長崎県五島市にある「茶々子の墓」は、地元で古くから親しまれてきた歴史ある祠である一方、心霊スポットとしても知られている。祠の周囲では、女性の霊の目撃、車の不調、不可解な足音、そして“無数の手形”といった怪異が報告されている。今回は、茶々子の墓にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
茶々子の墓とは?

「茶々子の墓」は、長崎県五島市の岐宿町二本楠にある歴史的な祠である。
国道沿いに佇むその場所は、「茶々子の墓」と書かれた案内看板が掲げられ、地元では広く知られる存在である。
この墓には、五島藩主の娘であった「茶々子姫」が眠っていると伝えられている。
彼女は、平家の落人たち7名の供養碑を建立し、冥福を祈ったとされる。
また、茶々子はこの地の農業振興にも力を尽くし、地元住民から敬愛され、代々手厚く祀られてきた人物でもある。
毎年行われていた祠の藁葺き屋根の張替え儀式も、近年は後継者不足のため途絶え、現在はプラスチック製の屋根へと変わってしまった。
そんな歴史と信仰が息づく一方で、この地は“ちょっぴり怖いスポット”としても名を馳せている。
茶々子の墓の心霊現象
茶々子の墓の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 車の不調が起きる
- 存在しない足音が聞こえる
- ガラスに無数の手形が現れる
である。以下、これらの怪異について記述する。
この場所で報告されている最も有名な現象のひとつが「女性の霊」の出現である。
人気のない夜の墓地で、ふと振り返ると、祠の奥に白い人影が立っていたという証言が複数存在する。
その姿は輪郭がぼんやりとしており、近づくとふっと消えるのが常であるという。
また、この場所に車で向かった者の中には、帰り際に「車の調子が急に悪くなった」と語る者が後を絶たない。
エンジンがかからなくなる、電気系統が一時的に不調になる、そして走行中にもかかわらず、まるで“誰かにノックされているような音”が車体から響いてくるという異常が起こる。
更に不可解なのは、「存在しない足音」の現象である。
夏の真夜中、枯れ葉一枚落ちていないにもかかわらず、「ザザザッ、ザザザッ」という落ち葉を踏みしめるような足音が、祠の周囲を巡るように聞こえてくる。
しかもそれは1人分ではない、まるで複数の何者かが取り囲んでいるかのような気配を伴うという。
そして極めつけは、車のガラスに現れる“無数の手形”である。
肝試しの帰り道、慌てて車に逃げ帰った若者たちが、背後のガラス窓を振り返った瞬間、そこには人間の手とは思えない、不気味な無数の「手」がびっしりと張り付いていたという。
茶々子の墓の心霊体験談
ある若者グループが、深夜にお酒の勢いで茶々子の墓に肝試しに向かったという。
その中の1人は霊感が強く、墓の雰囲気を感じ取り、駐車場に残ることを選んだ。
残るメンバーは祠へと足を進めたが、そこは真夏とは思えぬほどの冷気に包まれていたという。
何事もなく引き返そうとしたその時、突然「ザザザッ」と足音が聞こえ始め、彼らを取り囲むように複数の音が迫ってきた。
不審に思いながらも急いで車へと戻るが、エンジンがかからない。
焦る一同の背後から「ドン」という鈍い衝撃音が響き、振り向くと、そこには“無数の手”が車の後部ガラスに張り付いていたという。
恐怖に駆られた叫び声が響いた瞬間、奇跡的にエンジンがかかり、彼らは一目散にその場から逃げ去ったのだという。
茶々子の墓の心霊考察
この地における心霊現象は、ただの偶然や心理的な恐怖だけでは説明しきれない要素がある。
まず、歴史的に祀られてきた人物である「茶々子姫」が、平家の残党や土地の霊的因縁と何らかの形で結びついている可能性が考えられる。
供養の場であると同時に、怨念や未練の残る霊魂が引き寄せられる「場」としての力を持っているとも考えられる。
また、目撃される霊が女性の姿であること、無数の「手」が現れるという現象が重なることから、“何かを訴えかける存在”の強い意志が感じられる。
これは、供養が十分に行き届いていないことへの怒り、あるいは祠が形式的に守られることに対する無念の表れなのかもしれない。
さらに、機械類の不調や空間の異常な冷気、不可解な音など、物理的な変調を伴うこれらの現象は、単なる恐怖の産物ではなく、「この地に近づくべきではない」という警告であるとも受け取れる。
茶々子の墓は、敬意と慎重さを持って訪れるべき場所である。
そして、冥福を祈る心がなければ、その場に秘められた何かが、静かに、しかし確かに、訪問者に牙を剥くのかもしれない。
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