高知県津野町にある稲葉洞には、古くから不気味な噂が絶えない。かつて観光開発を試みた人々が次々と病に倒れたという“祟り”の伝承が残されており、現在も訪れる者の中には、得体の知れぬ気配を感じたと語る者がいる。今回は、稲葉洞にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
稲葉洞とは?

稲葉洞は、高知県津野町にある全長約530メートルの鍾乳洞である。
県道378号線を進み、「四万十川清流センター・せいらんの里」への道標を辿ると、その下方に続く細い道の終点手前で洞窟の入り口を見ることができる。
洞口には石仏や小さな祠が並び、中央には「龍王神社」が鎮座している。
その脇には、「稲葉洞は龍神の御神体であり、汚すべからず」と刻まれた警告碑が立てられている。
この祠には、昭和42年に起きた出来事が関係している。
当時、旧村会議員が稲葉洞を観光洞窟として整備しようとしたところ、関係者やその家族が次々と原因不明の病に倒れたという。
村の神職は「洞に棲む龍神の祟りである」と告げ、鎮めのために龍王神社を建立した。
以後、祟りは止んだと伝わる。
稲葉洞の心霊現象
稲葉洞の心霊現象は、
- 洞窟右側の道を進むと、強い不吉さを感じる
- 洞内で耳鳴りや気配を感じたという報告がある
である。以下、これらの怪異について記述する。
洞窟の入り口は急な斜面となっており、ロープを使って慎重に降りる必要がある。
内部は真夏でも冷気が漂い、ライトを消すと闇が濃く沈む。
壁面には水が滴り、一定の間隔で「ポタ、ポタ」と音が響く。
洞の途中で左右に分かれるが、右側の道に進むと、言いようのない圧迫感を覚える人が多いという。
単なる湿度や空気の変化とも考えられるが、地元では「右の道は龍神の領域」として昔から敬遠されてきた。
また、洞内で耳鳴りや気配を感じたという体験談も少なくない。
静寂の中で、自分以外の存在が近づいてくるような錯覚を覚えたという。
一人で訪れると、そうした微かな変化に敏感になるのかもしれない。
稲葉洞の心霊体験談
実際に訪れた人の中には、次のような声がある。
「右の道に入った瞬間、急に空気が変わった気がした。何かに見られているようで、怖くなって戻った。」
「洞の中で急に耳鳴りがした。出口に戻るとすぐに止んだ。偶然かもしれないが気味が悪かった。」
どれも大きな出来事ではないが、訪れた人々の多くが“右側の道”と“耳鳴り”を共通して挙げている点は興味深い。
稲葉洞の心霊考察
稲葉洞に伝わる“祟り”と、右の道の不吉さの噂には共通する要素がある。
それは、この洞が龍神を祀る“聖域”であるという点である。
洞内の冷気や水音、独特の空気の重さは、自然現象でありながらも、どこか神聖で侵してはならぬものを感じさせる。
かつての村人たちが祠を建て、龍神を鎮めた理由も、そうした感覚の延長にあったのだろう。
耳鳴りや不吉さを感じる現象も、科学的に説明はできる。
しかし、訪れた者の多くがその瞬間に“祟り”という言葉を思い浮かべるのは、単なる偶然とは言い難い。
稲葉洞は今もなお、静かに龍神を宿す地として人々を見守っているのかもしれない。
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