のうが高原は、広島県廿日市市にかつて存在した巨大リゾートの廃墟である。今は太陽光発電施設へと姿を変えたこの場所には、廃墟となったホテルや岩風呂を舞台に数多の心霊の噂が囁かれてきた。今回は、のうが高原にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
のうが高原とは?

のうが高原とは、広島県廿日市市の野貝原山にかつて存在した大規模なリゾート施設の跡地である。
1965年に「廿日市観光農園」として開業したのち、1971年には「のうが高原」へと名を変え、ホテルや遊園地、別荘、珍獣動物園、アスレチック広場などを有する巨大リゾートとして拡張された。
しかし、1973年のオイルショックを境に経営は急速に悪化し、莫大な建設費の負債が経営を圧迫。
最盛期には年間30万人もの客を集めたが、それも束の間、1986年には倒産し、一帯は廃墟と化した。
なお、この場所はもともと墓地であったという噂も残されており、それが後の数々の怪異を引き寄せたのではないかとも囁かれている。
※現在は解体され、跡地には太陽光発電設備が設置されている。
のうが高原の心霊現象
のうが高原の心霊現象は、
- 正体不明の霊が現れる
- 夜中に廃墟内から人のうめき声が響く
- 突然に身体の自由が奪われる金縛りの体験
- 岩風呂付近で子供の笑い声が聞こえる
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、のうが高原で最も有名なのは「正体不明の霊」である。
廃墟となったホテルのロビーや階段、客室にて、全身が黒ずんだ影のような存在が彷徨っていたという目撃談が後を絶たない。
ときにはその霊が壁や天井に吸い込まれるようにして消えていく様子を見た者もいる。
また、深夜に探索を試みた者が、ホテル内から人のうめき声を聞いたという話も多い。
その声は助けを求めるようにも聞こえ、廊下や大浴場で特に強く響くという。
さらに、ホテルの廊下を歩いていると突然足が動かなくなり、身動きが取れなくなる金縛りに襲われたという体験もある。
周囲を見渡しても誰もおらず、ただ異様な冷気と重苦しい気配だけが肌を刺す。
極めつけは、巨岩を利用した名物の岩風呂周辺である。
ここでは廃墟となった後もなお、誰もいないはずの場所から子供の無邪気な笑い声が響き渡ることがあるという。
この浴場は、古来より磐座(いわくら)と呼ばれる神聖な霊石を無理やり風呂場に転用したものであり、冒涜への祟りではないかとも語られている。
のうが高原の心霊体験談
過去にこの場所を訪れた探索者の一人は、ホテルの廃墟内を調査中に階段を下りようとした瞬間、背後から小さな手で肩を叩かれた感触を覚えたという。
振り向いても誰もおらず、ただ階段の先から子供の声が響くのみであった。
別の探索者は岩風呂に足を踏み入れた際、風呂釜の奥に白い服を着た女性がしゃがんでいるのを目撃した。
その姿はすぐに霧のように掻き消えたが、その後しばらく耳鳴りと頭痛に悩まされたとのことである。
のうが高原の心霊考察
のうが高原にまつわる数多の怪異は、単なる廃墟探索による心理的影響だけでは説明がつかない節がある。
そもそもこの地は墓地だったという噂があり、その上にリゾートを無理やり築いたことが、土地の怒りを買ったのではないか。
また、神聖な磐座を破壊し、岩風呂という商業施設へ変貌させたことが、更なる怨念を呼び寄せたとも考えられる。
現在はホテルは解体され、跡地は太陽光発電設備へと生まれ変わった。
しかしその地に染みついた記憶や感情は、施設が消えた今なお夜風に紛れて囁いているのかもしれない。
今後、この地を訪れる者が再び何かに出会わぬ保証はどこにもないのである。
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