二色の浜海水浴場は、昼間は家族連れで賑わう明るい海水浴場である。しかし一方で、秋冬には水死体が上がることがあり、夜の浜辺では人影や足音など不気味な現象が報告されている。今回は、二色の浜海水浴場にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
二色の浜海水浴場とは?

二色の浜海水浴場は、大阪府貝塚市に位置する府営公園内の海水浴場である。
砂浜が弓状に広がり、夏場は家族連れで賑わう観光地として知られている。
一方で、水質の問題から地元住民の利用は少ないという声もあり、シーズン外は人影もまばらとなる。
しかし、この海水浴場には、長年にわたり「遺体が流れ着く場所」としての一面がある。
潮流の関係で、別の海域で亡くなった遺体が漂着しやすいとされ、秋から冬にかけて水死体が上がるケースが毎年のように発生する。
事故や事件も何度か記録されており、観光地としての表の顔とは別に、暗い歴史を抱えた海である。
二色の浜海水浴場の心霊現象
二色の浜海水浴場の心霊現象は、
- 夜の浜辺で“近くに人が立っているような気配”を感じる
- 海から“白い影のようなもの”がゆっくり近づいてくる
- 誰もいないはずの波打ち際で“足音”だけが続く
- 遠くに立つ人影を見たが、目を離すと跡形もなく消えている
である。以下、これらの怪異について記述する。
二色の浜海水浴場では、遺体の漂着が多いという事実が、心霊の噂の背景にあると考えられる。
とくに秋冬のシーズンは、海水温の低下と潮流の影響から、海上で亡くなった遺体が比較的損傷の少ない状態で流れ着くことがあるという。
夜間、浜辺を歩くと周囲に人影があるように感じるという証言は複数聞かれ、振り返ると誰もいないという体験談もある。
白い影が海面から陸に向かってくるという噂は、地元でも長く囁かれており、深夜に散歩する若者の間で半ば“見たら不吉”といった扱いになっている。
2005年には水上バイクによる死亡事故が発生し、翌年には二色大橋付近で焼死体が発見される事件も起きている。
2015年にも男性遺体が打ち上がっている。
これらの事案が積み重なり、夜の海への不気味さが強まっているのは間違いない。
二色の浜海水浴場の心霊体験談
以下は実際にこの海水浴場を訪れた人物による体験談である。
深夜、二色の浜を散歩していた時のことである。
シーズンオフの10月後半、人影はほとんどない。
遠くに若いカップルが立ち、海の方を指差しながら何かを話していた。
近づいてみると、女性の方が青ざめた顔で「絶対に人やって…」と呟いている。
最初は誰かが捨てたマネキンだろうと考えた。
だが、警備員が懐中電灯を向けて確認した直後、その表情が一瞬にして引き締まった。
「また上がったか…」
慣れた口調でそう言い、警備員は消防へ連絡を入れた。
やがて救急隊員が到着し、波打ち際に横たわる遺体をタンカーへ移す様子が見えた。
覆いもなく、夜の照明にさらされた遺体は硬直しており、腕が人形のようにぎこちなく揺れた。
その光景は、薄暗い海風の中で異様な静けさを帯びていた。
隊員たちは淡々と作業を進め、数分後には海辺に再び静寂が戻った。
遠くで波が寄せては返す音だけが続いていた。
この実体験の後、夜の浜辺を歩くと、誰もいないのに“背後で足音がついてくる”ような感覚が何度もあったという。
同行者も同じ錯覚を訴えており、海から上がってくる影を見たという別の目撃談もある。
この海で夜間に感じる気配は、単なる錯覚とは思えないと語られている。
二色の浜海水浴場の心霊考察
二色の浜海水浴場は、事故・事件・自殺・漂着遺体など、死にまつわる事例が長年集積している場所である。
そのため、夜の海で“視線を感じる”“影がゆっくりと近づいてくる”という噂が生まれる背景としては十分である。
また、深夜に遺体が発見されるケースでは、救急車が浜辺近くまで入れる構造があるため、外部への情報が広がりにくいという面もある。
シーズン外で人が少ない時期に発見されることが多く、一般的なニュースとして取り上げられる頻度が低いことも、噂が裏で語り継がれる原因となっている。
心霊現象として語られる“白い影”や“足音”は、漂着遺体が多い場所への潜在的な恐怖が、夜の環境と結びついて生まれる心理的現象である可能性もある。
しかし、複数の証言が一致している点を踏まえると、単なる想像と片付けるには不気味さが残る。
人が亡くなる場所には、何かしらの痕跡が残るという考え方があるが、二色の浜海水浴場はまさにその典型とも言える。
日中の明るい顔と、夜の陰鬱さの落差が、この場所の恐怖をより際立たせているのである。






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