徳島県徳島市にある「保井田のお地蔵様」には、かつての殺人事件と関係があるとされる不穏な噂が絶えない。夜な夜な現れる女性の霊、訪れた者に襲いかかる体調不良、異常をきたす電子機器――。今回は、保井田のお地蔵様にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
保井田のお地蔵様とは?

保井田のお地蔵様は、徳島市内の薬師が丘第六公園の裏手に位置する小高い山の上にひっそりと佇んでいる地蔵である。
この地蔵は、平成7年頃にこの場所で発生した殺人事件の被害者を弔うために建てられたとされている。
周囲は鬱蒼とした木々に囲まれ、昼間でさえ薄暗く湿った空気が漂う。
公園から延びる一本道を上って行くことになるが、この坂道は人通りが極端に少なく、訪れる者の足を無意識に鈍らせるほど不気味な気配に包まれている。
また、すぐ隣には工事現場があり、立ち入りを禁止する看板やゲートが無機質に存在感を放っている。
まるでこの地蔵の周辺だけが異質な世界へ繋がる結界のようにも思える場所である。
保井田のお地蔵様の心霊現象
保井田のお地蔵様の心霊現象は、
- 夜になると女性の霊が地蔵の脇に立っているのが目撃される
- 肝試しに訪れた者が、帰宅後に激しい頭痛や吐き気に襲われる
- 地蔵の周辺でカメラやスマホが突如としてフリーズし、電源が落ちる
- 木々の間から誰かに見つめられている感覚に陥り、逃げ帰る人が後を絶たない
である。以下、これらの怪異について記述する。
この場所で特に恐れられているのは、やはり女性の霊の目撃談である。
夜に肝試し感覚で訪れた若者が、ふと地蔵を横目に見た瞬間、着物姿の髪の長い女が無表情のまま佇んでいたという。
声をあげて一斉に逃げ帰ったものの、その後全員が頭痛を訴え、うち一人は帰宅後に嘔吐し、その晩はうなされ続けたと語る。
また、この地蔵の周囲では電子機器の不調が頻発する。
撮影しようとスマホを向けると、シャッターが切れずに画面が暗転し、再起動を余儀なくされる例が多い。
それだけでなく、帰り道に再び電源を入れると、撮影したはずの写真が一枚も残っていなかったという証言もある。
さらに、木々が生い茂る中で妙な視線を感じ、振り返っても誰もいないという体験をする者が後を絶たない。
気づけば足元から急激に冷気が這い上がり、呼吸が苦しくなるという。
保井田のお地蔵様の心霊体験談
ある若者三人組が夜中に肝試しでこの地蔵を訪れたことがあった。
最初は物見遊山のつもりで「本当に何か出るのか」と笑い合っていたが、地蔵の正面まで来た途端、妙に空気が重くなり全員が無口になったという。
地蔵を通り過ぎようとした瞬間、背後から小さな女の子の笑い声が聞こえた。
振り返っても誰もいない。
その後、車に戻っても胸の奥がザワザワする不安感が消えず、一人は運転中に原因不明の激しい頭痛を訴え、道路脇に車を停めて嘔吐した。
その夜、三人とも眠ることができず、翌朝まで続く悪寒に震えながら夜を明かしたという。
保井田のお地蔵様の心霊考察
保井田のお地蔵様の周辺で語られる数々の怪異は、この場所が過去に凄惨な事件の現場であったことと無関係ではないだろう。
被害者の無念が地蔵に取り憑き、訪れた者に触れようとしているのかもしれない。
あるいは、木々に囲まれた閉鎖的な空間が異界への門を形成し、そこで彷徨う何者かが現世との狭間で人間に干渉してくるのか。
いずれにせよ、この地蔵を軽い気持ちで訪れるのは非常に危険である。
ひとたび足を踏み入れれば、その夜からあなたの周囲にも見えない何かが寄り添い続けるかもしれないのだ。
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