鹿児島県の山間を縫うように走る「指宿スカイライン」には、美しい展望とは裏腹に、数多くの怪異が囁かれている。老婆の霊や、謎の無人車、上半身だけの女、そして事故現場に現れる供養の人影――。今回は、指宿スカイラインにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
指宿スカイラインとは?

指宿スカイラインとは、鹿児島市から指宿市を結ぶ有料道路である。
正式には「鹿児島県道17号指宿鹿児島インター線」として指定されており、県民の間では「いぶスカ」と呼ばれることもある。
この道路は薩摩半島の尾根を縫うように走っており、錦江湾や桜島を一望できる展望スペースが点在している。
特に錫山展望台や須々原展望台、川辺展望台などは観光客やドライバーに人気であるが、一方で夜間には不気味な噂がささやかれている。
峠道ゆえに急カーブが多く、走り屋が集まり事故も多発している。
このような背景が、指宿スカイラインを心霊スポットたらしめている要因のひとつである。
指宿スカイラインの心霊現象
指宿スカイラインの心霊現象は、
- 老婆の霊が突然現れる
- 上半身だけの女性の霊が目撃される
- 無人のスカイラインGTRが夜道を走る
- 崖に向けてパッシングすると“何か”が現れる
- 黒い影のような行列が現れる
である。以下、これらの怪異について記述する。
老婆の霊が現れる
美しい絶景の中、まるでその静寂を嘲笑うかのように、老婆の霊が道端に立っていることがあるという。
濃霧の夜にその姿を見た者は多く、上半身しか確認できなかったとの証言もある。
視認しても、追い越す頃には姿が消えているのだ。
上半身の女性の霊
とある施設の近辺で、上半身だけの女性が複数の目撃者によって報告されている。
おそらくこの霊が指宿スカイラインに現れる霊の元となったのだろう。
30年前に集中して目撃され、話は尾ひれをつけて広まり、現在の怪談として定着したようだ。
無人のスカイラインGTR
夜間、濃霧の中を走っていると、前方に現れる赤いテールランプ。それが無人のシルバーのスカイラインGTRであるという。
この車を追っていくと、突然目の前にガードレールが現れ、追従していた車が転落しそうになったという体験談がいくつもある。
テールランプはそのまま宙を進み、闇に溶けていったというのだ。
展望台での異変
「崖に向けてパッシングすると何かが起こる」という噂がある。
詳細は定かではないが、ある展望台でパッシングをした直後に人影が現れたとの証言もある。
黒い影の行列
ある夕暮れ、道の脇に黒い影のような集団が見えたという。
先頭には僧侶らしき人物、その後ろには大勢の人々。
反対側には供えられた花々。
おそらく事故で亡くなった者たちの供養であったのだろうが、あまりに場違いな光景に見た者は背筋を凍らせたという。
指宿スカイラインの心霊体験談
「35年前の深夜、道端で足のない人物とすれ違った。最初は障害を持った人かと思ったが、こんな時間にここを歩く人がいるはずがない。幽霊かどうかは不明だが、異常だった。」
「20年前、毎晩指宿スカイラインを走っていたが、ある夜、目の前に見慣れないシルバーのR32スカイラインが現れ、次の瞬間、音もなく消えた。」
「友人たちと肝試しに行ったとき、何もなかったはずが、ある夕方、事故現場らしき場所で不気味な集団を見た。
一番前にはお坊さん、その後ろに静かに立つ人々。」
これらは全て、実際に指宿スカイラインを訪れた人々による証言である。
指宿スカイラインの心霊考察
指宿スカイラインに現れる霊現象の多くは、80年代から90年代にかけて相次いだ死亡事故と関連があると考えられる。
当時、この道は走り屋たちが集まり、事故が絶えなかった。
加えて一家心中や排ガス自殺など、異常な事件も発生していたという。
上半身だけの女性の霊や、テールランプだけが先行する無人車の噂も、その背景を考慮すれば、単なる都市伝説として片付けることはできない。
目撃者が複数存在する以上、何らかの「痕跡」がこの地に残っていると見るのが自然である。
夜間の無料時間帯に怪現象が集中するというのも、霊的存在が人の少ない時間を選んで姿を現していることを示唆している。
人知を超えた何かが、指宿スカイラインには潜んでいるのかもしれない。
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