加賀市に存在する海岸の洞窟「加賀の潜戸(旧潜戸)」には、幼子の霊や不可解な体調異常、石を積む子供たちの幻影など、数多くの心霊現象が語り継がれている。今回は、加賀の潜戸(旧潜戸)にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
加賀の潜戸(旧潜戸)とは?
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加賀の潜戸(かがのくけど)とは、石川県加賀市の海岸沿いにある、岩場に開いた天然の洞窟である。
特に「旧潜戸」と呼ばれる場所は、かつて漁師たちが航海安全を祈った神聖な霊場であり、また日本神話に登場する猿田彦命の生誕地とされる伝承も残る。
洞窟は「神の潜戸(新潜戸)」と「仏の潜戸(旧潜戸)」に分かれ、旧潜戸には仏の世界とつながる入口として、死者の魂が集まると信じられてきた。
狭い入口の先には、巨大な空間が広がり、奥行きは50メートルにも及ぶ。
そこには、無数の小さな石塔が並ぶ「賽の磧(さいのかわら)」が存在しており、夭折した幼子たちの魂が、夜な夜なこの場所に現れては石を積むという、凄絶な霊場となっている。
加賀の潜戸(旧潜戸)の心霊現象
加賀の潜戸(旧潜戸)の心霊現象は、
- 少年の霊が出没する
- 子供たちの足音が賽の河原に響く
- 寒気や吐き気などの体調異常を訴える者が続出する
- 鬼が現れて石塔を崩す幻影を見る者がいる
である。以下、これらの怪異について記述する。
旧潜戸に足を踏み入れると、空気が一変する。
湿った岩肌が光を吸い込み、音すらも沈黙に包まれる中、異様な静けさが耳を支配する。
そして、視界の先には無数の石塔が並ぶ「賽の磧」が広がっている。
この地には、十にも満たぬ子どもたちが親を想い、泣きながら石を積み上げているという伝承が残る。
「一重積んでは父のため、二重積んでは母のため」と繰り返しながら石を積む姿が、霊感の強い者には見えるといわれている。
そして、突如として現れる鬼が石塔を蹴り崩し、子供たちを泣かせるのだ。
その時、地蔵菩薩の姿が朧げに現れ、鬼たちを追い払うのを見たという証言も存在する。
こうした霊的儀式が、今なお夜ごと繰り返されているというのだ。
また、訪れた人々の中には、突如として寒気を感じたり、激しい吐き気に襲われる者が後を絶たない。
医師の診断を受けても原因不明とされ、霊的な影響である可能性が囁かれている。
加賀の潜戸(旧潜戸)の心霊体験談
ある夏の日、心霊スポットを巡る趣味を持つ若者たちが旧潜戸を訪れた。
洞窟に入った途端、1人の女性が突然立ち止まり、「誰かに手を引かれた」と呟いたという。
周囲には誰もおらず、その腕には小さな手の跡が残っていた。
別の男性は、奥の賽の磧に差し掛かった際、子供の笑い声が後ろから聞こえたと語る。
振り返っても誰もおらず、だが彼の足元には、小さな裸足の足跡が濡れた岩の上にくっきりと残されていたという。
加賀の潜戸(旧潜戸)の心霊考察
加賀の潜戸(旧潜戸)は、古来より霊場として畏怖されてきた。
その根底には、幼くして命を絶たれた子どもたちの無念と悲しみが渦巻いている。
仏の潜戸と称されるこの場所には、現世と冥界の狭間が存在しており、そこに入り込んだ者は否応なく霊的干渉を受けると考えられる。
また、猿田彦命の伝承や、地蔵菩薩が鬼を追い払うという伝説が共存している点からも、この地は神仏が交わる特異な信仰の場であることがわかる。
無念を抱いた魂たちが、現世に未練を残して彷徨い続けているとするならば、そこで起こる心霊現象は単なる幻覚ではなく、現実と死の境界線がにじんだ結果にほかならない。
加賀の潜戸(旧潜戸)――それは、時を超えて幼き魂が泣き、石を積む声が今なお響く、恐怖と哀しみに満ちた霊界への入口である。
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