広島県福山市の県道251号線グリーンライン沿いに佇む廃墟、ホテル白雲。かつてレストランと一体で運営されていたこの謎多き建物には、女性の霊や不可解な声が現れるといった数々の怪異が語り継がれている。今回は、ホテル白雲にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ホテル白雲とは?

ホテル白雲は広島県福山市の県道251号線、通称グリーンライン沿いに佇む廃墟である。
かつて「展望レストランメルシイ」と一体の施設であったとされ、表向きはホテルの名を冠しながらも、その実態は不明な点が多い。
1960年代初頭から同地に建物が存在した記録があるが、いつから営業を開始し、いつ終わったのかすら定かではない。
住宅地図をたどると、1980年代にはすでに「ホテル白雲」「レストランメルシィ」の名が並んで記載され、2000年代初頭には「1階がホテル、2階がレストラン」という表記まで見られるという。
だが2009年にはホテル名は消え、レストランだけが地図に残り、その後2017年ごろを境にレストランも営業を終えたらしい。
今はただ、朽ち果てた看板だけが「ホテル白雲」「鞆浦地魚活料理ほんまもん」などの文字を残し、道行く者を不気味に迎えている。
ホテル白雲の心霊現象
ホテル白雲の心霊現象は、
- 建物内や周辺で、女の霊が佇む姿が目撃される
- 夜になると、人気のない廃墟から人の声が聞こえる
- 過去に従業員が謎の死を遂げたとの噂があり、供養が十分でなかったため彷徨っているという話
- 近隣で死体遺棄事件が発覚した過去があり、それ以来、周囲で怪異が続発している
である。以下、これらの怪異について記述する。
最も有名なのは、女性の霊の目撃談である。
グリーンラインを車で走っていると、崖際に立つ女の姿がヘッドライトに照らし出される。
視線を戻すと、すでに姿はない。夜中に建物の近くを歩いていると、廃墟の奥から微かに「いらっしゃいませ」と聞き取れるかすれ声が響くことがあるという。
従業員が謎の死を遂げたという話は古くから語られ、遺族が供養を拒み、それが災いとなって未練を残した霊が今もホテル内を彷徨っているという。
さらに、ホテル付近で遺体が発見された事件が過去にあり、その場所以来、夜中になると林の奥から視線を感じる、背後から足音が追ってくるなどの奇妙な体験が絶えない。
ホテル白雲の心霊体験談
実際にホテル白雲を訪れた人物の話によると、夜中に懐中電灯を手に廃墟を歩いていたところ、2階へ向かう階段の上に白い服の女が立っていたという。
光を当てると女の顔は真っ黒で、目鼻立ちが一切見えなかった。驚いて後ずさると、いつの間にか女は階段から消えており、その代わり冷たい風が頬を撫でた。
帰宅後もしばらくは、夜中になると家の廊下から足音が聞こえたと語っている。
ホテル白雲の心霊考察
ホテル白雲には、営業当時から様々な闇が隠されていたのかもしれない。
ホテルかレストランかも曖昧な経営形態、急逝した従業員、近隣での遺棄事件——いずれも霊的現象を引き寄せる要素である。
加えて、長く放置された廃墟は霊的なものが集まりやすいとも言われており、この地には未だ供養されぬまま彷徨う存在がいるのではないか。
夜のグリーンラインを通る際には、決してホテル白雲を軽い気持ちで見上げてはならない。
そこには誰かが、今も窓辺からこちらをじっと見下ろしているかもしれないのだから。
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