鳥取県鳥取市にある名瀑・雨滝。日本の滝百選にも選ばれ、修験道の霊場として知られるこの場所には、長年にわたり数々の不可解な現象が語り継がれてきた。今回は、雨滝にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
雨滝とは?

雨滝(あめだき)は、鳥取県鳥取市国府町に位置する滝で、日本の滝百選にも選ばれている名瀑である。
落差40メートル、玄武岩を削るように流れ落ちる様は圧巻であり、その水量と迫力は見る者を圧倒する。
古来よりこの地は霊場として修験者たちの修行の場とされ、「お滝まいり」や「滝開き祭」などの宗教行事が行われてきた歴史がある。
周囲には雨滝川をはじめとした大小48の滝が点在し、「雨滝四十八滝」と称される。
だが、この神聖な場所には、時折“見てはならぬもの”が現れると噂されている。
神域の顔をしたこの滝が、なぜ人の魂を引き寄せるのか……。
雨滝の心霊現象
雨滝の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 心霊写真が撮れる
- 霊的な気配が濃く感じられる
- 死体遺棄事件との関連が指摘されている
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、最も多く語られるのは「女性の霊」である。
滝壺のそばで白い服をまとった女性の姿がふいに現れ、音もなく滝の音に消えるという。
彼女は無表情で立ち尽くし、時には誰かを探すように遊歩道の先をじっと見つめている。
視線の先に何があるのかは、誰にもわからない。
心霊写真については、観光客が滝を撮影した際に、白い顔やぼんやりとした影が写り込む例が後を絶たない。
特に碑の近くや、公衆トイレ付近では写り込みの報告が多い。
現地では心霊写真を「撮れてしまう」場所として知られ、霊感が強い者は強烈な頭痛や吐き気に襲われることもあるという。
また、2006年に滝のすぐ近くの山中で白骨死体が発見されている。
この死体は、行方不明となっていた女性・黒井恵子さんであった。
犯人は同市の男で、供述により遺体は雨滝近くの山林から見つかった。
この事件以来、「夜になると女性のすすり泣く声が山中に響く」「雨滝の碑の前で足がすくんで動けなくなる」といった報告が相次ぐようになった。
修験信仰の地という特性からか、地形自体が霊を引き寄せる磁場のようになっているという説もあり、訪れる者によっては「何かがついて帰ってくる」とまで囁かれている。
雨滝の心霊体験談
ある写真愛好家の体験である。
彼は夏の夕暮れ時、雨滝の姿を撮影しようと三脚を構えていた。
1枚撮るごとに液晶を確認していたが、滝の脇に明らかに“誰かの顔”が写り込んでいることに気づいた。
同行者はいないはずで、現地に他の観光客の姿もなかった。
さらに帰宅後、その写真を確認しようとした彼は、保存したはずのデータがすべて破損していたという。
代わりに、再生不能な真っ黒な画像が1枚だけフォルダに残されていた。
そのファイル名には、意味不明な文字列が並んでいたが、彼はそれがどこか女性の名前に見えたという。曰く、「くろ…い…け…い…こ…?」
それ以来、彼は滝の夢を繰り返し見るようになったという。
雨滝の心霊考察
雨滝にまつわる心霊現象の数々は、単なる自然現象や偶然では片づけられないほど一致した報告が多い。
信仰の地であったという背景に加え、実際の死体遺棄事件が起きたことで、場所自体に“記憶”が刻み込まれた可能性がある。
また、滝という地形は風・水・音が複雑に絡み合い、人間の感覚に異常をもたらしやすい。
これにより、視覚や聴覚に霊的な幻視・幻聴を引き起こす条件が整っているとされる。
特に女性の霊に関しては、実在の事件と結びつける考察も根強い。
名前の一致や、遺体発見地点と滝との近さ、そして報告される霊の姿がいずれも「若い女性」である点から、黒井恵子さんの霊が今なおさまよっているという説が語られる。
信仰と呪いが交差する雨滝。この地を訪れる際は、神聖な気持ちとともに、軽率な言動を慎む覚悟を持つべきである。
決して、好奇心だけで足を踏み入れてはならない。
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