鹿児島県鹿屋市にある郷之原トンネルは、地元で語り継がれる心霊スポットとして知られている。特に深夜2時30分、公衆電話ボックスに現れる少女の霊が有名で、その姿を目撃した者は後を絶たない。今回は、郷之原トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
郷之原トンネルとは?

郷之原トンネルは、鹿児島県鹿屋市を通る国道220号線バイパスに位置する全長660メートルのトンネルである。
1992年に竣工されたこのトンネルは、鹿屋市街地の混雑を避けるため、火山灰台地を貫く形で建設された。
地理的には、垂水方面から志布志方面へと向かう途中、鹿屋市街への入口に当たる場所に位置しており、周囲には畑が広がる静かな環境である。
だが、この静けさの裏に、得体の知れない“何か”が潜んでいると、地元では古くからささやかれてきた。
郷之原トンネルの心霊現象
郷之原トンネルの心霊現象は、
- 深夜2時30分、公衆電話ボックスに佇む少女の霊
- 通過中、トンネル内で突然車のエンジンが停止する
- 背後から聞こえる子どもの笑い声
- トンネルを抜けた直後、助手席に誰かが座っている感覚に襲われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も有名な心霊現象は、トンネル手前、左側に設置された古びた公衆電話ボックスにまつわるものである。
深夜2時30分――その時間に通りかかると、ボックス内に小学生くらいの女の子がぽつんと立ち尽くしている姿が、たびたび目撃されている。
この少女は、何かを待っているようにも、誰かに訴えかけているようにも見えるという。
だが、不思議なことに、車を停めて確認しようとすると、その姿は跡形もなく消えてしまうのだ。
また、トンネル内部に入ると、急に車のライトがちらついたり、エンジンが止まったりする不可解な現象が発生することがある。
しかも、異常はトンネルを出た瞬間に何事もなかったかのように回復するという。
さらに、トンネルを走行中、背後から子どもの笑い声が聞こえるという証言も複数ある。
だが、当然ながら車内には自分一人しかいない。
そして最も恐ろしいのは、トンネルを抜けた瞬間、ふと助手席に視線をやると、そこに“誰か”が座っているような、重い気配を感じることである。
振り返っても、誰もいないはずなのに、確かに感じる「存在」。その異様な体験をした者の多くが、二度とこの道を夜に通らなくなったという。
郷之原トンネルの心霊体験談
「郷之原トンネルを深夜に通ったときのことだ。時刻はまさに2時半。何気なく左手を見ると、公衆電話ボックスの中に白いワンピースを着た少女が立っていた。髪は肩くらい、顔ははっきり見えなかった。ただ、その場に“存在していた”としか言いようがない。鳥肌が立ち、アクセルを踏み込んでその場を離れた。その数日後、知人にその話をしたところ、『それ、見た人みんな、しばらく何かに取り憑かれたようになるらしい』と言われた。確かに、あの日以来、ずっと背中が重い感じがしている。」
郷之原トンネルの心霊考察
このトンネルにまつわる少女の霊の正体については、ある悲劇的な事件が深く関係しているとされている。
2000年代初頭、トンネル付近で無理心中事件が発生した。
鹿屋市のある家族が忽然と姿を消し、後に小学校4年生の女児が陸橋下の林で遺体となって発見された。
父親はその数キロ離れた公園で自殺未遂の末に保護され、「首を絞めて殺した。無理心中を図った」と供述している。
少女の名前は「ともみちゃん」。目撃されている少女の姿と一致する特徴が数多く指摘されている。
白い服、細身の体型、何かを訴えるような眼差し――。
この少女の魂が今もなお成仏できず、郷之原トンネル周辺を彷徨っているのではないかと推測されている。
特に、公衆電話ボックスに現れる理由としては、「最後に誰かに助けを求めたかった」「話したかった誰かがいた」といった怨念の名残ではないかと考えられる。
郷之原トンネルは、ただの交通インフラではない。そこには、無念の想いを抱えた霊たちが、今も静かに息を潜めているのである。
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