福岡市西区の今津干潟に、海中に沈んだ無数の墓石が存在するという異様な光景が広がっている。古い墓石が護岸工事に使われたとされるが、その背景には「墓を見た者には祟りがある」という古くからの不気味な噂がつきまとってきた。今回は、今津干潟の墓石群にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
今津干潟の墓石群とは?

福岡市西区今津に広がる干潟――「今津干潟」は、カブトガニやクロツラヘラサギといった希少な生物が生息する、自然豊かな場所として知られている。
しかしその一方で、干潮時に姿を現す異様な光景が、多くの人々の背筋を凍らせてきた。
それは、護岸の自然石に混ざるようにして横たわる、無数の古びた墓石群である。
中には「明治」「昭和」どころか、「宝暦」「明和」といった江戸期の年号まで確認されており、墓石の表面には戒名や「夫婦墓」の文字も刻まれている。
この墓石群は、もともと福岡県糸島市芥屋地区にあったものだ。
1964年ごろに同地で墓地整理が行われ、納骨堂の建設にともない不要となった墓石を、今津干潟の護岸工事に転用したという。
供養は済ませていたとはいえ、墓石を埋め立て工事の材料とするという発想そのものが、多くの人々に不安と不信を与えてきた。
今津干潟の墓石群の心霊現象
今津干潟の墓石群の心霊現象は、
- 墓石の近くで誰もいないはずの場所から声が聞こえる
- 墓石を見た者が体調不良や不運に見舞われるという祟りのウワサ
- 地元で昔から囁かれていた「今津の海には墓が沈んでいる」との不気味な伝承
- 実際にテレビ番組の関係者が霊障に遭ったという記録
である。以下、これらの怪異について記述する。
今津干潟に沈む墓石の存在は、長らく地元でも知られていなかった。
人々の記憶の彼方に埋もれかけていた「海に沈んだ墓のウワサ」が再燃したのは、2018年10月のこと。
瑞梅寺川の河口付近を訪れた野鳥観察者が、海中に大量の墓石が沈んでいるのを発見し、警察に通報したことで事態は一変した。
墓石の存在はすぐさま話題となり、福岡県によって調査が実施された。
その結果、これらの墓石は護岸工事のために再利用されたものであり、「魂抜き」は済んでいるという行政の説明がなされた。
だが、この説明が人々の恐怖を拭い去ることはなかった。
墓石の上で休むカブトガニ、生き物たちが墓石の合間を這いまわる様子は、どこかこの世ならぬ異界の気配を感じさせる。
そしてなにより恐ろしいのは、霊感のある者がこの地に近づくと、突然耳鳴りや吐き気に襲われるという話や、意味もなく電子機器が故障するという報告が後を絶たない点である。
2019年12月には、テレビ番組『やりすぎ都市伝説』でこの墓石群が取り上げられ、撮影に関わったディレクターが霊障を受けたとも報じられている。
彼は撮影後に体調を崩し、しばらく仕事ができない状態に陥ったという。
今津干潟の墓石群の心霊体験談
実際に今津干潟周辺を日常的に通っていた人物の証言によれば、「特段違和感は感じなかった」としながらも、今津よりも東側のエリアで、運転中に気分が悪くなり、オーディオの音が飛ぶという奇妙な現象が繰り返し起きたと語る。
この証言からは、霊的現象の影響が、干潟周辺にまで及んでいる可能性を感じさせる。
カメラに映り込む不可解な影、突如として故障する機材、そして霊に憑依されるという報告もあるという。
体質によっては感知しやすい者もいるようで、興味本位で近づくことの危険性を強く示唆している。
「冷やかしで行くなんて、言語道断」――そう語るこの人物の言葉には、単なる都市伝説を超えた、リアルな恐怖がにじんでいる。
今津干潟の墓石群の心霊考察
今津干潟に沈む墓石群――その存在は、単なる風景の一部として片付けられるべきものではない。
行政の説明によれば、「供養は済んでいる」とのことであるが、果たして魂が安らかに眠っていると断言できるのだろうか。
元は個人の尊厳を象徴するはずだった墓石が、土木資材として扱われ、やがて干潮時に晒されるという状況は、まさに霊を冒涜する行為ととらえる者もいる。
しかもその墓石が、知らぬ間に人々の視界に現れ、霊的な影響を及ぼすとなれば、それはもう単なる風説では片付けられない。
墓とは、本来「静かに眠る場」である。
しかし今津干潟の墓石群は、潮が引くたびにこの世に姿を現し、誰かに「見つけられる」のを待っているかのようである。
そして、見てしまった者には、何かしらの“代償”が降りかかるというのだ。
目に見えない存在の怒り。
長年、海の底でひっそりと息を潜めていた無数の霊たちが、いま静かに、しかし確実に、人々の世界へと手を伸ばし始めているのかもしれない。
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