鹿児島県霧島市に存在した廃ホテル「あさぎり荘」。地下室で女性が自殺したという噂とともに、白い服の霊が現れる、霊を見た者が帰路で事故に遭うといった恐ろしい心霊話が囁かれてきた。今回は、あさぎり荘にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
あさぎり荘とは?

あさぎり荘は、鹿児島県霧島市に存在していた7階建ての大型ホテルである。
開業は1966年から1976年の間とされており、当初は観光地としてにぎわいを見せていたが、後に火災の被害を受けて閉業。
その後は長らく廃墟として放置され、建物全体に落書きや破壊の痕跡が残され、荒れ果てた状態となっていた。
建物の地下には水が溜まり、コウモリが飛び交うなど、既に人の気配はなく、自然と異様な空気に包まれた場所と化していた。
そんな中、「地下室で一人の女性が自殺した」という話がまことしやかにささやかれ始める。
そして、いつしかあさぎり荘は“心霊スポット”として恐れられる存在となった。
このホテルは2014年に解体され、現在はすでに現存していない。
あさぎり荘の心霊現象
あさぎり荘の心霊現象は、
- 地下室で女性の霊が現れる
- 女性の霊に遭遇した後に交通事故に遭う
- 浮世絵のような壁画が現れ、再訪しても消えている
- 異様な音や気配に襲われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
地下室で女性の霊が現れる
あさぎり荘でもっとも有名な心霊現象は、地下室で出没する女性の霊である。
白い服を着て、髪を濡らしたその姿は、一瞬で視界の端に現れることもあれば、じっと目の前に立ち尽くしていることもあるという。
特に深夜、地下へ足を踏み入れた者が見たという証言が多く、強い怨念がその場に留まっているのではないかと考えられている。
女性の霊に遭遇すると交通事故に遭う
単なる目撃談にとどまらず、「女性の霊を見た後、帰路で必ず交通事故に遭う」とのウワサも後を絶たない。
実際に「帰り道に不自然に車が滑った」「反対車線から車が突っ込んできた」という体験談もあり、目撃そのものが何か不吉な運命の引き金となるのではないかと恐れられている。
浮世絵のような壁画が現れ、再訪しても消えている
ある訪問者の話によれば、地下の大浴場で壁一面に浮世絵のような絵を見たことがあるという。
しかし後日、同じ場所を訪れた際には、壁は真っ白で絵の跡など一切なかった。
幻覚とは思えないほど鮮明だったその絵が、なぜ二度と現れなかったのか――その正体は今も不明のままである。
異様な音や気配に襲われる
施設内を歩くと、誰もいないはずの空間から足音が聞こえたり、突然背後から風のような気配を感じたりするという証言がある。
録音機器を持ち込んだ者の中には、不可解なうめき声が記録されていたと語る者もおり、あさぎり荘の空間自体が何か異常なものに侵されていた可能性も否定できない。
あさぎり荘の心霊体験談
今から約24年前、ある人物があさぎり荘を訪れた際、地下の大浴場で驚くべき体験をしたという。
その人物は、壁一面に浮世絵のような不気味な絵が描かれているのを目撃。
しかし、後日再び同じ場所を訪れると、そこには何も描かれていない真っ白な壁が広がっていた。
同行者もその時は絵を見たと証言しており、単なる錯覚や記憶違いとは思えない異常な現象である。
あさぎり荘の心霊考察
あさぎり荘における心霊現象は、単なる都市伝説では済まされない深い闇を孕んでいる。
特に「地下室で女性が自殺した」という背景は、場所に強い情念が宿ることを示唆しており、それが霊的な現象として顕在化している可能性が高い。
また、目撃者がその後に事故に遭うという一連の流れは、単なる偶然では説明がつかない。
「霊を見ることで呪いに触れる」――つまり、あさぎり荘の霊は、見る者に“代償”を要求する存在なのかもしれない。
すでに解体された今、あの場所に二度と足を踏み入れることはできない。
しかし、あさぎり荘に残された数多の異変と目撃談は、今なお語り継がれ、決して風化することのない“心霊の遺構”として存在し続けているのである。
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