広島市佐伯区にある地毛火葬場跡地──現在は城山中学校の下に広がる共同墓地と、その一角に佇む地蔵堂。かつて多くの遺体が焼かれ、墓が移されたこの地には、今もなお不可解な現象が絶えないという。今回は、地毛火葬場の地蔵堂にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
地毛火葬場の地蔵堂とは?

地毛火葬場の地蔵堂は、現在の広島市佐伯区に位置し、広島市立城山中学校の敷地近くに存在する。
かつてこの場所には「地毛(ぢげ)火葬場」があり、古い墓が数多く点在していたという。
その後、城山中学校の建設に伴い、敷地内にあった墓は共同墓地へとまとめられ、その中に地蔵堂が建立されたのである。
地蔵堂には赤い被せものを纏った七体の地蔵が並べられており、あたかも静かにこの地を見守っているかのような光景が広がる。
しかし、その穏やかな風景の裏には、不気味な出来事が数多く囁かれているのだ。
地毛火葬場の地蔵堂の心霊現象
地毛火葬場の地蔵堂の心霊現象は、
- 墓地跡を歩いていると、少女の霊が現れる
- 中学校の建設工事中、作業員が原因不明の病に倒れた
- 埋まっていた落ち武者の墓を杭打ちした作業員が大怪我を負った
- 夜中に七体の地蔵の位置が微かに変わっているのを目撃した者がいる
である。これらの噂はどれも薄気味悪く、人々の恐怖心をかき立ててやまない。
以下、これらの怪異について記述する。
地毛火葬場の跡地に設けられたこの共同墓地は、城山中学校が建設される際に移設された墓を集めた場所である。
墓が動かされたことにより、眠っていた霊たちが静寂を破られたのではないかとも囁かれている。
七体の地蔵は、赤い頭巾や前掛けを纏いながら並んでいる。
地蔵は本来、子どもの守護や供養のために祀られるものだが、夜にこの前を通ると、じっとこちらを見つめられているような錯覚に陥る者が後を絶たない。
中学校の建設工事では、墓の存在に気付かず杭を打ち込んだ作業員が、大怪我を負い血を流したという話がある。
また、その頃から工事関係者に原因不明の病が次々と襲い掛かり、現場は得体の知れない恐怖に包まれたという。
夜遅く、墓地の奥を歩くと少女のすすり泣く声が聞こえ、視界の端に白いワンピースを着た影が横切ることもあるらしい。
地毛火葬場の地蔵堂の心霊体験談
「自分はこの中学校の卒業生であるが、在学中から『ここは昔墓地だった』という話はよく耳にしていた。ある晩、同級生と肝試しのつもりで地蔵堂の前を通ったとき、地蔵の奥の闇からふっと白い顔が覗くのを確かに見た。慌ててその場を立ち去ったが、次の日、その同級生は高熱を出し、一週間以上寝込む羽目になった。あの夜、何を見てしまったのか、今でも思い出すと背筋が寒くなる。」
地毛火葬場の地蔵堂の心霊考察
この場所に纏わる心霊現象の数々は、墓地を強制的に移したことによる霊の怒りや悲しみが原因とも考えられる。
また、七体の地蔵が並ぶ姿は、人々に安堵を与えるためのもののはずが、逆にその数と無言の視線が異様な不気味さを醸し出しているという話がある。
さらに工事の際に墓を乱したことで、成仏できずに彷徨う霊が増えたのではないかとも言われている。
特に少女の霊の目撃談が多いのは、墓地に眠っていた子どもの霊が、自分の居場所を奪われた悲しみから現世を彷徨っているからなのかもしれない。
人の手で乱された静寂は、簡単には元に戻らない。
地毛火葬場の地蔵堂は、今なお霊たちがそこに在ることを無言のまま訴えかけてくる場所なのかもしれない。
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