大阪府高槻市と京都府亀岡市を結ぶ樫田トンネルは、日中は何の変哲もない短いトンネルである。しかし、夜になるとそこは異様な雰囲気に包まれ、数々の怪奇現象が報告されている。電気系統の異常、深夜に現れる少女の幽霊、車のシートに残る怪奇現象……。今回は、樫田トンネルにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
樫田トンネルとは?

樫田トンネルは、大阪府道6号線にある唯一のトンネルであり、高槻市と亀岡市を結ぶ交通の要衝である。
このトンネルが開通する以前は、旧道の峠を越える必要があり、不便な場所とされていた。
昭和33年にこの地域が高槻市へ越境合併された後、住民の通学や移動の負担を軽減するため、長年の陳情を経て昭和48年に開通した歴史を持つ。
しかし、このトンネルには開通当初から奇妙な噂が囁かれていた。
工事中の事故、夜中に消える車のライト、不気味な人影……。
こうした話が積み重なり、次第に心霊スポットとして知られるようになった。
樫田トンネルの心霊現象
樫田トンネルの心霊現象は、
- 夜中の電気系統の異常(ライトやエアコンの不調)
- 深夜2時頃に突然消えるトンネル内の灯り
- トンネル内を歩く少女の幽霊
- 後部座席から忽然と消える謎の乗客
- 車のシートから立ち上る火の玉
- トンネル建設中の事故にまつわる怪異
である。以下、これらの怪異について記述する。
電気系統の異常
樫田トンネルでは車のライトが突然消える、エアコンが動かなくなるといった異常が頻発するという。
特に夜間、何の前触れもなく車の電装がダウンし、エンジンをかけ直してもすぐには回復しないという報告が多い。
ある者は「まるで何かにエネルギーを吸い取られたようだった」と語る。
深夜2時に消える灯り
トンネル内部の照明が深夜2時頃に突然消えるという奇怪な現象が語られている。
この時間帯にトンネルを通ると、まるで闇に包まれた異世界へと迷い込んだかのような錯覚に陥るという。
トンネル内を歩く少女の幽霊
ある夜、亀岡方面から走ってきた車がトンネル内をとぼとぼ歩く少女を発見したという。
少女に声をかけると「高槻まで行きたい」と答えた。運転手は不憫に思い、後部座席に乗せてあげたのだが、市街地に入った瞬間、少女の姿は跡形もなく消えてしまった。
車のシートから立ち上る火の玉
この事件の後、運転手は恐ろしくなり、車のシートをすべて外に放り出した。
警察官を呼び、一緒に現場を確認すると、外に捨てたシートから火の玉のようなものが立ち上ったという。
これを警官も目撃しており、当時のタウン誌にも掲載されたほどの有名な話である。
建設時の事故にまつわる怪異
樫田トンネルの工事中に作業員が死亡したという噂がある。
工事中の事故は珍しくないが、こうした人柱的な死が霊を呼び寄せるとする説もある。
このトンネルで頻発する心霊現象は、この出来事と無関係ではないのかもしれない。
樫田トンネルの心霊体験談
ライトがつかない車
かつて、あるカップルと友人が興味本位で樫田トンネルへ向かった。
行きの道中は何も起こらなかったが、帰り道で異変が発生した。
「ライトがつかない」――運転していた彼氏がそう呟いた。
冗談かと思いきや、本当に点かない。エンジンを切ったりつけたりを繰り返しても、状況は変わらなかった。
やがて、30分ほどしてようやくライトが点いたが、翌日ディーラーで点検しても「異常なし」と診断された。
バイクでの違和感
また、ある人物が深夜に原付バイクでトンネルを通った際、不思議な感覚に襲われた。
道路の溝でバランスを崩しかけたかと思うと、急に背中が重くなったという。
「誰かが後ろに乗っていたのかもしれない」と語る彼の顔は、今でも青ざめている。
樫田トンネルの心霊考察
樫田トンネルにまつわる怪異の多くは、電気系統の異常や不可解な人影といった形で現れる。
特に深夜2時の照明の消失は、何らかの超常的な力が働いている可能性を示唆している。
また、消える少女や火の玉の目撃談は、単なる作り話では済まされないほど具体的であり、目撃者も少なくない。
建設時の事故との関連性を指摘する声もあり、供養の不足が霊を彷徨わせているのではないかとも考えられる。
幽霊の存在を信じるかどうかは人それぞれだが、樫田トンネルに訪れる際には、何かがついてこないように注意した方がいいかもしれない。
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