円護寺隧道のウワサの心霊話

鳥取市にある円護寺隧道は、かつて幾度となく落城を繰り返した鳥取城跡の山中に造られた古いトンネルである。だが、戦国の血に染まりし山に穿たれた古隧道に、数多の霊が彷徨うという話がある。今回は、円護寺隧道にまつわるウワサの心霊話を紹介する。


円護寺隧道とは?

円護寺隧道の外観

円護寺隧道(えんごじずいどう)は、鳥取県鳥取市、久松山の鞍部を貫通するトンネルである。

正式名称は「鳥取市道湯所覚寺線」に属し、延長120メートル、幅員6.2メートル。

1964年に竣工されたこの隧道は、昼間でさえ薄暗く、歩道もなく急傾斜に囲まれたその形状から、不気味な印象を与える。

だが、この隧道が“ただのトンネル”でない理由は、歴史にある。

隧道の通る久松山はかつて鳥取城、別名・久松山城のあった地であり、戦国時代には織田信長の命を受けた羽柴秀吉による苛烈な兵糧攻めによって落城。確認されているだけでも6度の落城があり、戦で命を落とした多くの無念が山に染み込んでいると言われている。

さらに隧道の周辺には、円護寺墓地や最勝院墓地といった古くからの墓所が点在しており、肝試しの名所として知られるようになったのも、ある意味必然であったのかもしれない。


円護寺隧道の心霊現象

円護寺隧道の心霊現象は、

  • 赤いワンピースを着た女性の霊
  • 兵士の霊
  • 老婆の霊
  • 男性の霊の出現

である。以下、これらの怪異について記述する。

まず最も多く報告されているのが、「赤いワンピースの女の霊」である。

ある深夜、車で隧道を通り抜けようとした若者たちが、隧道の中央付近で赤いワンピース姿の女性がじっと立ち尽くしているのを目撃。

直後、ライトの中からその姿がふっと消え、後部座席から「誰かが笑ったような声」が聞こえたという証言がある。

また、軍服のようなものを着た「兵士の霊」も度々現れる。

戦国時代、この地で餓死した兵たちの無念が、今も姿を変えずに残っているのか、うつむき歩く兵士の姿を夜な夜な見たという報告が後を絶たない。

「老婆の霊」は、隧道の出入り口付近に現れるという。深夜に歩いて通ると、後ろから足音がついてくるにも関わらず、振り返っても誰もいない。

だが、数歩歩くと再びカツ…カツ…と続く。

やがて出口付近で、口元を歪めて笑う老婆の顔が突然目の前に現れ、気絶したという話もある。

そして最後に、「男性の霊」の出現である。

これは、車の後部座席や助手席にふと現れるケースが多い。助手席に誰もいないはずが、ふと横を見ると白い顔の男がこちらをじっと見ている。

慌てて視線をそらし再び見直すと、影も形もなくなっている。

だが、車のガラスには「手形だけ」が残っていたという――。


円護寺隧道の心霊体験談

ある女性は、夜中に友人と肝試しに訪れ、隧道を徒歩で抜けようとした。

中ほどに差し掛かったとき、前方に赤い服の女が立っていたという。

懐中電灯を向けた瞬間、その女の顔がぐにゃりと崩れ、眼球だけが光っていた。

悲鳴を上げて逃げ出すと、友人の一人が急に動かなくなり、白目を剥いて何かを呟き始めた。

後にその友人は「女が中に入ってきた」とだけ語ったという。


円護寺隧道の心霊考察

円護寺隧道に現れる霊たちは、明らかに“この地”に深く根を下ろしている。

久松山における6度の落城と戦の犠牲、無数の墓地の存在、そして隧道という閉ざされた空間。

霊たちが現れるにはあまりに条件が揃いすぎている。

とりわけ、戦で命を落とした兵士の怨念は、飢えと恐怖の中で命を絶たれた者たちの強烈な無念が結晶化したものであろう。赤いワンピースの女や老婆の霊は、もしかするとこの地に取り込まれ、いつしか“現世に戻れぬ魂”となった存在かもしれない。

円護寺隧道は、単なる心霊スポットではない。歴史に塗れた血と死が積み重なり、今なお「何か」が蠢く場所なのだ。


円護寺隧道の地図

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心霊考察 編集部では、全国各地に点在する心霊スポットや怪異、ホラー作品を題材に、体験談や噂、地域に残る語りをもとに記録・考察を行っている。

私たちが扱うのは、出来事の真偽や幽霊の存在を断定することではない。「どのように語られてきたのか」「なぜその場所や出来事が心霊として認識されてきたのか」という視点から、人の認識や記憶、土地の歴史、出来事が結びつく構造を整理している。

近年は「心霊現象の考察」シリーズを中心に、
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