阿波岐原森林公園 市民の森には、美しい自然と歴史ある神話の舞台という顔の裏に、かつて自殺の名所として恐れられた暗い過去が存在する。今もなお「女性の霊が現れる」「誰もいないはずの足音が聞こえる」といった心霊のウワサが絶えず囁かれている。今回は、阿波岐原森林公園 市民の森にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
阿波岐原森林公園 市民の森とは?

阿波岐原森林公園 市民の森は、宮崎県宮崎市の一ッ葉地区に位置する、約30haの広大な緑地である。
南北に約10km広がる阿波岐原森林公園の一角に整備された市民の森は、ハナショウブ園、遊歩道、展望台、運動広場、売店などが整い、市民の憩いの場として親しまれてきた。
とくに「はなしょうぶ園」には、160種・約20万本のハナショウブが植えられており、毎年5月末から6月にかけての「はなしょうぶまつり」は多くの来園者で賑わう。
一方で、この地には古くからの神話が残されており、イザナギノミコトが黄泉の国から戻った際、身を清めたとされる「みそぎ池」が存在する。
また、公園の南には、延喜式にも記載された江田神社が鎮座しており、神聖な霊場としても名高い場所である。
しかしこの市民の森、日中の穏やかな姿とは裏腹に、夜になると全く異なる顔を覗かせる。
阿波岐原森林公園 市民の森の心霊現象
阿波岐原森林公園 市民の森の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 誰もいないはずなのに足音が聞こえる
- 首吊り自殺の名所であったという噂
- 自殺の呪いが残る木の存在
- 池のそばで起きる不可解な死
- かつて神聖だった池に悪しきものが集うという警告
である。以下、これらの怪異について記述する。
かつての阿波岐原一帯は、整備される以前はただただ広がる松林であった。
そしてこの森は、長らく自殺の名所として知られていた。
とくに首を吊って命を絶った者の霊が、夜な夜な姿を現すと噂されている。
中でも恐れられているのが、シーガイアホテルの真向かいにある噴水公園周辺。
夜中の0時ごろ、特に雨の日になると、ハイヒールの足音が「コツ、コツ」と湿った石畳を叩く音が聞こえてくるという。振り返っても誰もいない。
しかし、そのまま音を追い続けると、見てはならぬものと対面してしまうというのだ。
市民の森に存在する複数の池のうち、「みそぎ池」は本来、イザナギノミコトの禊の地であり、最も神聖な場所とされてきた。
しかし、近隣の「みそぎ御殿」の管理人によると、今やその池は神聖な場ではなくなっており、「近づかないほうがいい」と警告されるという。
どうやら、何か悪しきものがその場所に集まってきているらしい。
また、園内の池のひとつでは、かつて肝試しに訪れた学生が「自殺があった木」に触れたあと、謎の死を遂げたという話もある。
死因は溺死。
しかし発見された池は浅く狭いもので、とても自ら溺れるとは思えぬ深さであった。
まるで何かに頭を押し込められたような、不自然な状態で見つかったという。
この森に棲みつくのは、過去の痛ましい死を遂げた者たちの怨念なのか、それとも神聖な場を汚した報いによる呪いなのか…。
阿波岐原森林公園 市民の森の心霊体験談
ある男性が夜、興味本位で友人と市民の森を訪れたという。
時間は23時を過ぎていた。ベンチに座り談笑していたところ、林の奥から「コツ、コツ」と一定のテンポで近づいてくる足音が響いてきた。
誰か来たのかと思い目を凝らしたが、そこには誰もいない。
だが、音は明らかに近づいてくる。急に冷気が流れ、友人が「帰ろう」と呟いた直後、ベンチの後ろから女性のすすり泣く声が聞こえたという。
走って逃げた彼らは二度と夜の市民の森を訪れていない。
阿波岐原森林公園 市民の森の心霊考察
この市民の森には、神聖とされる「みそぎ池」や歴史ある江田神社が存在する反面、首吊り自殺の名所だった過去、そして不可解な死の記録が交錯している。
元は浄化と再生の地であったこの森が、なぜか今では「死者の囁き」が聞こえる場所へと変貌してしまった。
おそらく、整備される以前の松林で果てた魂が、そのまま土地に縛られているのだろう。
神聖な力と死の気配が混ざり合ったこの場所は、まさに“聖と穢”の境界に位置する異界のような存在である。
専門家の中には「パワースポットと心霊スポットは紙一重」と語る者もいる。
善なる力が場を浄化する一方で、負の感情や未浄化の魂が集まることで、強力な霊障が引き起こされることもある。
夜の市民の森——そこには、静寂の中にうごめく「何か」が確かに存在する。
その気配に触れたくなければ、どうか、日が沈んだ後には近づかないでいただきたい。
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