大阪市阿倍野区にある桃ヶ池公園は、古くから大蛇伝説や人々の怪異体験にまつわる土地である。昭和期の殺人事件や変死事件、そして夜間に目撃される不可解な人影や霊の噂など、歴史と現代が交錯する怪異の数々が伝えられている。今回は、桃ヶ池公園にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
桃ヶ池公園とは?

桃ヶ池公園は、大阪市阿倍野区桃ヶ池町に位置する地区公園である。
公園の中心に広がる桃ヶ池は、古くは「百ヶ池」「脛ヶ池」「股ヶ池」とも表記され、複数の呼び名が残る歴史の深い池である。
池には古来、大蛇が棲みついていたという伝承があり、聖徳太子(あるいは太子の使者)がこれを退治したとの言い伝えが残されている。
大蛇の死骸は池に浮かぶ島に埋葬されたが、怪異が続いたため霊を鎮める「おろち塚」が築かれたとされ、この塚は昭和初期まで存在していたという。
昭和8年の公園整備後は憩いの場となり、ボート遊びもできる観光地であり、デートスポットでもあった。
池の中央部に残る小島は、地元では「蛇島」と呼ばれ、古い伝承の名残を今に伝えている。
桃ヶ池公園の心霊現象
桃ヶ池公園の心霊現象は、
- 口元が裂けた女性の霊の目撃
- 池周辺で聞こえる得体の知れない水音
- 深夜、南側の遊歩道で人影が横切るという報告
- 池の中央島付近で気配だけが近づいてくる現象
- 公園内での変死事件後、当時の年代や特徴に似た男性の影を見たとの噂
である。以下、これらの怪異について記述する。
口元が裂けた女性の霊
深夜2時頃、公園南側を歩いていた人物が遭遇したという女性の姿は、最も有名な噂である。
街灯の弱い光の下、髪の長い女性がゆっくり歩いていたが、近づくにつれ口元が耳元まで裂けていたと証言されている。
数十年前、池の近くにあったラブホテル「白鳥苑」で殺人事件があったとされる噂と関連づけられることも多い。
池から響く正体不明の水音
風も波もない夜、池の中心から“ぼちゃん”という明らかな落水音が響くことがあるという。
周囲に動物の姿はなく、ボート遊びもすでに廃止されているため、原因は不明である。
伝承にある大蛇の埋葬地とされる島付近で多く報告されている点が不気味である。
南側の遊歩道を横切る影
南側の道では、人気のない時間帯に黒い影が横切るという。
影は人型だが、足音や気配はなく、ふと視界に入る瞬間のみ存在する。
口コミでは1999年頃の死亡事件に関連して語られることがある。
中央の島に向かってくる“気配”
立ち入りは禁止されている島の周辺では、背後から何かが近づくような気配を感じるとの声が多い。
実体はなくとも、真後ろに立たれたような圧迫感を覚えるという。
古来より埋葬地、祟り地とされてきた場所であるため、地元でも敬遠される。
変死事件後に現れる男性の影
2021年1月20日、公園内で40〜55歳とみられる男性の遺体が発見されている。
以降、早朝や深夜に公園の外周で、服装の特徴が事件当時に似た男性の影を見たという噂が少数ながら存在する。
桃ヶ池公園の心霊体験談
ある利用者は、深夜に池の南側を散歩していた際、女性の足音のような気配を背後に感じたという。
振り返っても誰もおらず、ただ池の水面だけがわずかに揺れていた。
不自然な風もなく、周囲に生き物の気配すらない中、背筋を撫でるような冷気が漂っていたと語っている。
別の利用者は、池の中央島に向かってふと視線を送った瞬間、島の陰に人が立っていたように見えたという。
しかしその影は、次の瞬間には跡形もなく消えていた。
視覚の錯覚では片付けられないほど、はっきりとした“誰かの姿”であったと証言している。
桃ヶ池公園の心霊考察
桃ヶ池公園の怪異は、古来の大蛇伝承と、地域に積み重なってきた事件や事故が複雑に絡み合って形成されていると考えられる。
大蛇を埋葬したとされる島が現在も残っていること、そして昭和期の殺人事件、近年の変死事件など、土地の歴史と現代の出来事が連続している点が特徴である。
公園内で報告される影や気配は、いずれも池の中心や南側に集中しており、地元で語られる「蛇島」との位置関係とも一致している。
長い年月の中で積み重なった伝承と人々の不安が、この土地に特有の怪異として形を成しているのかもしれない。
桃ヶ池公園は、美しい花々に彩られた観光地としての顔を持つ一方、古い土地に残る“何か”が今も静かに息づいている場所であるといえる。

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