ぺんぎん村は、かつて大阪府岬町に存在したコテージ型ラブホテルの廃墟であり、荒れ果てた時期には複数の不可解な噂が囁かれていた場所である。今回は、ぺんぎん村にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ぺんぎん村とは?

ぺんぎん村とは、大阪府泉南郡岬町に位置していたコテージ型のラブホテルである。
府道65号線沿い、道の駅とっとパーク小島に近接しており、10棟ほどの小さなコテージが連なる独特の構造を持っていた。
建物は1975年当時には存在が確認されており、開設時期は1970年前後と推測される。
施設名は鳥山明による漫画作品『Dr.スランプ』(1980~1984年連載)の“ぺんぎん村”と同名であるが、開業時期から考えると当初は別の名称で営業していたと考えられる。
1980年代以降の改称であるとの説が強く、同時期には全国で同名のラブホテルが散見されたという。
閉業時期は明確ではないが、2013年頃にはすでに廃墟として認識されており、2000年代には営業していたとの証言があるため、2010年前後に営業を終えた可能性が高い。
2010年代後半には外壁の大規模な落書きや、荒れた敷地の様子が確認され、簡易ロープの封鎖からフェンス・鉄条網による強固な管理へと変化していった。
その後は転用が進み、2020年頃にはサバイバルゲームフィールドとして利用され、2021年9月からは大幅な改装を経て再びコテージとして現役利用されている。
現在は廃墟ではなく、完全にリニューアルされた施設となっている。
ぺんぎん村の心霊現象
ぺんぎん村の心霊現象は、
- 過去にこの場所で殺人事件があったという噂
- 被害者とされる人物の霊が出るという話
- 管理人室の2階に入った人が、帰り道で事故に遭ったという噂
- 廃墟時代、夜に無人のはずのコテージ内から気配がしたという話
である。以下、これらの怪異について記述する。
殺人事件の噂
信憑性の明確な裏付けはないものの、この地でかつて殺人事件が起きたと囁かれている。
廃墟となった頃、訪れた者の多くが「敷地のどこかに、説明のつかない重苦しい気配が漂っていた」と語る。
事件の存在が事実であるかは不明だが、根拠の薄い噂にしては妙に具体的で、一部の地元住民は触れたがらないという。
被害者の霊が出るという話
薄暗いコテージの室内で、光の反射では説明できない“人影のようなもの”が立っていた、という証言がある。
特に廃墟時代、落書きだらけの外壁と壊れた窓ガラスの隙間から内部を覗いたとき、誰もいないのに視線を感じたという話は多い。
気のせいと片付けるには、証言の方向性が一致していた点が不気味である。
管理人室2階にまつわる事故の噂
管理人室の2階は、廃墟時代から「入ると良くないことが起きる」と言われていた場所である。
内部に入った者の中には、帰路で単独事故を起こしたという話が複数ある。
もちろん偶然の可能性は十分にあるが、現場を訪れた人ほど「理由はわからないが、あの部屋には近づきたくない」と語った点が興味深い。
夜のコテージに残る気配
廃墟として荒れていた2010年代後半、夜間に訪れると、無人のはずのコテージ内部から微かな物音がしたという報告がある。
木材が軋む音とも、人が動いている音とも取れる曖昧な音で、人の気配を感じた者もいたという。
当時の建物は老朽化していたため自然音の可能性も高いが、「誰かがそこにいるようだった」という証言が複数存在する。
ぺんぎん村の心霊体験談
ある訪問者は、廃墟時代の夜にコテージ群を見に行ったところ、どの建物も真っ暗で完全に無人であるはずなのに、一棟だけほんの一瞬、窓の奥で白い影が横切ったと語っている。
懐中電灯の反射ではなく、人型のような輪郭を感じたという。
また別の訪問者は、管理人室の近くを歩いていたとき、唐突に耳元で「カツン」と硬いものを叩く音がした。
周囲には人も動物もいなかったが、急に肌寒さを感じ、その場を離れたという。
後日、同行者が「帰り道で妙に運転が不安定になった」と話していたというが、体験者自身は「あの場所で何かを連れてしまったのでは」と振り返っている。
ぺんぎん村の心霊考察
ぺんぎん村は、長らく廃墟として荒れ果てた姿を晒していた期間があり、その雰囲気が多くの噂を呼び込んだと考えられる。
落書き、バリケード、破れた窓、散乱する物品――そうした環境が、人の想像力をより敏感にさせたのは間違いない。
しかし、複数の証言で一致する“視線を感じる”という感覚や、管理人室2階に関する事故の噂は、単なる偶然にしては奇妙である。
殺人事件の噂に実証はないが、土地や建物の歴史が複雑に積み重なることで、説明できない気配が残る場合は確かに存在する。
現在は改装され、廃墟としての面影はほとんど消えているが、かつてのぺんぎん村に漂っていた不穏な空気が完全に消えたかどうかはわからない。
過去の気配だけが静かに沈殿し、今もどこかに残っているのかもしれない。


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