佐賀県多久市のはずれに、かつて“誰も近づかない家”と呼ばれた一軒の屋敷が存在した。そこでは武士の霊の目撃、心霊写真、謎の金属音や熱風など、数々の怪異が語り継がれている。今回は、相原の幽霊屋敷にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
相原の幽霊屋敷とは?

相原の幽霊屋敷は、佐賀県多久市の街はずれ、森と川に囲まれた静寂の中にぽつんと存在していた。
1976年頃の建物で、当時地元の新聞「フクニチ」にも掲載され、その異様な存在感から“地元最恐の心霊屋敷”と呼ばれていたという。
現在では建物そのものは解体されたとも言われており、実在の確認は困難である。
しかし、今なお敷地跡に近づく者は少なく、残された土地に漂う異様な空気は今も消えたわけではない。
相原の幽霊屋敷の心霊現象
相原の幽霊屋敷の心霊現象は、
- 武士の霊が勝どきの声とともに現れる
- 夜中にガシャガシャと金属音が響く
- 池の周辺で心霊写真が撮れる
- 異様な熱風が夜中に吹き抜ける
- 墓石のようなものの間から白装束の何者かが覗いてくる
である。以下、これらの怪異を記述する。
まず、最も語り継がれているのは、武士の霊の目撃である。
甲冑を身にまとった姿で、まるで戦の最中のように「えいっ!」と勝どきをあげながら現れるという。
姿を見た者はしばらくの間、高熱や悪夢にうなされたとも言われている。
夜になると、何もないはずの敷地から「ガシャガシャ」と金属が擦れ合うような音が響いてくる。
廃墟時代の窓か、何かの鎧か――正体は不明のままである。
敷地内に存在した「ひょうたん池」周辺では、不気味な心霊写真が撮れるとウワサされていた。
撮影後に映り込むのは、顔のような白い影や、無数の手のようなものだという。
さらに奇怪なのは、真夜中に吹きつける「なま暖かい風」である。
夏の夜でもないのに、まるで生き物の吐息のように生ぬるい風が、家の周囲をさまようという証言が複数存在する。
また、敷地の一部には墓石や石碑のようなものが無造作に置かれていたとの報告があり、そこから現れる白装束の何者かが、来訪者をじっと見つめていたという。
これを見た者の多くは、直後に体調を崩している。
相原の幽霊屋敷の心霊体験談
ある若者グループが、2022年に封鎖された道路を避け、川沿いの土手を伝って敷地へ侵入した。
橋を渡った先はフェンスで封鎖されていたが、低く簡単に越えることができたという。
その後すぐ、空気が急に重くなり、墓石のようなものが乱立する異様な風景に出くわした。
奥へ進もうとしたそのとき、メンバーの一人が「白装束の何かが石の陰から覗いていた」と証言。恐怖に駆られた一行は屋敷を目にすることなく撤退を余儀なくされた。
相原の幽霊屋敷の心霊考察
この地に屋敷が建てられていた事実があるとすれば、もともと“何か”がある場所に無理やり構築されたと考えるべきである。
無数の墓石、謎の白装束、熱風、そして落ち武者の霊の出現――どれも“死”や“怨念”を連想させるものばかりである。
武士の霊が出現するという点から、ここは戦国時代、あるいはそれ以前に命を落とした者たちの埋葬地であった可能性も否定できない。
また、ひょうたん池の周囲で心霊写真が撮れることや異様な風が吹く現象は、「この世とあの世の境界」がこの土地に存在していることを示しているのかもしれない。
建物そのものはすでに解体されたとされているが、“場”に染み込んだ何かは、今なお消えずに残り続けている――それが、相原の幽霊屋敷なのである。
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