福岡市・天神の中央公園にひっそりと佇む「福岡藩刑場跡」。かつて罪人が処刑され、名僧・空誉上人が無実の罪で非業の最期を遂げたこの地では、今なお不可解な現象がささやかれている。今回は、福岡藩刑場跡にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
福岡藩刑場跡とは?

福岡藩刑場跡は、現在の福岡市中央区、天神中央公園の南端に位置している。
江戸時代、ここは竪町浜刑場と呼ばれ、政治犯や内通者とされた者の処刑場として使われていたとされている。
この場所にまつわる最も有名な人物は、空誉上人である。
彼は播州明石出身の名僧で、仏道・儒学・武術にも通じ、福岡藩の初代藩主・黒田長政が深く帰依したと伝えられている。
しかし、徳川家と黒田家の間で抗争が激化した際、空誉上人は内通者と疑われ、証拠がないまま残忍な方法で処刑された。
そして遺体は埋葬も許されず、怨念を残したままこの地に放置されたといわれている。
その後、処刑場の上に建てられた旧福岡県庁舎で心霊現象が多発したため、昭和三年、当時の県知事・大塚惟精はこの地の歴史を調査し、空誉上人を供養するために祠を建立した。
それ以来、代々の県知事たちもこの祠に対して異様なまでの配慮をしていたという。
福岡藩刑場跡の心霊現象
福岡藩刑場跡の心霊現象は、
- 僧侶と思しき男性の霊が現れる
- 石碑周辺で心霊写真が撮影される
- 頭痛や吐き気などの霊障が起こる
- 深夜になると異様な空気に包まれる
である。以下、これらの怪異について記述する。
空誉上人の処刑後、彼の霊と思われる僧侶の姿が昭和初期の旧県庁舎内に現れるという報告が相次いだ。
深夜、廊下の奥に人影が立っている、寝室に誰もいないはずの人物が立っていたという証言が残されている。
また、現在の天神中央公園内にある石碑の周辺では、心霊写真が撮れるという話が絶えない。
特に霊感が強い者が近づくと、頭痛、吐き気、急な体調不良などの霊障に襲われることがあるという。
土地の因縁は今なお強く、当時の知事公社や福岡県警本部、そして県庁などは、福岡城の堀を埋めて造成された土地の上に建っており、「水辺の霊場」という心霊的な条件が重なっているとも考えられている。
福岡藩刑場跡の心霊体験談
この地を頻繁に通っていたある人物は、毎回、妙な空気と軽い頭痛に悩まされていたという。
ある日、その感覚について知人に話したところ、そこが昔、処刑場だったと知らされ戦慄したそうである。
また、その知人の家では度々、不可解な心霊写真が撮れるとも話しており、この場所に染みついた霊的な影響の強さを裏付ける内容である。
福岡藩刑場跡の心霊考察
福岡藩刑場跡に現れる霊は、単なる残留思念ではなく、空誉上人という実在の人物の無念が強く影響していると考えられる。
内通者という濡れ衣を着せられ、無慈悲に処刑された上、埋葬も許されずに放置されたその怨念は、今もなお土地に根付き続けているのであろう。
また、霊が出るとされる昭和初期の時代背景や、供養のために建てられた祠に対して県知事たちが慎重に対応してきた事実も、行政レベルで「何かがあった」ことを暗に物語っている。
現在では天神の華やかな公園の一角に過ぎないが、夜間に足を踏み入れると、空気の重さや視線を感じるといった報告は後を絶たない。
あまりにも無念の死を遂げた者の霊は、簡単には眠らないのかもしれない。
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