四国八十八ヶ所の中間地点にあたる第四十四番札所・大宝寺。その付近に伸びる細道では、夜になると派手な服を着た裸足の女性の霊が現れるという。今回は、大宝寺付近の細道にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
大宝寺付近の細道とは?

大宝寺は四国八十八ヶ所巡礼の中でもちょうど中間地点に位置する札所である。
山深い久万高原にあり、参道には樹齢数百年を超える杉や檜が鬱蒼と立ち並び、かつては「遍路ころがし」と呼ばれる難所として知られていた寺である。
三度の大火に見舞われながらも再建を繰り返し、病気平癒の祈願所としても信仰を集めてきた由緒ある寺であるが、その周辺には不気味な噂が絶えない。
特に寺付近の細道は、車一台がやっと通れるほどの狭さであり、両脇を木々が覆い、夜は街灯もなく完全な闇に沈む。
草木は道を覆うように迫り出し、進めば進むほど息苦しくなる雰囲気が漂っている。
大宝寺付近の細道の心霊現象
大宝寺付近の細道の心霊現象は、
- 派手な服を着た裸足の女性の霊が現れる
- 数分走った先で、再び同じ女性の霊が目の前に現れる
- 霊を目撃した者が高熱を出して寝込む
- 男性が遭遇すると事故や病に見舞われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
夜、細道を車で走っていると、突如として派手な服をまとった裸足の女性が歩いている姿が目に入る。
深夜の山道に似つかわしくない異様な光景に誰もがブレーキを踏むが、そのまま走り去ると、数分も経たぬうちに再び同じ女性が前方に立ちふさがる。
逃げても逃げても道を塞がれる感覚は、確実に生者ではない存在を思わせる。
その女性の正体については諸説ある。
噂によれば、かつて恋人にフラれた女性が絶望のあまり裸足で外へ飛び出し、やがてその恋人に捕まって殺害されたという。
その霊が未だ成仏できず、同じ道をさまよっているのだとされる。
しかし、この話には不可解な点もある。
ふった側の男性が後に女性を追いかけ殺すという矛盾から、むしろ女性は逃げ延びようと細道を必死に走り抜け、執拗な元恋人に追われて命を落とした可能性の方が高いとも囁かれている。
真実はいまだ闇の中である。
大宝寺付近の細道の心霊体験談
ある人物は、深夜に車で細道を抜けようとした際、前方に鮮やかな服を着た裸足の女を見た。
避けるように通り過ぎたが、数分後、再び同じ女が闇の中に立っていたという。
その夜から原因不明の高熱に苦しみ、数日間寝込んだと語っている。
また、別の男性は深夜にこの道を通り、女性の姿を見た直後に車を電柱へ激突させた。
幸い一命はとりとめたものの、以来、体調不良に悩まされ続けていると噂されている。
大宝寺付近の細道の心霊考察
この細道に現れる女性の霊は、単なる残像や偶然の錯覚では説明がつかない。
裸足で現れるという点は、逃げ惑い命を落とした彼女の境遇を物語っているかのようである。
さらに、数分先で再び現れるという現象は「場所に縛られた地縛霊」ではなく、「人間に取り憑く浮遊霊」の特徴を示していると考えられる。
とりわけ男性に対して事故や病を引き起こす点から、彼女の恨みの矛先が「異性」そのものに向けられている可能性もある。
未練と怨念が絡み合ったその姿は、ただの怪談に留まらず、今なおこの細道に潜む呪いそのものであるといえよう。
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