孔舎衛坂駅は、旧生駒トンネルの大阪側に位置する廃駅であり、長い歴史の中で多くの事故と不穏な噂に包まれてきた場所である。今回は、孔舎衛坂駅にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
孔舎衛坂駅とは?

孔舎衛坂駅(くさえざかえき)は、近鉄奈良線の旧生駒トンネル大阪側に存在した廃駅である。
開業は1914年(大正3年)で、当初は「日下駅」として設置された。
その後「鷲尾駅」へ改称し、1940年(昭和15年)に神武天皇ゆかりの地名を冠した「孔舎衛坂駅」となった。
1964年(昭和39年)に新生駒トンネルの開通に伴い路線が切り替えられ、駅は役目を終えた。
現在はホーム跡や階段の痕跡、当時の石碑だけが残されている。
周辺には白龍神社があり、地域の歴史とともに、数多くの噂が語られる場所である。
孔舎衛坂駅の心霊現象
孔舎衛坂駅の心霊現象は、
- 生駒トンネル工事の落盤事故で亡くなった作業員の霊がホーム跡に立つ
- 終電後に乗客を乗せた「幽霊列車」が旧線を走る音が聞こえる
- 写真撮影時に不可解な連写やノイズが発生する
- 神社周辺で足音や気配だけが近づく
である。以下、これらの怪異について記述する。
落盤事故で亡くなった作業員の霊
旧生駒トンネルは難工事として知られ、多くの作業員が事故で命を落とした記録が残る。
そのためか、駅跡のホーム付近では「人影が立っていた」という証言が複数存在する。
姿ははっきりしないが、作業着のようなシルエットで佇んでいたとされ、近づくと霧のように掻き消えるのだという。
夜間に見た者ほど、その輪郭が濃く見えたと語られている。
終電後の幽霊列車
孔舎衛坂駅跡では、終電通過後にも「走行音だけが聞こえる」との噂がある。
現在線路とは位置が異なるため、音の正体が説明しづらい。
山肌に反響する音とも考えられるが、深夜に「車輪のきしむ音」「車内ざわめきのような気配」を聞いたという声は少なくない。
姿は見えないのに、古い電車が通る気配だけが残るという報告である。
写真の異常・不可解な連写
駅跡周辺では、撮影機器に異常が生じる例もある。
実際に訪れた人の記録では、携帯カメラが突然連写を始め制御不能になったという事例がある。
普段は起こらない不具合であり、現場を離れると症状が止まったと報告されている。
偶然の故障と片付けられない点が、噂の信憑性を増している。
白龍神社周辺の足音・気配
駅跡敷地内にある白龍神社では、閉鎖されているにもかかわらず、境内で「後ろをつけられているような足音」を感じる体験がある。
特に鳥居周辺は風の通りが弱く、静寂が深いためか、気配の変化が強調されるようである。視界の端が揺れる、背後に影が動くといった報告が多い。
孔舎衛坂駅の心霊体験談
以下は、孔舎衛坂駅跡で実際に語られた体験談である。
石切に立ち寄った帰り、駅跡を見たいと思い柵の外から撮影をしていたところ、携帯のカメラが突然「連写を始めた」という体験談がある。
撮影者は特にボタンを押しておらず、停止させることもできず、ただ連写が続き、数枚分は白飛びしたような画像が記録されていたという。
周囲には誰もおらず、風も弱かった。同行者のカメラには異常がなく、連写が起きたのは本人の携帯だけであった。
撮影者が「心霊現象ではないか」と騒いだ一方、同行者はまるで何も気づかないかのように淡々と坂を登っていったという。
この「現象が起きた人と起きない人の差」も、不可解さを深めている。
孔舎衛坂駅の心霊考察
孔舎衛坂駅周辺の心霊現象は、旧生駒トンネル工事に伴う事故と深い結びつきがあると考えられる。
多くの労働者がこの地で亡くなっており、歴史的背景からも「何かが残っていても不思議ではない」という雰囲気を帯びている。
幽霊列車の噂は、旧線が山中を通っていたことから反響音や地形の特性による錯覚の可能性もある。
しかし、走行音とともに「乗客のざわめき」を聞いたという証言まである点は無視できない。
また、写真機材の異常は電子的トラブルでも説明は可能だが、現場を離れると途端に正常に戻る例が多く、偶然だけでは片付けにくい。
白龍神社周辺の気配についても、人気のない閉鎖された空間であるがゆえに、人の気配が強調されやすい。
しかし、足音や影の動きなど明確な体験が複数残っている以上、人が感じた「異常な気配」には何らかの要因が潜んでいると推測できる。
孔舎衛坂駅は廃駅でありながら、今も時間が止まったような静寂を保ち、周囲に強い歴史の残滓が漂う場所である。
その沈黙が、訪れる者の感覚を鋭くし、過去の痕跡を「何かがいる気配」として受け取らせているのかもしれない。
だが、この場所に立つと、単なる心理的錯覚だけでは説明しにくい「重さ」が確かに存在する。
それがこの地に語られる心霊の噂を支えているのである。

のウワサの心霊話-500x500.jpg)




のウワサの心霊話-500x500.jpg)
コメント