青森県にある「月光の滝」は、修験道の名残を今に伝える神聖な滝でありながら、古くから心霊スポットとしても名を知られている。今回は、月光の滝にまつわるウワサの心霊話を紹介する。
月光の滝とは?

月光の滝は、青森県の山中にひっそりと存在する滝である。
その名の由来は、大正時代に濱田松實という男性が大山祇大神の夢を見たことに端を発する。
夢の中で彼は、月明かりに照らされた美しい滝を目にし、それを「月光の滝」と名付けたとされる。
この地はもともと修験者の修行場であり、霊的な意味合いが深く刻まれている。
現在でも滝行は宗教法人「御嶽教大年三柱教会」の管理下で行われており、信仰の対象としての側面を色濃く残している。
しかしながら、静寂に包まれたこの場所では、不気味な噂も囁かれており、心霊スポットとしても語られるようになった。
月光の滝の心霊現象
月光の滝の心霊現象は、
- 「四本足の肉を食ったもの、立ち入るべからず」という禁忌の存在
- 肉類を食した状態で自身の姿を滝壺に映すと、引きずり込まれるという噂
- 白く発光する得体の知れぬ光が、宙を彷徨う現象
- 人影のようなものが、誰もいないはずの林の奥で蠢く
である。以下、これらの怪異について記述する。
まず、この場所には非常に奇妙な注意書きが存在する。
鳥居の前に立てられた看板には、こう記されている。
「今朝、ネギ類または肉食された方は入山お断り」
特に「四本足の動物の肉を食べた者は、月光の滝に引き込まれる」という禁忌は、地元では広く知られており、昔から「肉を食べて訪れると姿が消える」と恐れられてきた。
滝壺に自分の姿を映すことで、その呪いが発動すると噂されている。
また、夜になると白く淡く発光する光が、滝の周囲をゆらゆらと漂う様子が目撃されている。
それは生物の光とも異なり、一定の動きを持たず、まるで意思を持つかのように人を引き寄せようとする。
さらに、誰もいないはずの滝の奥や林の隙間に、黒い人影が立ち尽くしているという報告も相次いでいる。
その影は決して話しかけてくることはなく、ただ「見つめ返してくる」だけだという。
月光の滝の心霊体験談
実際にこの地を訪れた者の証言は生々しく、信憑性の高いものである。
ある人物は、祖母から聞いた話としてこう語っている。
かつて月光の滝を訪れたカップルがいたが、その後、女性の方が突如として精神に異常をきたし、日常生活が困難になるほどの変調をきたしたという。
また、家族で訪れたという別の体験談では、こう語られている。
「その日は快晴で、暑い日だったにもかかわらず、月光の滝の周囲だけが異様に冷えていた」と。
その場にいた弟は、それ以来、なぜか月光の滝に行くたびに便秘に悩まされるようになったという。
異常な涼しさ、身体の変調、精神の崩壊――それらはすべて、ただの偶然では片づけられない。
月光の滝の心霊考察
月光の滝が心霊スポットとされる背景には、いくつかの要因があると考えられる。
まず第一に、この地がもともと修験道の場であり、長年に渡って霊的な修行が行われてきた場所であるという点である。
そういった場所には、修行者の念や怨念が残留しやすい。
次に、明確な「禁忌」の存在だ。「肉を食して訪れてはならぬ」というルールは、宗教的な意味合いだけではなく、ある種の“契約”として滝と人との間に交わされたものとも読み取れる。
つまり、それを破ることは、何かしらの霊的干渉を受ける引き金となる可能性が高い。
そして最後に、目撃される白い発光体や人影が物語るのは、ただの自然現象ではない「意思を持った存在」の気配である。
滝に引き込まれるという伝承も、心霊体験の証言と一致する点が多く、ただの作り話とは言い難い。
月光の滝には、理屈では説明のつかない「なにか」が確かに存在している。
滝の名が月光に由来するように、光に隠された闇が、この地には広がっているのである。
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