岡山県に架かる児島湾大橋では、夜ごと不可解な現象が起きるという。歩道に現れる女の霊、飛び降りた者の痕跡、突き落とされそうになる不気味な感覚――これらの噂は単なる作り話なのか、それとも橋に刻まれた悲劇が招く怨念なのか。今回は、児島湾大橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
児島湾大橋とは?

児島湾大橋(こじまわん おおはし)は、岡山県岡山市中区新築港(新岡南地区)と南区飽浦(児島半島北部)の間に架かる全長931m、幅10.5mの橋である。
県道岡山玉野線(県道45号)の一部を成し、片側1車線と歩道を備えている。
もともと岡山と玉野を結ぶ短絡道路としては児島湾締切堤防道路が存在したが、大型車両の通行が禁じられていた。
これに代わる輸送路として昭和53年(1978年)に建設が開始され、昭和58年(1983年)に完成した。
以来、京阪神方面への連絡道路として重要な役割を果たしている。
橋は最も高い部分で海面から約30mあり、岡山市街地や児島湾締切堤防、児島湖を見渡すことができる。
また、周辺には岡山港高島地区や岡山ふれあいセンター、ヤンマーアグリの施設が並び、かつてこの地には三蟠鉄道の終着駅・三蟠港跡があった。
児島湾大橋の心霊現象
児島湾大橋の心霊現象は、
- 夜間に女性の霊が歩道に立つ姿が目撃される
- フェンスに複数の破損箇所があり、そこから身を投げた者がいるとの噂
- 橋の歩道側で男性が飛び降り自殺した現場に、今も枯れた花が供えられている
- 橋の上で突然背後から突き落とされそうな感覚に襲われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
夜、児島湾大橋を訪れると、まず不気味に感じるのは薄暗い歩道の先に、ぼんやりと浮かぶ白い影である。
それは女性の霊だとされ、目撃談によれば、黒髪を垂らした細身の女が欄干に手をかけ、何かを見下ろしているという。
話しかけると、その顔には目も口もなく、ただ白く歪んだ皮膚だけが張りついていたという証言さえある。
橋の中間部には、高いフェンスが設置されている。
しかし、他の場所は腰ほどの高さのガードレールのみで、視界をさえぎるものがほとんどない。
夜風が吹き抜けると、まるで背中を押されるかのように身体が揺らぎ、そのまま海へ引き込まれそうな錯覚に陥る。
さらに恐ろしいのは、フェンスに約5か所、無残に破れた跡が残されていることだ。
ここから何人もが海へと身を投げたと噂されており、今もなお血の気の引く気配が橋を覆っている。
歩道の一角には、男性が飛び降り自殺を遂げた場所があり、その現場には誰が供えたのか分からぬ枯れた花束が置かれ続けている。
夜になると、その花がひそひそと声をあげているように聞こえたという証言もある。
児島湾大橋の心霊体験談
ある若者の話である。
深夜、児島湾大橋をドライブしていたところ、何気なく歩道側に視線をやると、白い服を着た女が欄干の向こう側に立っていたという。
車のライトに照らされて、確かにそこにいるはずの女は、次の瞬間、ふっと闇に溶けた。
慌ててバックミラーを覗いたが、女の姿は消えていた。
だが帰宅後、その男の背中には、冷たい濡れた手で撫で回されたような跡が残っていたという。
児島湾大橋の心霊考察
これらの心霊現象は、児島湾大橋に染みついた幾多の怨念が成すものではないかと考えられる。
夜景や工場群の光に彩られるこの橋は、一見するとロマンチックであるが、その美しさの裏に、深い闇が潜んでいる。
人が命を絶った場所には、強い未練や悲しみが残ると言われる。
橋上で感じる突き落とされそうな感覚は、自ら飛び込んだ者たちの呼び声であり、そこに現れる女の霊は、同じ場所に誘い込もうとする者なのかもしれない。
児島湾大橋は、昼間こそ穏やかな風景を見せるが、夜になると死者たちの声が橋を渡って吹き抜ける。
そこに立つ者は、決して気を抜くべきではないのである。
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