かつて茨城県東茨城郡茨城町の森の中にひっそりと佇んでいた「モーテル・ニューロマン」は、今も語り継がれる心霊スポットである。鬱蒼とした木々に囲まれ、廃墟と化したこのモーテルには多くの恐ろしい噂が残っていた。今回は、モーテル・ニューロマンにまつわるウワサの心霊話を紹介する。
モーテル・ニューロマンとは?
モーテル・ニューロマン、または「ホテルニューロマン」としても知られるこの施設は、茨城県東茨城郡茨城町の森の奥に存在していた。
1960年代後半に開業され、10棟ほどのコテージタイプの建物からなるモーテルで、当時は観光客や地元の利用者に親しまれていた。
しかし、その後の経営は順調ではなかったのか、1980年代後半から1990年頃には既に閉業し、建物は次第に廃墟と化した。
閉業後、モーテル・ニューロマンは不法投棄の温床となり、敷地内には様々な廃材や家電が放置され、荒れ果てた姿を晒していた。
2012年頃までは空中写真でもコテージの形が確認できたものの、2014年頃には木々が覆い尽くし、その痕跡すら不明瞭になっていった。
最終的に2019年にはコテージのほとんどが崩壊または解体され、残されたのは廃材と荒廃した土地だけであった。
モーテル・ニューロマンの心霊現象
モーテル・ニューロマンにまつわる心霊現象は、以下の通りである。
- 満面の笑みを浮かべた遺影が建物内に残されている
- カップルが無理心中を図ったとの噂
- 廃墟の2階窓から誰かが見下ろしているという目撃情報
廃墟と化したモーテル・ニューロマンには、これらの噂が重なり、ますますその不気味さを強めていた。
満面の笑みを浮かべた遺影
訪問者の多くが報告しているのが、廃墟内で見つかった不気味な遺影である。
そこには満面の笑みを浮かべた人物の顔が映し出されていたとされるが、具体的な証拠写真などは残されていない。
遺影がどこから来たものなのか、また誰の写真であったのかも不明で、ただその異様な微笑みが恐怖を引き起こす要因となっていたようだ。
カップルの無理心中の噂
モーテル・ニューロマンでは、かつて若いカップルが無理心中を図ったという噂が絶えない。
彼らの霊が今もモーテル内をさまよっていると語られており、特に夜間、建物周辺では異様な冷気や悲しい気配を感じるといった体験談が多く報告されている。
この心中の噂には具体的な裏付けはないものの、訪れる者の不安をかき立てる恐怖の象徴となっていた。
2階の窓からの視線
モーテル・ニューロマンの中には2階建ての建物もあり、夜間にこの窓を見上げると、誰かがじっと見下ろしているように感じるという証言が後を絶たなかった。
建物内には人がいるはずもないが、その窓から見下ろす視線を感じるという現象は、訪問者に強烈な恐怖を与え、無機質な廃墟が心霊スポットとして語り継がれるきっかけともなった。
モーテル・ニューロマンの心霊体験談
ある心霊スポット愛好者が廃墟を訪れた際、「建物の2階に誰かがいる」と感じたという。
彼は恐る恐る建物に近づいたが、2階の窓には微かに人影が見えたような気がし、背筋が凍る思いで逃げ出したという。
また、別の体験者は、建物内部に残された笑顔の遺影を見つけた瞬間、急に耳鳴りが始まり、異常な寒気に襲われたという。
このように、モーテル・ニューロマンでは、異常な体験を語る者が後を絶たなかった。
モーテル・ニューロマンの心霊考察
モーテル・ニューロマンは、その不気味な外観と廃墟という環境が、訪問者の恐怖を引き出しやすい場所であったと考えられる。
不気味な遺影や心中したカップルの噂は、噂が噂を呼んでいった結果であり、心理的な暗示が強い影響を与えた可能性が高い。
また、廃墟特有の静寂や老朽化した建物の影が、不気味な現象に感じられる要因ともいえよう。
さらに、訪問者の中には、このモーテルが解体されてなお、誰かの視線を感じた、異常な寒気を覚えたなどの証言もあり、噂や心霊現象に対する信念が、訪れる者に強い影響を及ぼしていると考えられる。
現在、モーテル・ニューロマンの建物は解体され、その跡地には不気味な廃材と藪が残るのみである。
かつての心霊スポットとしての名残は消え去りつつあるが、その場所にまつわる噂や体験談は、今も訪問者の記憶に強烈に焼き付いている。
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