事させられ、過労や事故で命を落とした者たちは、家族に看取られることもなくこの山中に埋もれた。

さらに、コンクリートに巻き込まれ生きたまま堤体に取り込まれた作業員がいたとの証言は、彼らが未だにこのダムに取り憑いて呻き続けている理由を強く示唆する。

また、近代日本の開発が多くの命を踏みにじって成り立っていたという歴史の闇も、このダムの不気味さを一層際立たせている。

ダムの水音や風の唸りが、人々の苦痛の声と混じり合うとき、訪れる者は確かにそこにいるはずのない誰かに見つめられている感覚を覚えるのである。

この場所を訪れる際は、決して軽い気持ちで踏み込むべきではない。

かつてこの地で終わりを迎えた無数の命に、今もなお呼ばれてしまうかもしれないからだ。


高暮ダムの地図

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