島根県大田市にある落差20メートルの名瀑「清滝」には、古くから不気味な心霊のウワサが囁かれている。滝壺に現れる女性の霊、写真に写り込む謎の影、そして首のない異形の存在──。今回は、清滝にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
清滝とは?

清滝は、島根県大田市久手町刺鹿(さつか)に位置する落差約20メートルの壮大な滝である。
江谷川の上流にあり、かつては雨乞いの場として地元の信仰を集めていた。
滝に向かう遊歩道の脇には、ひとつひとつ異なる表情をした33体の地蔵が静かに立ち並ぶ。
古くから人々が祈りを捧げてきた場所であるが、それと同時に、霊的な異変や不可解な出来事が後を絶たない、知る人ぞ知る心霊スポットでもある。
清滝の心霊現象
清滝の心霊現象は、
- 女性の霊が現れる
- 心霊写真が撮れる
- 首のない人物が蜘蛛のような体勢で追いかけてくるという噂
- 地元住民が語る、地蔵の位置が夜になると変わる現象
である。以下、これらの怪異について記述する。
女性の霊が現れる
滝壺のほとり、湿った岩陰のそばに、長い髪を垂らし、顔の判別ができない女性の姿が立ち尽くしていたという目撃談がある。
その姿はまるで、何かを訴えるかのようにこちらをじっと見つめていたとされる。
しかもその姿は、誰かが声をかけると一瞬にして霧のようにかき消えるという。
心霊写真が撮れる
過去に中学生の遠足で訪れた際、滝を背景に集合写真を撮ったところ、全員の背後にぼんやりと人影が写っていたという。
この写真には明らかに、そこにはいないはずの“誰か”の顔が写り込んでおり、撮影した教師がその場で悲鳴を上げたという話が残っている。
首のない人物が蜘蛛のような体勢で追いかけてくる
この噂は、夜の清滝周辺で特に多く聞かれる。
体を反らせた奇怪な姿勢で、まるで四肢だけで這うように動く異形の存在が、足音もなく背後に迫ってくるという。
振り返った瞬間、それは首のない人間のような姿をしており、息遣いすらも感じるほど間近にいたという証言もある。
夜中に動く地蔵
滝へと向かう道中に並ぶ33体の地蔵たち。
ある者は「帰りに数を数えたらひとつ増えていた」と語り、またある者は「昼にはこちらを向いていた地蔵が、夕方には背を向けていた」と証言する。
誰が動かしているのか、その理由は未だに不明である。
清滝の心霊体験談
実際に清滝を訪れた人物の体験談を紹介する。
「夕方近くに清滝を訪れた。滝壺の音に耳を傾けていると、背後から足音がした。振り向いても誰もいない。不思議に思ってスマートフォンで写真を撮ったところ、画面の隅に、ぼんやりとした女の顔が写っていた。その場でスマホを落とし、逃げるように帰った。後で確認すると、その写真はなぜか保存されていなかった。」
清滝の心霊考察
清滝がこのような心霊スポットと化した理由については、いくつかの説がある。
一つは、清滝が雨乞いの場として使用されていたという歴史から、強い念が滝に宿ったのではないかという説。
滝壺に向けて祈りを捧げる際に、人柱のような風習があったとも囁かれており、供養されなかった魂が今もこの地に留まっている可能性がある。
また、33体の地蔵が存在するという事実も見逃せない。
仏教的には33という数字は“観音菩薩の化身の数”とされており、霊的な意味を強く持つ。
この数字が選ばれたのが偶然であるとは考えにくく、むしろ霊を鎮めるために置かれたとするならば、ここにはそれだけの“理由”が存在することになる。
清滝はただの自然の名所ではない。
人々の祈りと恐れが交錯し、時には人の世を超えた何かが顔を覗かせる、そんな“境界”の地であると言えるだろう──。
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