金清トンネルのウワサの心霊話

徳島県阿波市市場町に位置する金清トンネル。この周辺では、かつて第二徳島海軍航空基地の弾薬庫や兵器壕が存在し、多くの兵士や学徒が往来していたとされる。今回は、金清トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。


金清トンネルとは?

金清トンネルの外観

金清トンネルは、徳島自動車道にある全長510メートルの道路トンネルである。

その北側一帯は、かつて第二徳島海軍航空基地の隧道群が存在した地域であり、戦時中は第一弾庫、第二弾庫、隧道送信所、兵器壕などが掘削されていた。

これらの施設は、紀伊水道からの艦砲射撃を避けるために内陸部へ疎開して建設されたもので、終戦までに16本、総延長418メートルの隧道が稼働していた。

しかし戦後、徳島自動車道の建設や擁壁工事によってほとんどが破壊され、現在では崩落した坑口や僅かな痕跡しか残っていない。

だが、この地に刻まれた記憶は消えることなく、夜のトンネルを通る者たちに異様な気配を感じさせ続けている。


金清トンネルの心霊現象

金清トンネルの心霊現象は、

  • 軍服姿の男性がトンネル内を歩く姿が見える
  • トンネルを通過中、無線のような雑音や軍歌が聞こえる
  • 後部座席に誰もいないはずの影が映り込む
  • エンジンが急に停止し、再始動まで異様な静けさに包まれる

である。以下、これらの怪異について記述する。

軍服姿の男性は、進行方向とは逆向きにゆっくりと歩いていることが多く、その姿はライトに照らされても表情が判別できない。

接近するとふっと消えるか、壁面へ溶け込むように消失すると証言されている。

無線のような音は、古びた送信機からの断片的な声のように聞こえることがある。

耳を澄ませば「進め」「整列」など、軍事命令を思わせる言葉が混じっている場合もあるという。

後部座席の影は、ドライブレコーダーやバックミラーにのみ映り、肉眼では確認できないことが多い。

特に深夜の通過時に発生しやすいとされる。

エンジン停止現象は、短時間ながら完全に電源が落ち、ライトも消えるため運転者に強烈な恐怖を与える。

その間、トンネル内は異様な静寂に包まれ、自分の心臓の鼓動だけが響くという。


金清トンネルの心霊体験談

ある深夜、地元の男性が仕事帰りに金清トンネルを通過していた。

トンネルの中ほどで急にカーステレオが雑音を発し、軍歌の一節が流れた直後、エンジンが停止。

慌てて車を路肩に寄せたが、再始動までのわずかな時間、後部座席の窓に軍帽をかぶった若い男の影が映っていたという。

振り返った瞬間、その影は煙のように消え、静まり返った車内には冷気だけが残っていた。


金清トンネルの心霊考察

金清トンネル周辺は、戦時中に命を落とした兵士や学徒の活動拠点であり、弾薬庫や兵器壕という死と隣り合わせの施設が集中していた。

彼らは終戦と共に帰る場所を失い、この地に縛られたまま、今も通行人にその存在を示しているのかもしれない。

特に無線音や軍歌の現象は、隧道送信所の記憶が空間に刻まれ、特定の条件下で再生される「残留思念」の一種と考えられる。

後部座席の影や軍服姿の霊は、基地への帰還途中に命を落とした兵士たちの姿である可能性が高い。

金清トンネルは単なる道路施設ではなく、戦争の傷跡と未練が濃密に残る場所であり、無防備な心で立ち入れば、その視線や声を感じ取ってしまうだろう。


金清トンネルの地図

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