十三の住宅街に取り残された廃ラブホテル「ホテル・ロマン」は、今では蔦に完全に覆われ、外観すら判別できない異様な姿をさらしている。建物周辺では気配や視線を感じるという噂があり、訪れる者に独特の不気味さを与える場所である。今回は、ホテル・ロマン(十三)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
ホテル・ロマン(十三)とは?
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ホテル・ロマン(十三)は、大阪市淀川区十三の住宅街とラブホテル街の境界にひっそりと佇む廃ホテルである。
閉業時期は明確ではないが、1997年までは電話帳に掲載されていた記録が残り、1998年前後に閉業したとみられる。
その後、長らく放置されたまま年月を重ね、2010年代には既に廃墟と化していたことが確認されている。
現在の外観は特徴的である。建物全体が蔦に飲み込まれ、壁面どころか形状すら判別が困難なほどに覆われている。
隣接する建物と比較すると3階建て程度と思われるが、蔦の層が厚すぎて、階数も正確に把握できない異様な姿となっている。
入口はベニヤ板で厳重に封鎖され、落下物注意の貼り紙、カラーコーン、そして警察のパトロールカードが複数貼られており、人の侵入を固く拒んでいるのが外からでも分かる。
近年は、蔦がさらに繁茂し、隣接する閉業ホテル「ルビー」まで侵食し始めている。
建物にまとわりついた蔦と根が地面を割るほど成長し、周辺は人の手が届かない“植物による侵略地帯”と化している。
人が出入りできないはずの場所であるにもかかわらず、どこか生活感の残滓のような気配が漂うことが指摘されている。
ホテル・ロマン(十三)の心霊現象
ホテル・ロマン(十三)の心霊現象は、
- 建物周辺で突然「気配」が濃くなる瞬間がある
- 蔦の隙間から“誰かが覗いているような視線”を感じる
- 風がないのに草木が揺れ、足音のように聞こえる
- 夜間に近づくと、内部からわずかな物音がすることがある
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず最も多く語られるのは、建物の前に立ったときに突然空気の密度が変わる感覚である。
周辺は普通の住宅街であり、人通りもあるにもかかわらず、ホテル・ロマンの前だけ“湿った冷気”のようなものが滞留しているといわれている。
まるで、蔦の奥に閉じ込められた何かが外の空気を拒んでいるような不自然な冷たさである。
蔦の隙間から“視線”を感じるという証言も多い。
窓は完全に塞がれ、破れたガラスすら外から確認できない状態であるにもかかわらず、内部の暗がりから誰かがこちらを見ているような圧を感じるという。
視界の端で動いたように見えても、正面から見ればただの蔦の塊である。
しかし、引き返した後も背中に刺さるような違和感が消えないという声が複数ある。
また、風のない日でも蔦が“サワ…サワ…”と揺れる音がする。
この揺れ方が奇妙であり、まるで人が歩くリズムのように、左右へと規則的に揺れるとされる。
植物が風以外の要因で動く理由は無いが、この建物ではそれが日常的に起こると語られている。
夜間になると、封鎖された内部から“コト…コッ…”という木材が軋む音や、物が床を引きずるような音が聞こえるという。
完全に封鎖され、誰も入れないはずの建物であるにもかかわらず、だれかが動き続けているような音が響く点が、さらに不気味さを増している。
ホテル・ロマン(十三)の心霊体験談
ある訪問者は、日中にホテル・ロマンの前を通り過ぎた際、蔦の奥から“シッ”と何かが吸い込むような音を聞いたという。
振り返っても当然誰もおらず、蔦が擦れる音でもなかったと証言している。
その後、歩き去る間ずっと背中のあたりだけ冷たく、まるで見えない者が付いてきているような感覚が続いたという。
また、別の人物は、夜に近くを通ったとき、建物内部から小さく“トン…トン…”と一定のリズムで叩く音が聞こえたと話す。
遠くの工事音のように聞こえたため気にせず歩き続けたが、帰宅後スマートフォンのログを確認すると、その時間帯に周辺で工事は行われていなかったという。
封鎖された廃ホテルから響くには、あまりにも規則的な音であった点が不可解である。
ホテル・ロマン(十三)の心霊考察
ホテル・ロマン(十三)の不気味さは、“廃墟でありながら完全に密閉されている”点にある。
通常の廃ホテルは窓が割れ、内部が露出しているケースが多いが、ここは逆に蔦がすべてを覆い隠し、建物自体を外界から遮断している。
その状態が十数年以上続いているため、内部には長年空気が滞り、独特の圧迫感が形成されている可能性がある。
視線や気配に関しては、蔦が作る影や形状が人の姿を想起させることが原因の一つと言えるが、それだけでは説明がつかないほどの“背中を押すような圧”が報告されている点は興味深い。
閉業時期が曖昧であり、どのような事情で放置されたのか不明瞭であることも、こうした怪異の “背景の空白” を補強している。
夜間の物音については、建物の老朽化による自然音の可能性も十分ある。
しかし、封鎖された内部で規則的に響く音が複数人によって報告されており、それがいずれも「何かが歩くような間隔」である点は、単なる老朽化だけでは説明しにくい。
ホテル・ロマンは、典型的な“人が入れないのに、何かが動いているように感じる”タイプの廃墟であり、心霊現象というよりも、場所自体が強い“残留感”を放っているといえる。
廃墟としての歴史が長く、数十年誰も入れない状態で空間が閉じられているため、その内部に生じた気配が外へにじみ出している可能性が高い。

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