熊本県水俣市の海沿いに広がる美しい公園「エコパーク水俣」。かつて水俣病で知られたこの地に整備された再生の象徴とも言える場所だが、その一方で、数々の不可解な心霊現象が語り継がれている。今回は、エコパーク水俣にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
エコパーク水俣とは?

熊本県水俣市の海沿いに広がる「エコパーク水俣」は、約41.4ヘクタールにも及ぶ巨大な敷地を持つ総合公園である。
園内には、遊具広場やバラ園、日本庭園、竹林園、スポーツ施設、さらには水俣病資料館や物産館、レストランも併設されており、観光客から地元住民まで幅広い層に親しまれている。
海に面した西側には「恋人の聖地」として知られるハート型のモニュメントがあり、「恋路島」を望むスポットとして、特に夕暮れのマジックアワーにはロマンティックな風景が広がる。
しかし、その美しい景観の裏には、決して語られぬ闇が潜んでいる。
このエコパーク水俣は、かつて深刻な公害問題で全国に知られるようになった「水俣病」の舞台である水俣湾を埋め立てて整備された場所でもある。
穢れた海の上に造られたこの公園には、未だ成仏できぬ魂が彷徨っているという。
エコパーク水俣の心霊現象
エコパーク水俣の心霊現象は、
- ずぶ濡れの女性の霊が岸壁をよじ登る姿が目撃される
- 公衆トイレすべてで首吊り自殺があったというウワサ
- 夜な夜な亡霊の姿が目撃されている
- 岸壁からの飛び込み自殺が多発している
- 心霊の出没が頻繁に報告されている「車の中」
- 夜釣り中に謎の気配や視線を感じる
- 釣れる魚がなぜか「怒りっぽいクサフグ」ばかりである
である。以下、これらの怪異について記述する。
ずぶ濡れの女性の霊
夜釣りをしていた男性が、海面に何かの気配を感じたという。
不意に水面から白い手が岸壁に伸び、ずぶ濡れの女性が這い上がってきた。
彼女は髪から滴る水を撒き散らしながら、無言で草むらの中へと消えていった。
明かりを向けても影も残らず、男はそのまま道具を投げ捨てて逃げたという。
この話は複数の夜釣り客が口にしており、偶然とは思えない。
全ての公衆トイレでの首吊り
エコパーク水俣内にある7ヵ所の公衆トイレ。
いずれの場所にも、かつて首を吊って命を絶った者がいたというウワサがある。
中でも最も古いトイレでは、深夜にひとりで入った女性が「個室の中から、吊られて揺れる人影を見た」と語っている。
トイレから逃げ出そうとしたが、ドアが開かなくなり、やっとのことで脱出した際には、背中に無数の手形がついていたという。
岸壁からの自殺と亡霊の出没
埋め立て地であるがゆえに、かつての水俣湾に飛び込んで自ら命を絶つ者も多かったという。
岸壁の一角には、今も花束が絶えず供えられており、夜になるとその場所で、海を見つめる後ろ姿が現れるという証言もある。
車の中での怪異
カップルで夜景を見に来た男女が、エンジンを切った車内で急に温度が下がるのを感じた。
その直後、フロントガラスに無数の手形が浮かび上がり、助手席の窓に女の顔が現れたという。
ドアはロックされ、エンジンもかからなくなり、数分後にようやく解放された。
霊は、車という密室を好んで現れるようだ。
異様な魚と異常な自然
エコパーク水俣ではなぜか釣れる魚がクサフグばかりである。
しかもこのフグが、人の気配に敏感で、針にかかった途端に激しく暴れ出す。
まるで何かを訴えるように。ある釣り人は「フグの目が、まるで人間のように怒っていた」と語る。
さらに、公園内での食事は難しく、カラスが頻繁に襲いかかってくるという。
エコパーク水俣の心霊体験談
ある男性が夜釣りをしていた際、突然背後から「寒くないですか?」と声をかけられた。
驚いて振り返ると、誰もいなかった。しばらくすると、足元が濡れていることに気づいた。
自身は海に落ちてもいないし、水たまりもなかった。
気味が悪くなって片付けを始めたところ、遠くから女性のすすり泣きが聞こえ、岸壁の向こうに白い影が立っていたという。
エコパーク水俣の心霊考察
この地が心霊の温床となっている背景には、まず「水俣病」という日本の公害史に残る悲劇がある。
多くの命と希望がこの海で失われ、その記憶が土台に残ったまま「癒しの公園」が造られた。
だが、人の営みだけでは浄化できない何かが、ここには今も漂っているのではないか。
全トイレでの首吊りという事実が真実であれば、それはもはや呪われた土地といっても過言ではない。
また、ずぶ濡れの女性の霊や、自殺者の亡霊が姿を見せるのも、未浄化の水と土地の記憶が呼び寄せた「声なき叫び」なのかもしれない。
美しい景色に包まれたエコパーク水俣。しかし、その静けさの奥には、決して触れてはならぬ「何か」が眠っている。
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