福岡市南区の住宅街にひっそりと佇む歩行者専用橋「的場橋」。昼は穏やかな景色が広がるが、夜になると一転して、数々の不可解な現象が語られる心霊スポットと化す。地元住民の間で語り継がれる、女性の霊や白い人影、川底から這い上がる影――。今回は、的場橋にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
的場橋とは?

的場橋は、福岡市南区和田と的場を結ぶ、那珂川に架かる歩行者専用の橋である。
周囲は住宅街に囲まれており、一見穏やかな地域に位置しているが、この橋には数々の不気味な噂がつきまとう。
古くはこの地域一帯が海であったとされ、橋の近くには墓地や教会、南市民プール前の交差点など、人の「終わり」や「移り変わり」を象徴する場所が点在している。
そのためか、的場橋周辺では異様な霊的現象が報告されることが多い。
橋自体は小さく、川面に近い低い位置に架けられており、さらに“赤色”という不気味な色合いが、夜には暗闇に浮かび上がり、不安をかき立てる存在となっている。
的場橋の心霊現象
的場橋の心霊現象は、
- 赤い橋の上に現れる女性の幽霊
- 夜中に橋を渡ると、向こう側に白い人影が立っている
- 橋のたもとに現れてすれ違う女性の霊
- 子どもの霊が道路を横切るという目撃談
- 川底から浮かび上がってくるような黒い影
- 夜になると重く冷たい空気が漂い、不意に肩を叩かれるような感覚に襲われる
である。以下、これらの怪異について記述する。
赤い橋の上に現れる女性の幽霊
この橋で最も多く語られるのが「女性の霊」の出現である。
特に夜間、橋のたもとに立っていると、反対側に女が立っており、無言ですれ違っていくという。
まるで現実の人間のようにも見えるが、時間帯や状況から考えて、あまりにも不自然である。
証言によれば、その現象を体験したのは一度や二度ではなく、六度に及ぶという。
誰もいない夜の川辺で、すれ違う“それ”は、本当に人間なのだろうか。
白い人影と子どもの霊
橋の西側、南市民プール前の交差点へ向かう途中、「白い人型のもや」のようなものが見えるという証言がある。
また、橋の近くの道路では、車の前を子どもの霊が横切るとの目撃談もあり、交通事故も多発しているという。
川底から上がってくる影
那珂川は浅い川とされているが、的場橋付近は例外である。
老司川との合流地点でもあり、さらに博多湾から海水が逆流することで、川底が深くなっている。
この異様な水の流れの下から、何かが這い上がってくるような感覚に襲われるという報告もある。
異様な寒気と重苦しさ
昼間は近くの小学校の声が響き、穏やかな雰囲気すら漂うが、夜になると様子が一変する。赤い橋が闇の中に浮かび上がり、川面の冷気が一層強まる。
身体の芯まで冷えるような感覚に加え、何かに見られているような、重苦しい空気が漂うという。
的場橋の心霊体験談
「橋のたもとで立ち止まっていると、向こう側に女が現れた。ゆっくりと橋を渡り、すれ違う――しかし、顔は見えなかった。ただ、すれ違った瞬間、背筋がぞっとして振り返ると、もう誰もいなかった」
「夜遅くに車で近くの道路を走っていた時、子どもがいきなり目の前を横切った。慌ててブレーキを踏んだが、そこには誰もいなかった」
これらの証言は一例に過ぎない。同様の体験は、地元住民の間で幾度となく語り継がれている。
的場橋の心霊考察
的場橋は、単なる都市伝説では片付けられない、確かな“気配”を感じさせる場所である。
地理的に見ても、古くは海であり、周囲には墓地や教会、霊にまつわる場所が集中している。
また、那珂川の流れの特異性や水の深さも、霊的現象を引き寄せる要因となっている可能性がある。
さらに工事中に那珂川で人骨が多数発見されたという記録も存在しており、地中深くに眠っていた“何か”が掘り起こされたことで、現在の現象が起きていると考えられる。
赤い橋という色彩的な不気味さに加え、実際に目撃される霊体――特に“女性の幽霊”の多発は、この地に深く刻まれた怨念のようなものを思わせる。
夜の的場橋を訪れる際は、くれぐれも一人では行かぬ方が賢明である。
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