大分県を走る日田街道沿いに、ひっそりと佇むひとつのお地蔵さんがある。深夜になると、この場所では「窓をノックされる」「人影が見える」などの怪現象が頻発するという。事故の慰霊として建てられたはずの地蔵が、なぜ心霊の噂を呼ぶ存在となったのか――今回は、日田街道のお地蔵さんにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
日田街道のお地蔵さんとは?

日田街道(国道387号線)は、車通りの多い幹線道路でありながら、場所によっては人通りが極端に少なくなることもある。
その一角に、ぽつんと佇むお地蔵さんが存在する。
このお地蔵さんは、約20年前に起きた悲惨な事故の後に設置されたものである。
事故の犠牲者は、近隣の会社に勤めていた20代の従業員だった。
仕事を終えた深夜、スピードの出しすぎによってカーブを曲がりきれず、道路脇のコンクリート壁に激突。その場で帰らぬ人となった。
彼の死を悼み、二度と同じような事故が起きないようにと、事故現場には地蔵が建てられた。
しかし、年月が経つにつれ、この地蔵を巡って“ある噂”が囁かれるようになった。
日田街道のお地蔵さんの心霊現象
日田街道のお地蔵さんの心霊現象は、
- 深夜に通過する車の窓が突然ノックされる
- 地蔵付近で正体不明の霊が目撃される
- 通過時に急に寒気が走る、不快な気配を感じる
- エンジンの不調や電気系統の乱れが起こる
である。以下、これらの怪異について記述する。
もっとも有名な現象は、「車の窓ノック」である。
これは実際に体験した者も多く、ある者はこう語っている。
「夜中に地蔵の前を車で通ったとき、助手席側の窓を“コツ、コツ”と二度ノックされた。隣には誰も乗っておらず、周囲にも人の気配はない。初めての体験だったが、とにかくゾッとした。」
また、心霊目撃談も後を絶たない。
夜間、地蔵の背後に立つ“人影”が見えたという証言や、ふと視界の端に「誰かが立っているように感じた」と語る者もいる。
さらに、エンジンの不調や車内機器の突然の停止も、この付近で多発しているという。
ある種の“見えない力”が、機械に影響を与えているのではないかという憶測もある。
地蔵の向かい側には焼き肉店や青果店が並ぶが、周囲に住宅が少なく開けた土地であるため、不自然な出来事は際立ちやすい。
しかも、こうした怪現象は昼間には起こらず、決まって深夜の時間帯に集中している。
日田街道のお地蔵さんの心霊体験談
地元住民や付近を通行するドライバーの間では、この地蔵の存在を「気味が悪い」と感じる者も多い。
とある男性は、次のような体験を語っている。
「僕が体験した話です。夜中の2時頃、地蔵の前を通過した瞬間、いきなり“コン、コン”と窓をノックされました。まったく人の気配はないのに……。心臓が凍るような思いでした。以来、夜にこの道を通るときは、毎回身構えてしまいます。」
これは決して一人の体験ではない。
他にも、「通りすがりに誰かに見られているような感覚」「後部座席に視線を感じる」といった証言がいくつも寄せられている。
日田街道のお地蔵さんの心霊考察
これらの現象は、単なる偶然や思い込みでは説明がつかない部分が多い。
事故で命を落とした若者の無念が、いまだその場にとどまっている可能性がある。
お地蔵さんは、本来であれば魂を鎮め、安らぎを与える存在であるはずだ。
しかし、この場所に限っては、供養の場であると同時に、何かを“警告する”場にもなっているのではないかと感じられる。
夜中に現れる霊、不意のノック音、不調をきたす車――これらは単なる怪奇現象ではなく、「同じような事故を繰り返さないでほしい」という、亡き者からのメッセージなのかもしれない。
日田街道を深夜に通行する者は、ぜひその存在に敬意を払い、慎重に通り過ぎることをおすすめする。
コメント