鹿児島県・桜島に位置する「ふるさと観光ホテル」と「桜島シーサイドホテル」。観光地として知られたこの二つのホテルには、ある事件をきっかけに奇妙な噂がささやかれるようになった。今回は、ふるさと観光ホテル・桜島シーサイドホテルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ふるさと観光ホテル・桜島シーサイドホテルとは?

桜島ふるさと観光ホテルは、鹿児島市古里町にかつて存在した温泉宿泊施設である。
1935年(昭和10年)に創業し、桜島観光の拠点として長年にわたり賑わいを見せてきた。
目の前に広がる錦江湾、そして龍神が住むと伝えられる海辺の露天風呂は、多くの旅行者を魅了した。
しかし、2012年、度重なる降灰による影響や観光客減少を受けて閉業。以降は廃墟となり、外部からの不法侵入やゴミの不法投棄などで荒れ果てた状態が続いていた。
一方、隣接する桜島シーサイドホテルは1972年創業の宿泊施設で、現在も営業を続けている。
国道224号線、通称「溶岩道路」沿いにあり、アクセスの良さから観光客も多い。
だが、そんな二つのホテルに、ある悲惨な事件が起きてからというもの、不気味な現象がささやかれるようになった。
ふるさと観光ホテル・桜島シーサイドホテルの心霊現象
ふるさと観光ホテル・桜島シーサイドホテルの心霊現象は、
- 少年の霊が現れる
- 誰もいないのに泣き叫ぶ子どもの声がする
- 空室のはずの部屋から人の気配がする
- 廊下を徘徊する影が目撃される
である。以下、これらの怪異について記述する。
2021年2月、桜島シーサイドホテルの一室で、世間を震撼させる事件が発生した。
一人の男性が幼い我が子ふたりを絞殺し、自身もその部屋のベランダから飛び降りたのである。
男は奇跡的に命を取り留めたが、部屋には「3人で死にたかった」「葬儀をしてほしい」と記された遺書が残されていた。
この男は事件の直前に離婚し、シングルファザーとして二人の子どもを育てていたが、育児に行き詰まり、虐待の報告も度々あったという。
そして、後日彼の実家では、さらにもう一人の養子が死亡しているのが発見される。
この連続的な死と重苦しい背景は、ホテルに異変をもたらした。
事件以降、桜島シーサイドホテルの4階廊下で、夜な夜な子どもの泣き声が響くようになったと利用者の間で噂される。
特に事件のあった部屋に近づいた者の中には、「誰もいないのに視線を感じた」「部屋の前で小さな影が立っていた」と証言する者もいる。
さらに廃墟となったふるさと観光ホテルでは、少年の霊らしき存在が廊下を走る姿や、窓際にじっと佇む影が何度も目撃されているという。
不気味なのは、それがいつも決まって“夕方以降”に現れるという点だ。日が沈み、闇が建物を覆い始めた頃、何かが“動き出す”と感じる者が後を絶たない。
ふるさと観光ホテル・桜島シーサイドホテルの心霊体験談
ある男性は、桜島シーサイドホテルの4階に宿泊した際、深夜に目が覚め、誰もいないはずの廊下から足音を聞いたという。
やがてその足音は部屋の前で止まり、ノックのような音が数回続いた。
だが、ドアを開けてもそこには誰もおらず、部屋の空気は異様なほど冷えていたという。
また別の宿泊者は、浴場から戻る途中、4階の窓の外に“子どものような手”が張り付いているのを見た。
もちろんその高さは、人間が外から立って手を伸ばせるような場所ではなかった。
ふるさと観光ホテル・桜島シーサイドホテルの心霊考察
この一連の心霊現象は、単なる偶然や恐怖心の産物で片付けられるだろうか。
事件によって命を絶たれた子どもたちの怨念が、その場に“残ってしまった”と考えるのが自然である。
ましてや彼らの死は、愛情を求めるべき最も近しい存在によってもたらされたものであり、その悲しみと絶望は想像を絶する。
ふるさと観光ホテルという朽ち果てた建物は、霊的存在が留まりやすい「場」となってしまったのかもしれない。
すでに廃墟であるこのホテルに、時折現れる少年の霊は、無念の象徴として人々に警告を発しているのではないか。
そして桜島シーサイドホテル。営業を続ける現在も、その4階の一角には異変を感じる者が後を絶たない。
人は何かを感じ取る力を持っている。声なき声に耳を傾けたとき、そこに確かに「何かがいる」と感じたなら、それは想像ではない。
冗談半分で立ち入るべき場所ではない。
そこには、今なお“終わっていない出来事”が、確かに存在しているのだから。
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